介護にまつわるお役立ちコラム

シニア向け分譲マンションとは?特徴と注意点を解説!

2021年12月27日

「高齢者が安心して暮らせる住宅」として人気があるシニア向け分譲マンションは、夫婦で老後の生活を送る住宅を探している人、自分のライフスタイルを守りながら最低限のサポートを受けたい人に選ばれています。自分もしくは家族にとって最適な場所なのかどうかを判断するためにも、まずはシニア向け分譲マンションについて詳しく知ることから始めていきましょう。この記事では、シニア向け分譲マンションの特徴やサービス内容、メリット・デメリット、サービス付き高齢者向け住宅との違いなどについて解説します。

1シニア向け分譲マンションとは?

はじめに、シニア向け分譲マンションとはどのような施設なのかについて見ていきましょう。シニア向け分譲マンションとは、高齢者が住みやすい造りにこだわった住宅のことです。一般的な分譲マンションと同じように、自己所有の不動産として購入します。分譲マンションではない高齢者施設の場合は毎月の利用料を支払って入居しサービスを受けるため、どんなに長く利用しても自分の所有物にはなりません。シニア向け分譲マンションは自宅として自由に管理できるため、設備や内装をリフォームしたり身内に相続したりもできます。また、住まなくなれば売って手放すことも可能です。

民間の不動産業者などが販売しているケースが多く、おもに自立している人や要支援で集中的なサポートを必要としない人が対象です。そのため、現在は自分で家事をこなせている方が将来を見据えて移り住む住宅としても選ばれています。シニア向け分譲マンションは、一般的な分譲マンションとは違ってバリアフリーが充実しています。初期費用は高いものの、運動するスペースや入居者同士が集まれるレクリエーション用スペースが充実しているタイプも人気です。

2シニア向け分譲マンションの特徴

つぎに、シニア向け分譲マンションの特徴について見ていきましょう。シニア向け分譲マンション最大の特徴は、高齢者が暮らしやすい環境が整っている点です。老人ホームなどの専門的な施設では、当然のようにバリアフリーやサポート体制が充実しています。しかし一般的な住宅は高齢者向けではない造りになっていることも多く、年齢を重ねるにつれて生活のしにくさを感じる方もいるでしょう。シニア向け分譲マンションはバリアフリーはもちろん、食事や掃除、洗濯など生活面でのサポートも充実しています。突然の体調不良など緊急のときにも対応してもらえるため、特に1人で生活する高齢者にとって安心感があります。
キッチンやトイレなどの設備は一般的な住宅と同じように個々の部屋に備え付けられているため、プライバシーもしっかり守ることが可能です。また、入居者が使える共用スペースがある点も特徴的です。共用スペースの内容は物件によって異なりますが、なかには図書室や園芸ひろば、プール、カラオケなどが備わっている物件もあります。

シニア向け分譲マンションは、有料老人ホームのように入居条件として明確な決まりはありません。基本的に自立している人や要支援の人が対象といわれていますが、物件によって条件の有無や内容は異なります。さらに自分の家として購入して住む点も特徴的です。価格は、数千万円単位もあれば設備の充実度や立地によっては億単位で販売されている物件もあります。

3シニア向け分譲マンションのサービス内容

つぎに、シニア向け分譲マンションのサービス内容について見ていきましょう。シニア向け分譲マンションは、一般的な住宅と違って高齢者向けのサービスを受けられます。ただし物件によって提供しているサービス内容は異なるため、購入前に将来も見据えた確認をしておくことが大切です。ここからは、サービス内容に関わる以下2つのポイントについて解説します。

  • 人員配置基準や設備基準などはない
  • 介護・医療サービスは外部に依頼

どの程度のサポートを受けられるのか、介護や医療面でのサポートが必要になっても大丈夫なのか気になっている方は、ぜひ参考にしてみてください。

人員配置基準や設備基準などはない

高齢者向けの施設といえば、各担当の配置人数や設備について一定の基準が設けられています。基準を設けることによって、利用者が快適なサポートを受けられる環境を作りやすくするためです。

一方、シニア向け分譲マンションは人員配置や設備に基準はありません。入居できる人数に合わせて必要なスタッフや設備が配置されるだけで、細かい数についてはマンションの販売会社や管理会社などが決定します。充実したサポート体制を作り上げるためにスタッフの人数を多めに確保していたり、リハビリ施設を設置したりしている分譲マンションもあるでしょう。そのようなマンションは、希望したときにすぐ駆けつけてもらえるメリットはありますが、初期費用など全体的なコストが高い可能性があります。なかには最低限のスタッフが常駐して順番にサービスを提供したり、バリアフリーとシンプルな共用スペースがあったりするだけのアットホームなマンションもあります。

入居したあとに「思ったよりも住みにくい」「サポートが足りない」と感じてしまわないためにも、購入前にどの程度の人員や設備が配置されているのかしっかりチェックしておきましょう。

介護・医療サービスは外部に依頼

シニア向け分譲マンションで提供されるサービスは、おもに食事や掃除、洗濯などの生活面でのサポート、基本的な見守り、緊急時のサポート、生活相談です。
オプションでほかのサービスを依頼できる物件もあります。有料老人ホームなどは施設内で生活面のサポートと介護的なサポートを同時に受けられますが、シニア向け分譲マンションに介護サービスは付いていません。また、医師や看護師が常駐しているわけではないため、日々の健康管理や医療的なサポートも受けられません。介護のサポートを受けたい場合は外部の業者に依頼する、医療的なケアは通院することによってカバーしなければなりません。入浴や排泄などの介護が必要な方がシニア向け分譲マンションに入居すると、物件を購入する費用に加えて介護スタッフに依頼する費用もかかる点に注意が必要です。自立もしくは要支援の状態であっても、将来的に介護が必要になることを見据えてサービス内容をチェックすることが大切です。

