介護にまつわるお役立ちコラム

高齢者向け家事代行(シニアお手伝い)のサービス内容とは?身体介護も依頼できる?

2024年07月05日

高齢者の方々が快適な生活を送るために、家事代行サービスが注目を集めています。本記事では、高齢者向け家事代行サービスの特徴や利用メリット、注意点などを詳しく解説します。

 

高齢者の生活の質を向上させる家事代行サービスについて、理解を深めていきましょう。

1高齢者向け家事代行サービスとは

高齢者向け家事代行サービスは、日常生活のさまざまな家事を代行することで、高齢者の方々の生活をサポートするサービスです。家事代行サービスは介護保険の適用外であり、全額自己負担となりますが、それゆえに柔軟性が高く、利用者のニーズに合わせたきめ細かいサポートが可能です。

「高齢者向けお手伝いサービス」や「シニアお手伝いサービス」など、事業者によって呼び方は異なりますが、いずれも高齢者の方々の生活をより快適にすることを目的としています。通常の家事代行サービスとは異なり、高齢者特有のニーズに対応できるよう、専門的な知識や技術を持つスタッフが対応するケースが多いのが特徴です。

例えば、身体機能の低下によって困難になった家事や、認知症の方への配慮が必要な場面など、高齢者特有の課題に対応できるよう工夫されています。また、単なる家事代行だけでなく、高齢者の方々との会話やコミュニケーションを大切にし、精神的なサポートも行う場合が多いです。

高齢者家事代行のサービス内容

高齢者向け家事代行サービスは、高齢者の方々の日常生活をトータルにサポートするために、幅広いサービス内容を提供しています。主なサービス内容は以下の通りです。

  • 1. 掃除:掃除機がけ、拭き掃除、風呂・トイレ・キッチンの清掃など
  • 2. 洗濯:洗濯物の洗濯、乾燥、アイロンがけ、収納など
  • 3. 料理:献立作成、食材の買い出し、調理、後片付けなど
  • 4. 買い物:日用品や食材の購入、薬の受け取りなど
  • 5. 外出支援:通院や買い物などの付き添い
  • 6. 整理整頓:衣替え、クローゼットの整理など
  • 7. 庭の手入れ:草むしり、水やり、落ち葉拾いなど
  • 8. ペットの世話:散歩、餌やり、トイレの清掃など
  • 9. 話し相手:会話を通じたコミュニケーションサポート
  • 10. 見守り:定期的な安否確認や緊急時の対応

サービス内容は、事業者によって多少異なる場合があります。例えば、一部の事業者では高所作業や重量物の移動など、より専門的なサービスを提供している場合もあります。また、サービスの組み合わせや頻度も、利用者のニーズに応じて柔軟に調整してくれる場合が多いです。

さらに、全ての事業者に当てはまるわけではありませんが、入浴介助、食事介助、排泄介助などの介護サービスを提供している事業者も存在します。通常の家事代行とは異なり、より専門的な知識と技術が必要となるため、介護職員初任者研修修了者などの介護に関する資格を持つスタッフが対応するのが一般的です。

通常の家事代行サービスとの違い

高齢者向け・シニアお手伝いと名付けられた家事代行サービスは、通常の家事代行サービスとは異なる特徴を持っています。主な違いは、スタッフの専門性と提供できるサービスの範囲にあります。

高齢者向けの家事代行サービスでは、多くの場合、介護職員初任者研修など、介護に関する資格を保有しているスタッフが在籍しています。これは、高齢者特有のニーズに対応するために必要な知識と技術を持っているということを意味します。

例えば、認知症の方への対応方法や、加齢に伴う身体機能の変化に配慮した家事の進め方など、高齢者に特化したサポートを提供できるのです。また、緊急時の対応や、高齢者の健康状態の変化に気づく観察力なども備えていることが多いでしょう。

一方、通常の家事代行サービスでは、必ずしも介護の専門知識を持つスタッフが対応するとは限りません。家事のスキルは高くても、高齢者特有の課題に対応する準備が整っていない場合もあるのです。

2高齢者向け家事代行サービスを利用するメリット

高齢者向け家事代行サービスを利用することで、高齢者の方々とそのご家族は多くのメリットを享受することができます。これらのメリットは、単に家事の負担を軽減するだけでなく、高齢者の方々の生活の質を全体的に向上させる可能性を秘めています。

