介護にまつわるお役立ちコラム

老人ホームに入居するまでの6ステップ!見学から体験、契約までの流れを解説!

2022年02月09日

これから老人ホーム探しに動き出すなら、決定し入居するまでの一連の流れを知っておくと心の余裕も生まれ準備に焦ることなく進められるでしょう。入居するまでにどんなことをするのか、また必要な書類は何か、ステップを追って解説します。準備する書類や、入居希望する施設を実際に体験入居できるサービスがあることなどを確認していきましょう。

1老人ホーム入居までの流れ6ステップ

老人ホーム探しから入居までどんなことをするのか、何が必要なのかを解説します。探すことからスタートして、入居するまで、一連の流れを順を追って確認していきましょう。

どの施設に入居するか条件を考える

さて、老人ホームを探し始める際に考えることは何でしょう。入居を希望する利用者の希望条件もありますが、ホーム側の入居対象条件もあります。双方の条件が合って始めて入居可能となるのです。ここでは入居条件が合致し、入居契約に至るまでに必要な書類や審査、契約、それぞれの内容を分かりやすく解説します。
まず、ホームを探す際は、希望する条件をチェックリスト化すると良いでしょう。持病や後遺症を抱えてのホーム利用なら対応可能な設備が整っているか、より楽しく充実した時間を送りたいなら季節ごとのイベントや、サークル活動、小旅行など年間予定行事をチェックしましょう。

老人ホームによっては食事に力を入れている、リハビリに力を入れている、医療対応に力を入れているなど様々あります。気になっている老人ホームがどのような特徴を持っているのか、また自身に合う老人ホームはどのようなサービス内容なのかをしっかりとすり合わせをして決めることが重要です。

資料を取り寄せて見学する

イベントや施設内の設備も合わせてホームごとの特徴を知るために、資料を取り寄せてみましょう。ホームを囲む環境を実際に足を運んで確認、見学をすることも可能です。しっかりと確認することで、入居後のイメージも湧いてくるでしょう。預けるご家族も一緒に見学することで、親御さんが安心して過ごせるか実感することができます。
資料取り寄せは老人ホームの公式ホームページから申し込めます。直接電話をして資料取り寄せを依頼することが可能です。気になるホームには積極的に連絡を取りましょう。

必要書類を準備

希望するホーム探し、資料取り寄せや見学をして候補を絞りましょう。
希望するホームが決まったのであれば、契約を結ぶために必要な書類を準備しましょう。一般的に必要な書類は、医院で発行してもらう診療情報提供書や健康診断書です。ホームごとに違う場合もあるので、前もってホームに確認しましょう。
入居待ちがなく、すぐに入居できる場合でも、書類に不備があると契約が遅れてしまいます。「契約が遅れて入居が出来なかった」とならないないように、提出が必要な書類には注意しましょう。

面談・入居審査

契約を交わす前に面談や入居審査があります。入居した後、より安全に安心して過ごせる住環境を提供するためです。要介護状態や健康状態を確認し、保有する設備で対応可能かを審査します。
面談は、ホームの施設長と行います。この時、要介護の方はケアマネジャーが同席し、健康・介護状態や入居への希望条件を確認します。入居審査は施設側が面談内容を持ち帰り施設内で審査となります。面談や審査の結果、入居可能となれば本式に契約し、入居開始日が決定します。

体験入居

資料や見学の限りでは、実際の生活を確認するには不十分です。実際に体験してみたいという要望に応えてくれるホームもあります。
これが体験入居サービスです。最終決定をするのに大きな助けとなります。ただ、体験入居サービスをしているホームと、そうでないホームがあるので確認する必要があります。入居体験をした上で決定できることは、利用者ご本人の反応を確認できるため、預けるご家族にとっても納得・安心に繋がります。そのため、体験入居は積極的に行いましょう。

また、体験入居の期間は施設によって異なります。1泊2日の場合もあれば、一週間程度、もしくは1ヶ月程度体験入居できる施設もあります。体験入居期間中は介護保険適用外となるため、滞在した日数分の費用を実費で払わなければなりません。体験入居の費用には食費、生活サービス費、レクレーション参加費などがあり、3000円から2万円と老人ホームによって大きく差があります。そのため、体験入居する際には、費用においても前もってしっかりと確認しておきましょう。

契約・入居

体験入居により、ご本人はもとより預けるご家族も納得し安心して、ホームを決定したら、いよいよ契約そして新しい住環境での生活がスタートします。契約に必要な書類も完備し、入居審査も終わり契約へと進みます。利用者ご本人の契約手続きが困難な場合、ご家族の付き添いで入居の準備を進めていきます。

ここで注意したいのがキャンセルについてです。キャンセルする場合、受け入れてもらえるのか、またキャンセル料についても確認しておきましょう。契約後にキャンセルする場合は、90日間はクーリングオフが適用されます。入居一時金についても、基本的には日割りで計算した家賃・生活費を差し引いた金額が戻ってきます。契約後90日以降は、契約書の内容を確認しましょう。

2老人ホーム入居までの注意点

希望のホームに入居するまでに注意するべきことがあります。入居契約時に説明を受ける重要事項説明書についてです。記載されている内容は、入居後や退去時に関わることなので必ず目を通しましょう。途中退去時に保障される返還金についても記載されてます。利用者とホーム、また預けるご家族がお互い気持ちよく長く付き合えることが大切です。そのために必ず、契約時の書類確認はしっかり行いましょう。疑問があればすぐにホームに確認すべきです。

また、契約の前には必ずご本人の意思を確認しましょう。ご本人の意思確認を怠ると、せっかく契約して入居しても退去しなければならない恐れがあります。新しい施設を探すとなると、ご本人の負担はもちろん家族の負担も大きくなるので、ご本人や家族も納得のいった形で契約を進めるようにしましょう。気になる点があれば契約前にしっかりと確認しておくことが重要です。

3まとめ

老人ホーム探しから契約・入居までの流れをステップごとに解説してきました。
ホームでは健康状態や介護状態に適した設備の整っているため、安心して過ごせます。更には同世代の同居者と楽しく過ごせる季節ごとのイベントといった企画もあります。安心と充実した生活を送れる住まい探しをするために、資料請求や見学そして体験入居も可能です。気に入った施設があるからとすぐに契約せずに、見学や体験入居をしてみて、本当に自分に合う施設かどうか確認した上で入居することをおすすめします。ぜひ今後の人生をより豊かにするホーム探しから契約入居までの参考にしてみてください。

監修者情報
株式会社Social Code CDO

2009年大学卒業後回復期リハビリテーション病院に就職後、急性期病院にて専門外来の企画開設に従事。
2016年在宅の支援を行う医療法人に転職後、数年間赤字経営のホームの立て直し、リブランディングを行い、事業統括・社内制度等処遇の改善に携わる。
現在はケアに係るデータを取り扱うベンチャー企業にて事業企画・運営を行う。
著書:医療機関・介護施設のリハビリ部門管理者のための実践テキスト 部門管理に必要な7つの手法(第2版)・他

廣瀬哲司(作業療法士)
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