介護にまつわるお役立ちコラム

介護タクシーとは?介護保険と利用方法を解説!

公開日:2021年12月03日
更新日:2026年09月16日

「介護タクシーって何?どのような人が利用できる?」
「介護タクシーの利用手順やサービス内容について知りたい!」
と思っている方は、いらっしゃいませんか?

介護タクシーは、移動が難しい人の通院や外出を支えるサービスで、乗車・降車時の介助を依頼できる場合があります。介護保険を利用できるかは、要介護認定の有無、利用目的、ケアプランなどの条件によって決まります。本記事では、利用対象者、介護保険を使える条件、利用手順、サービス内容を紹介します。

介護タクシーとは?

介護タクシーとは、訪問介護サービスの一つである「通院等のための乗車または降車の介助」を行うタクシーのことです。そして、介護タクシーは以下の特徴があります。

・介護が必要な方や体が不自由な方向け
・一般のタクシーと同様に利用者を目的地まで移送
・介護資格を持つ運転手による介助サービスが受けられる

介護タクシーに利用される車両のタイプは、車椅子やストレッチャーが乗せられるワンボックスカーであることが多いです。さらに、車内には安全に乗車するための車椅子用のリフトやスロープなどの設備がついています。また介護資格などを保有していない運転手は、原則として介助行為はできません。このようなタクシーは「福祉タクシー」などと呼ばれているので、介護タクシーと間違えないように注意しましょう。

介護タクシーには介護保険適用と保険適用外がある

介護タクシーの利用では、一定の条件を満たす場合に、訪問介護の「通院等乗降介助」として介護保険を利用できることがあります。介護保険が適用されるのは乗降介助などの介護サービス部分で、タクシーの運賃は原則として自己負担です。利用には、通院などの目的や本人の状態に関する条件があり、ケアプランへの位置づけも必要です。車椅子やストレッチャーのまま乗車できる車両、リフトやスロープを備えた車両もありますが、設備は事業者や車両によって異なります。

保険適用外の介護タクシーは、利用目的に介護保険の条件がないため、通院以外の外出にも利用できます。身体介助の可否や内容は、運転手・同乗スタッフの資格と事業者のサービス内容によって異なります。利用前に、移乗、乗降、院内付き添いなど、必要な支援に対応できるかを事業者へ確認しましょう。

介護保険を使って介護タクシーを利用する3つのポイント

介護保険で介護タクシーを利用する際には、以下の3つのポイントを把握しておきましょう。
①介護タクシーの利用対象
②サービス内容
③介護タクシーの利用手順

上記のことを把握しておくだけで、十分なサービスを受けられたり、余裕を持って介護タクシーを利用できるようになるでしょう。そこで、ここでは介護タクシーを利用する上で、知っておくべき3つのポイントについて解説していきます。

①介護タクシーの利用対象

介護保険を利用して介護タクシーを利用できる人には、以下の条件があります。

  • 要介護1以上の人 ※要支援の方は利用不可

  • バスや電車などの公共交通機関に一人で乗ることができない人

  • ケアプランに介護タクシーの利用が含まれている人

前提として介護保険のサービスなので、介護認定を受けている必要があり、要介護1〜5に認定されていることが条件です。そして、利用目的としては「日常生活上または社会生活上必要な行為に伴う外出」と定められ、以下のように利用目的が限定されています。

  • 通院(受診、リハビリなど)

  • 預金の引き下ろし

  • 選挙投票

  • 役所に届け出をする場合

  • 補聴器や眼鏡などの本人自身がいかなければいけない買い物

趣味や仕事など、上記以外の目的では、介護保険を使って介護タクシーを利用できません。

②サービスの内容

介護タクシーは、移送と乗降介助を中心に、事業者との契約内容に応じて外出準備や院内移動などの支援を受けられる場合があります。利用できる介助の範囲は事業者によって異なるため、予約時に確認しましょう。

出発時

  • 利用者の自宅まで迎車

  • 着替えなどの外出準備介助

  • 介護タクシーまでの移動と乗車の介助

目的地到着

  • 降車の介助

  • 目的の場所までの移動介助

  • 病院の看護師やスタッフへの声かけ

  • 受診後の会計や薬の受け取り

帰宅時

  • 室内までの移動介助

  • 必要であれば着替えやおむつの交換など

運転中

  • 目的地までの運転

  • 利用者の自宅までの運転

介護タクシーでは、移送に加えて乗降や移動の介助を受けられる場合があります。介護保険を利用できるかどうかや、利用できる介助の範囲は、本人の状態、利用目的、事業者のサービス内容によって異なるため、ケアマネジャーや事業者に確認しましょう。

