介護にまつわるお役立ちコラム

要介護5とはどのような状態?利用できるサービスや給付金の限度額について解説!

2022年02月14日

「要介護5と認定されたけど、どのような状態?」
「要介護5の人が受けられるサービスや支給限度額について知りたい!」
と要介護5と認定された方やご家族の方は、思っていませんか?本記事では、「要介護5」の状態や利用できる介護保険サービス内容、給付金の限度額について紹介します。「要介護5」と認定される基準や受けられるサービス内容、保険が適用される支給金額など、気になるポイントを解説していきます。要介護5と認定された方やご家族の方はぜひ最後までご一読ください。

1要介護5とはどのような状態?

介護が必要な度合いを示す「要介護度」は、自立、要支援(1,2)、要介護(1,2,3,4,5)の8段階に分けられます。そして要介護5とは、要介護認定の中で最も症状の重い状態のことを指します。また要介護は、年齢や身体機能、認知症の進行具合によって、費用や介護内容も大きく異なります。そこで今回は、要介護認定の中でも最も重い状態「要介護5」について詳しく解説します。

要介護5の状態

要介護5の基準例をまとめると以下の通りです。

  • 食事や排泄、入浴など、生活全般に介護が必要
  • 掃除や買出しなどの家事ができず、サポートが必要
  • 立ち上がったり、歩いたりすることがほとんどできない
  • 理解力や思考力の低下が見られる
  • 意思疎通が困難である

要介護5の場合は、一日中ほとんど寝たきりのことが多く、立ち上がって歩くことができない状態です。そして、掃除や買出しなどの家事ができないだけではなく、食事や排泄、入浴など日常生活のほぼ全てに介助が必要です。さらに筋力の低下により、食べ物や飲み物を飲み込むことが困難な方もいます。また、要介護5になる原因の多くは脳卒中や認知症とされています。そのため、理解力や思考力の低下や意思疎通が困難になるケースが多いです。

要介護4との違い

要介護4も要介護5と同様に重度の介護が必要とする状態です。そして要介護5と同じように日常生活において介護が必要という点では、大きな違いはありません。しかし要介護4では日常生活において、介護があれば自分でできることが多いですが、要介護5になると、全面的な介護が必要になります。そして、要介護5は寝たきりの状態が長く、動作や行動の1つ1つに介護が必須です。また要介護5では、理解力も著しく低下してしまい、意思疎通が困難な状態になります。そのため、要介護4と要介護5の違いとしては、

  • 日常生活における介護の頻度・関与度
  • 寝たきり状態の時間の長さ
  • 理解力の低下、意思疎通が可能かどうか

で見分けられることがあります。

2要介護5で受けられる介護保険サービスの内容や給付金の限度額

要介護5は、要介護度の中で最も症状の重い状態のため、自宅介護や施設入居、介護用具のレンタルなどが可能です。また要介護5では、区分支給限度基準額は1ヶ月あたり36万2,170円であり、介護保険が適用されます。これらのサービス内容や支給限度額について理解しておくことで適切な介護を受けることができるでしょう。そこで、ここでは要介護5の状態の方が受けられる介護保険サービスの内容や支給限度額について詳しく解説していきます。

利用できる介護サービス

要介護5の方が利用できる介護サービスの種類を紹介します。

 

自宅で受けられるサービス

  • 訪問介護(ホームヘルプ)
  • 訪問入浴介護
  • 訪問看護
  • 訪問リハビリテーション

施設に通うことで受けられるサービス

  • 通所介護(デイサービス)
  • 通所リハビリテーション
  • 地域密着型通所介護
  • 療養通所介護
  • 認知症対応型通所介護

短期間の宿泊

  • 短期入所生活介護(ショートステイ)
  • 短期入所療養介護

地域密着型のサービス

  • 夜間対応型訪問介護
  • 定期巡回・随時対応型訪問介護看護
  • 小規模多機能型居宅介護
  • 看護小規模多機能型居宅介護(複合サービス)
  • 認知症対応型共同生活介護
  • 地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
  • 地域密着型特定施設入居者生活介護