4シニア向け分譲マンションのメリットとデメリット

つぎに、シニア向け分譲マンションのメリットとデメリットについて見ていきましょう。

【メリット】
シニア向け分譲マンションのメリット1つ目は、高齢者が安心して暮らせる環境である点です。
バリアフリーや高齢者向けの生活用具を自宅に新しく取り入れる場合、高額なリフォーム費用がかかります。
シニア向け分譲マンションは物件の購入に費用はかかるものの、バリアフリーのためにリフォームする必要はありません。
入居した段階から快適に過ごせます。

メリット2つ目は、負担を軽減できる支援を受けながらも個々の生活スタイルを維持できる点です。一般的な高齢者施設では食事をするスペースやトイレ、お風呂場が共有のケースも多いですが、シニア向け分譲マンションは生活のほとんどを自分の部屋で行うことができます。ほかの入居者に合わせて行動することが少ないため、人間関係のストレスも感じにくいでしょう。

メリット3つ目は、入居者と交流しやすい点です。
シニア向け分譲マンションの多くは、それぞれの部屋とは別にレクリエーション施設などの共有スペースが設置されています。マンション内で開催されるイベントに参加するだけではなく、仲良くなった入居者と気軽にコミュニケーションを取る場として利用することも可能です。ほかにも物件によっては図書室やカラオケなどの共有スペースが設置されているため、1人暮らしでも他人と交流する機会を作りやすい環境です。さらに自己所有の不動産として相続したり、売却したりできる点も一般的な高齢者施設と異なるメリットといえるでしょう。

【デメリット】
シニア向け分譲マンションのデメリット1つ目は、購入にかかるコストが高い点です。マイホームとして購入するため、数千万円以上の費用がかかるケースがほとんどです。
住宅ローンを利用することも可能ですが、年齢によっては毎月の返済が負担になってしまいます。一括で購入したとしてもマンションの修繕積立費などがかかるため、年間でどれくらいのコストがかかるのか事前に予算計画を立てておきましょう。

デメリット2つ目は、介護面でのサポートを受けられない点です。
食事の手配など生活面での基本的なサポートを受けられるものの、入浴や排泄などの介助はありません。外注する場合は追加の費用もかかります。認知症が悪化してマンション内で十分なサポートができないなど、要介護の度合いが高くなれば24時間介護サポートを受けられる施設に移らなければならない可能性もあります。

5シニア向け分譲マンションとサービス付き高齢者向け住宅

つぎに、シニア向け分譲マンションと特徴が似ている「サービス付き高齢者向け住宅」との違いについて見ていきましょう。

サービス付き高齢者向け住宅とは、高齢者向けの賃貸住宅のことです。シニア向け分譲マンションが自己所有の不動産として購入するのに対して、サービス付き高齢者向け住宅は毎月家賃を支払いながら賃貸として住み続けることが可能です。

物件によってサービス内容は異なるものの、シニア向け分譲マンションと同じように基本的な見守りや生活相談などは受けられます。食事や掃除などの生活面でのサポートは、オプション料金を支払うことによって利用可能です。建物や室内はバリアフリーで高齢者向けの環境が整えられているため、自由度の高い暮らしを実現しながら負担を軽減した生活を送れます。

また、サービス付き高齢者向け住宅は基本的な入居条件が決まっている点に注意が必要です。入居条件は60歳以上、もしくは40歳~60歳未満で要介護認定を受けた方となります。シニア向け分譲マンションは設備の基準も決まりはありませんが、サービス付き高齢者向け住宅は「25㎡以上の個室」などの基準が設けられてる違いもあります。

6まとめ

この記事ではシニア向け分譲マンションの特徴やサービス内容、メリット・デメリット、サービス付き高齢者向け住宅との違いなどについて解説しました。シニア向け分譲マンションは、マイホームとして購入することによって生活面でのサポートを受けながら自由度の高い暮らしを実現できる住宅です。特に「他人とタイムスケジュールを合わせるのがストレス」「自由に生活したいけど家事や緊急時の対応に不安がある」などの悩みがある方におすすめです。

ただし、購入費用や維持費がかかったり、介護サポートを受けられなかったりなどいくつかのデメリットもあります。現在は自立した生活をしている方も、将来的な展開も見据えたうえでシニア向け分譲マンションの情報をチェックしましょう。

監修者情報
株式会社イノベル 代表取締役

名古屋大学法学部卒業後、一般企業に勤務。2005年、家族介護をきっかけにヘルパー2級の資格を取得。介護職の方々と接するうちに介護業界に興味を抱き転職。福祉用具貸与事業所、訪問介護事業所、住宅型有料老人ホームの新規開設、運営に携わる。現在は、株式会社イノベル代表取締役。同法人が運営する“福祉の資格の学校キャリアアップ”にて教壇に立ち、初任者研修、福祉用具専門相談員研修、介護支援専門員受験対策講座などの講座を担当。その傍ら、主任介護支援専門員としての業務を行っている。
福祉の資格の学校キャリアアップ http://www.ca-up.net/

水上奈美
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