 

以下、主要なメリットについて詳しく見ていきましょう。

体への負担を軽減できる

高齢者向け家事代行サービスの最大のメリットのは、日常的な家事による体への負担を大幅に軽減できる点     です。年齢を重ねるにつれて、かつては簡単にこなせていた家事も、次第に身体的な負担となっていきます。この負担を軽減することで、高齢者の方々の生活の質を大きく向上させることができるのです。

なぜなら、家事という日常的な活動が、実は高齢者にとってかなりの体力を消耗する作業だからです。例えば、掃除機をかけるという一見簡単そうな作業も、高齢者にとっては腰や膝に大きな負担がかかります。特に長時間続けると、筋肉や関節への負担は倍増します。

怪我や事故のリスクを軽減できる

高齢者向け家事代行サービスの重要なメリットの一つに、怪我や事故のリスクを大幅に軽減できることが挙げられます。高齢者にとって、日常的な家事の中には予想以上に危険を伴う作業が多く含まれています。これらの作業を専門のスタッフに任せることで、高齢者の安全を確保し、事故を未然に防ぐことができるのです。

加齢に伴う身体機能の低下が、日常生活における様々なリスクを高めるからです。例えば、バランス感覚や筋力の低下は転倒のリスクを高めます。また、視力や反射神経の衰えは、家事中の事故のリスクを増大させます。

人と交流する機会になる

高齢者向け家事代行サービスの重要なメリットの一つに、人との交流機会を提供できることが挙げられます。

高齢者、特に一人暮らしの方々にとって、社会的孤立は大きな問題です。日常的な交流の機会が減少することで、精神的健康や認知機能に悪影響を及ぼす可能性があります。家事代行サービスは、この問題に対する一つの解決策となり得るのです。

例えば、子どもたちが遠方に住んでおり、日々の交流が限られている方でも、家事代行サービスを利用し始めてからは、スタッフと会話を楽しむ時間が持てるようになります。

一人暮らしの高齢者の安否確認ができる

高齢者向け家事代行サービスのもう一つの重要なメリットは、一人暮らしの高齢者の安否確認が可能になることです。     高齢者本人だけでなく、離れて暮らす家族にとっても大きな安心感をもたらします。

 

孤独死や緊急時の対応の遅れなど、一人暮らしの高齢者を取り巻くリスクは少なくありません。家事代行サービスは、この問題に対する効果的な解決策の一つとなり得るのです。

 

例えば、家事代行サービスを利用すると、定期的に誰かが訪問することで安否確認ができるようになります。

要介護認定がおりていなくても利用できる

高齢者向け家事代行サービスの大きな特徴の一つは、要介護認定がおりていなくても利用できることです。介護保険サービスとは異なる点であり、多くの高齢者とその家族にとって重要なメリットとなっています。

 

介護保険サービスは、要介護認定を受けた人が利用できる公的なサービスです。要介護度に応じて利用できるサービスの内容や回数が決められており、一部自己負担で利用することができます。

 

しかし、要介護認定を受けるためには一定の手続きと時間が必要であり、軽度の生活支援が必要な段階では認定が下りないこともあります。一方、高齢者向け家事代行サービスは、要介護認定の有無に関わらず利用することができます。

3高齢者向け家事代行を利用する時の注意点

高齢者向け家事代行サービスは多くのメリットがある一方で、利用する際にはいくつかの注意点があります。これらの点に注意を払うことで、より安全で満足度の高いサービス利用が可能になります。以下、主要な注意点について詳しく見ていきましょう。

利用したいサービス・支援が受けられるか確認する

高齢者向け家事代行サービスを利用する際の最も重要な注意点は、自分が必要としているサービスや支援が実際に受けられるかどうかを事前に確認することです。この確認が大切である理由は、事業者によってサービス内容が異なるからです。

例えば、ある事業者では掃除や洗濯といった基本的な家事のみを提供しているのに対し、別の事業者では料理や買い物の代行、さらには外出の付き添いなども行っている場合があります。また、同じ「掃除」でも、どこまでの範囲を掃除するのか、どのような道具を使用するのかなど、細かい点で違いがあることもあります。