③介護タクシーの利用手順

介護タクシーを利用する手順は、以下のとおりです。

1.ケアマネージャー(介護支援専門員)に相談

2.介護タクシーの事業者と契約

3.利用日程を決める

4.当日利用する

まずは、介護保険による「通院等のための乗車または降車の介助」として利用の可否をケアマネージャーに相談します。次に介護タクシーの業者に連絡をして、契約・手続き・利用日程の調整を行います。予約の際には、日時や目的地、自宅の住所、連絡先、付き添い人の有無など、細かな情報が必要になるので、事前に準備しておきましょう。そして、当日に介護タクシーが自宅まで訪れて、介助サービスを受けながら目的地まで送ってもらえます。

介護タクシーを利用する際の3つの注意点

介護タクシーを利用する前に、家族の同乗、病院内の付き添い、必要な介助内容への対応可否を確認しましょう。

①原則として家族は同乗できない

②運転手は病院内の付き添いはできない

③「身体介護」や「生活援助」となる場合がある

ここでは介護タクシーを利用する際に注意するべき3つのポイントを解説します。

①原則として家族は同乗できない

介護保険が適用される介護タクシーでは、移動そのものではなく乗降時の介助が対象です。家族が同乗できるかどうかは自治体や事業者の運用によって異なるため、予約前に確認してください。

ただし、「携帯酸素を使用している」「嘔吐するかもしれない」など、特別な事情があれば、市区町村から家族の乗車が認められるケースもあります。介護タクシーの介助サービスを受ける方の中には、家族が同乗していた方が安心して利用できるという方もいることでしょう。家族との同乗が必要な方は事前に確認しておき、希望を伝えるようにすることをおすすめします。一方で、介護保険適用外の介護タクシーは、運転手が介護資格者ではないことから、同乗者が必要になります。

②運転手は病院内の付き添いはできない

介護タクシーの運転手が病院内で付き添えるかどうかは、自治体の運用、事業者の対応範囲、病院のルールによって異なります。院内介助は病院スタッフが対応する場合がありますが、移動や見守り、排泄介助などが必要な場合は、介護タクシーの乗務員による付き添いが認められることもあります。利用前に、自治体、事業者、病院へ確認してください。

  • 病院内の移動に介助が必要である場合

  • 認知症やその他の症状のため見守る必要がある場合

  • 排泄介助が必要である場合

院内での移動、受付や会計時の見守り、排泄介助などが必要な場合でも、介護タクシーの乗務員が対応できる範囲は一律ではありません。介護保険を使う場合は、利用できる支援内容をケアマネジャーや自治体に確認してください。保険外サービスを利用する場合も、院内付き添いの可否と対応できる介助内容を事業者と病院へ事前に確認しましょう。

③「身体介護」や「生活援助」となる場合がある

以下のような状況では、介護タクシーを使用しても「身体介護」や「生活援助」と判断されるケースがあります。

  • 要介護4・5の場合で外出前後の介助に20~30分以上の時間が必要であるとき

  • 外出の前後で入浴や食事の介助などで30分以上の身体介護があるとき

  • 外出中に日常生活品の買い物などの生活援助が行われるとき

介護保険上で「通院等の乗降介助」「身体介護」「生活援助」のどれに当たるかは、外出の目的、必要な介助の内容、ケアプランに基づいて判断されます。運転手以外にヘルパーが同乗する場合も、移動中や外出前後に行う介助の内容によって扱いが変わることがあります。利用前に、利用する事業所とケアマネジャーへ、必要な支援と介護保険の対象範囲を確認しましょう。

まとめ

本記事では、介護タクシーの対象者や利用手順、サービス内容などについて紹介しました。記事の重要なポイントは以下の通りです。

  • 介護タクシーには介護保険適用と保険適用外がある

  • 介護保険が適用されるのは要介護1以上の人

  • 介護保険適用の介護タクシーは家族が同乗できない

  • 介護保険適用外の介護タクシーは同乗者が必要

  • 介護タクシーの利用はまずケアマネージャーに相談

介護タクシーを利用する前に、ケアマネジャーや事業者へ、同乗の可否、付き添いの範囲、介護保険の適用条件を確認しましょう。

監修者情報
株式会社Social Code CDO

2009年大学卒業後回復期リハビリテーション病院に就職後、急性期病院にて専門外来の企画開設に従事。
2016年在宅の支援を行う医療法人に転職後、数年間赤字経営のホームの立て直し、リブランディングを行い、事業統括・社内制度等処遇の改善に携わる。
現在はケアに係るデータを取り扱うベンチャー企業にて事業企画・運営を行う。
著書:医療機関・介護施設のリハビリ部門管理者のための実践テキスト 部門管理に必要な7つの手法(第2版)・他

廣瀬哲司(作業療法士)
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