福祉用具の使用

  • 福祉用具貸与
  • 特定福祉用具販売

上記のように要介護5の方が受けられるサービスは、在宅介護や施設利用、福祉用具のレンタルなど幅広くあります。このように要介護5の方は多種多様な介護サービスが受けられるため、自身の状態に合った介護サービスを利用することがおすすめです。

給付金の限度額

要介護者には、要介護度別に「区分支給限度額」が定められています。区分支給限度額とは、介護保険から給付される限度額のことであり、要介護ごとに金額が異なります。その中でも要介護5の場合、区分支給限度基準額は1ヶ月あたり36万2,170円です。つまり、自己負担額が以下のようになります。

  • 1割負担:3万6,217円
  • 2割負担:7万2,434円
  • 3割負担:10万8,651円

そのため、1ヶ月あたり36万2,170円までのサービスであれば、1割から3割負担で利用することが可能です。しかし限度額を超えて介護保険サービスを利用する場合は、全額が自己負担になりますので、注意しましょう。また具体的な金額は地域によって異なる場合があるため、詳細はケアマネジャーや市区町村の窓口に確認することがおすすめです。

利用できる施設

要介護5の方は、以下のような特徴の介護施設が利用できます。

 

介護付き有料老人ホーム

  • 介護が必要な65歳以上の方を対象としている施設
  • 施設数が多いため入居待ち期間が短く、費用の見通しが立てやすい

住宅型有料老人ホーム

  • 入居条件は自立〜要介護5までと幅広い
  • レクリエーションなどを楽しむことができる

認知症対応型共同生活介護(グループホーム)

  • 「認知症の高齢者」と「障害者」を対象にした2種類に分かれている
  • 認知症の症状を緩和したり、遅らせたりするための取り組みが行われている

特別養護老人ホーム

  • 入居条件は要介護3以上で、介護度の高い方から優先的に入居可能
  • 主に寝たきりの方や認知症の方などの介護度が高い方が多い
  • 終身利用が可能

サービス付き高齢者向け住宅(通称:サ高住)

  • 高齢者が暮らしやすいバリアフリー構造の住宅
  • 比較的新しい施設が多く、綺麗な住宅で安心・安全に暮らすことが可能

ケアハウス

  • 「一般型」と「介護型」の2種類に分かれている
  • 「一般型」は、食事サービス、安否確認、生活相談サービスを受けられる
  • 「介護型」は、一般型のサービスに加えて、介護サービスが受けられる

介護老人保健施設

  • 栄養管理・食事・入浴などの介護サービスなどを提供
  • 作業療法士や理学療法士等によるリハビリテーションを提供

介護療養型医療施設

  • 医療的ケアが中心であくまでも医療機関という位置付け
  • 比較的重度の要介護者に対して、充実した医療処置とリハビリを提供

介護医療院

  • 長期的な医療と介護の両方を必要とする高齢者を対象とした施設
  • 「日常的な医学管理」「看取り」などの医療機能と、「生活施設」を提供

要介護5では、基本的に施設への入居が可能です。また特別養護老人ホームのように、要介護5の認定を受けている場合、要介護3,4の方よりも優先的に入居できる場合があります。

3まとめ

今回は「要介護5」の状態や利用できる介護保険サービス内容、給付金の限度額について紹介しました。改めて、本記事のポイントを以下にまとめます。

  • 要介護5は、要介護認定の中で最も症状の重い状態
  • 日常生活を送る上でほぼ全て介護が必要
  • 「寝たきりの状態」や「意思疎通が困難な状態」が続く
  • 要介護5の状態では、利用できる介護保険サービスや施設が多い
  • 要介護5の場合、区分支給限度基準額は1ヶ月あたり36万2,170円

要介護5の状態は、常に介護が必要になるため、自分に合う施設や介護サービスを選択することが重要です。そのため、担当のケアマネジャーやお近くの介護施設に相談してみてはいかがでしょう?

監修者情報
株式会社Social Code CDO
廣瀬哲司(作業療法士)
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