契約前にスタッフの雰囲気を確認する

高齢者向け家事代行サービスを利用する際の重要な注意点の一つに、契約前にスタッフの雰囲気を確認することが挙げられます。この確認が大切である理由は、家事代行サービスが単なる作業の代行だけでなく、高齢者との信頼関係や安心感の構築にも大きく関わるからです。

 

スタッフの雰囲気や対応の仕方は、サービスの質や利用者の満足度に直接影響します。特に高齢者の場合、コミュニケーションの取り方や気遣いの細やかさが重要になります。

 

介護保険は適用されないことを理解しておく

高齢者向け家事代行サービスを利用する際の重要な注意点の一つに、このサービスには介護保険が適用されないことを理解しておく必要があります。この点を正しく理解することは、サービスの利用計画を立てる上で非常に重要です。

 

まず、介護保険サービスとはどのようなものかを簡単に説明しましょう。介護保険サービスは、65歳以上の高齢者や40歳以上65歳未満の特定疾病のある方が、要介護認定を受けた場合に利用できる公的なサービスです。このサービスでは、利用者は原則として費用の1割から3割を負担し、残りは介護保険から給付されます。

 

介護保険で受けられるサービスには、以下のようなものがあります。

  • 訪問介護(ホームヘルプサービス)
  • 訪問入浴介護
  • 訪問看護
  • 通所介護(デイサービス)
  • 短期入所生活介護(ショートステイ)
  • 福祉用具貸与

一方、以下のように、介護保険で受けられないサービスもあります。

  • 一般的な家事代行(掃除、洗濯、買い物など)
  • 趣味や娯楽の支援
  • 日常生活上の些細な手伝い

高齢者向け家事代行サービスは、主にこれらの介護保険で受けられないサービスを提供しています。

ただし、高齢者向けの家事代行サービスは全額自己負担となるため、無理のない計画的な利用をおすすめします。

4身体介護も含めた高齢者サポートならイチロウがおすすめ

高齢者向けの家事代行サービスを検討する中で、身体介護も含めた包括的なサポートを求める方々にとって、イチロウのサービスは特におすすめです。イチロウは、従来の家事代行サービスの枠を超えた、より専門的で柔軟な高齢者向けサポートを提供しています。

イチロウが提供する介護サービスの特徴として、まず挙げられるのが専門的なスタッフの存在です。介護職員初任者研修修了者以上の資格を持つスタッフがサービスを提供しているため、単なる家事代行だけでなく、専門的な知識と技術を要する身体介護にも対応することができます。また、24時間365日のサービス提供体制を整えており、夜間の見守りや緊急時の対応など、時間帯を問わずサポートを受けることが可能です。

さらに、イチロウのサービスは非常に柔軟性が高いことが特徴です。掃除や洗濯などの基本的な家事から、入浴介助、食事介助、排泄介助などの身体介護まで、幅広いサービスを提供しており、利用者のニーズに応じてサービス内容を柔軟に組み合わせることができます。また、画一的なサービスではなく、各利用者の状況やニーズに合わせたオーダーメイドのサポートを提供しているため、より細やかで効果的なサポートを受けることができます。

https://ichirou.co.jp

5まとめ

本記事では、高齢者向け家事代行サービスについて詳しく解説しました。このサービスは、高齢者の日常生活をサポートする重要な選択肢として注目されています。

まず、高齢者向け家事代行サービスの概要と、通常の家事代行サービスとの違いを説明しました。続いて、このサービスを利用することのメリットとして、体への負担軽減、怪我や事故のリスク軽減、交流機会の創出、安否確認の実現、要介護認定がなくても利用できる点などを詳しく解説しました。

高齢者向け家事代行サービスは、高齢者の自立した生活を支援し、家族の負担を軽減する重要なサービスです。

監修者情報

2007年に介護系専門学校を卒業後、介護付き有料老人ホームに就職。

その後、慢性期病院の療養病床・2つの介護付き有料老人ホームに転職しながら介護士として現場業務に約6年間従事。

介護支援専門員資格取得後、新規開設の地域密着型老人福祉施設に転職し、施設ケアマネジャーとして入居者のケアマネジメント業務を行う。

2016年から居宅介護支援事業所へ転職。現在に至るまで、在宅で生活する要支援・要介護者のケアマネジメントに携わる。

川崎翔太(介護支援専門員)
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