介護にまつわるお役立ちコラム

在宅介護で訪問ヘルパーを毎日利用することは可能?利用料金の相場についても紹介

2024年07月05日

在宅介護において、訪問ヘルパーを毎日利用することは可能でしょうか?介護保険サービスでは要介護度によって利用回数に上限がありますが、介護保険外サービスを組み合わせることで、毎日の利用も可能です。

 

本記事では、在宅介護での訪問ヘルパーの毎日利用について詳しく解説するとともに、夜間や24時間の利用可否、さらには利用料金の相場についても紹介します。

1在宅介護で訪問ヘルパーを毎日利用することはできる?

在宅介護において、訪問ヘルパーを毎日利用することは可能ですが、介護保険サービスを利用する場合には要介護度によって制限回数があります。

 

以下では、介護保険サービスと介護保険外サービスそれぞれの特徴を踏まえながら、在宅介護での訪問ヘルパーの毎日の利用について詳しく解説します。

介護保険サービスでは要介護度による

介護保険サービスとは、介護が必要な状態になった高齢者を支援するための公的サービスです。自己負担額を抑えられるメリットがある一方で、サービス内容や利用回数には制限があり、要介護認定を受けた方しか利用できません。

 

介護保険サービスでは、要介護度に応じて1ヶ月あたりの訪問ヘルパーの利用回数に制限が設けられています。その制限回数を超えて利用したい場合は、自治体に届け出を提出する必要があります。

要介護認定区分1ヶ月あたりの制限回数
要介護127回
要介護234回
要介護343回
要介護438回
要介護531回

1日の利用回数に決まりはなく、1日に複数回サービスを受けることも可能です。1回としてカウントされるのは、訪問ヘルパーが1回訪問し、必要な介護サービスを提供した場合です。例えば、午前中に身体介護を行い、午後に生活援助を行った場合は、2回分としてカウントされます。

介護保険外サービスを組み合わせると毎日の利用も可能

介護保険サービスでは1ヶ月あたりの上限回数が設定されています。そのため、不足分や介護保険では対応できない業務などを介護保険外サービスで補いながら利用することで、訪問ヘルパーに毎日来てもらうことも可能になります。介護保険外サービスは全額自己負担になりますが、利用回数や利用時間に制限がないため、柔軟に組み合わせるのが特徴です。

 

例えば、介護保険サービスで要介護3の場合、週3回程度の利用が目安ですが、残りの日は介護保険外サービスを利用することで、毎日訪問ヘルパーに来てもらうことができます。また、介護保険では対応できない家事代行サービスなども、介護保険外サービスを利用することで対応可能になります。

訪問ヘルパーは夜間利用や24時間利用できる?

訪問ヘルパーの夜間利用や24時間利用については、介護保険サービス、介護保険外サービスともに可能ですが、サービス提供事業者によって対応状況が異なります。

 

介護保険サービスでは、夜間や早朝の時間帯に訪問介護を行う「夜間対応型訪問介護」というサービスがあります。ただし、このサービスを提供している事業者は限られており、利用できる地域も限定的です。一方、介護保険外サービスでは、事業者によっては24時間対応可能な場合もあります。ただし、夜間や深夜の利用料金は割高になる傾向があります。

 

また、訪問ヘルパーによる24時間の常駐介護は、介護保険サービス、介護保険外サービスともに対応が難しいのが現状です。そのような場合は、「24時間対応型訪問介護」や「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」といった介護保険サービスを利用したり、介護施設への入所を検討したりする必要があります。

2在宅介護にかかる費用の相場

多くの家族が在宅介護を選択する際、介護保険制度を利用して必要なサービスを受けています。しかし、介護保険だけでは不十分な場合も多く、実際には介護保険サービスと介護保険外サービスを組み合わせて利用するケースが大半を占めています。

 

介護保険サービスには、ホームヘルパーによる訪問介護や通所介護(デイサービス)、訪問看護、福祉用具のレンタルなどがあります。一方、介護保険外サービスには、家事代行、配食サービス、移送サービス、住宅改修など多岐にわたります。これらを適切に組み合わせることで、要介護者の状態に合った在宅介護が可能です。

 

では、具体的にどの程度の費用が必要なのでしょうか。「在宅介護のお金と負担 2016年調査結果」によると、在宅介護にかかる1ヶ月あたりの総費用は平均で約5万円という結果が出ています。その内訳は、介護保険サービスへの支出が平均16,000円前後、介護保険外サービスへの支出が平均34,000円前後となっています。

 

参照元:家計経済研究所|在宅介護のお金と負担 2016年調査

要介護度が高くなると費用も高くなる傾向

要介護度が高くなると、必要とされる介護サービスの量や頻度が増えるため、在宅介護にかかる費用も高くなる傾向があります。例えば、要介護1の方が利用する訪問介護やデイサービスの回数と、要介護5の方が利用する回数では大きな差があるでしょう。

 

また、要介護度が上がるにつれて、介護にかかる時間も長くなります。排泄や食事、入浴などの身体介護に加えて、服薬管理やリハビリテーション、医療的ケアなども必要になってくるため、ヘルパーの訪問回数や滞在時間が増えることで、費用も高くなっていきます。

 

以下は、要介護度ごとの在宅介護にかかる平均的な月額費用の目安です。

要介護度在宅介護にかかる費用相場
要介護度13.3万円/月
要介護度24.4万円/月
要介護度36.0万円/月
要介護度45.9万円/月
要介護度57.4万円/月

認知症を伴う場合は、見守りや安全確保のための支援も必要になるため、費用はさらに高くなる傾向があります。例えば、要介護4~5の認知症の方の場合、平均で13万円ほどの費用がかかるとされています。

 

認知症の方の在宅介護では、徘徊や妄想、不安などの症状への対応が求められるため、ヘルパーの訪問回数や滞在時間が長くなることが多いです。また、専門的なケアが受けられるデイサービスや、ショートステイの利用頻度も高くなるため、費用も高額になりやすいと言えるでしょう。

3介護保険の訪問ヘルパーが提供するサービス内容

介護保険の訪問ヘルパーが提供するサービス内容は主に以下の3つに分類されます。それぞれのサービスについて詳しく見ていきましょう。

  • 身体介護サービス
  • 生活援助サービス
  • 通院介助サービス
身体介護サービス

身体介護サービスでは、要介護者の身体的ケアを中心に支援を行います。具体的には、食事介助、排泄介助、入浴介助、着替え介助、移動介助、体位交換などがあります。

例えば、食事介助では、要介護者の身体状況に合わせて食事の準備や食べさせ介助を行います。嚥下障害がある方には、とろみをつけたりミキサー食にしたりと、安全に食事ができるよう配慮します。

 

排泄介助では、トイレへの移動支援、排泄の介助、おむつ交換、陰部洗浄などを行います。要介護者の尊厳に配慮しながら、清潔を保てるようサポートします。

入浴介助では、要介護者の身体状況に合わせて、浴槽への移動介助、洗身、洗髪、着替えの介助などを行います。入浴は身体的負担が大きいため、要介護者の体調管理にも気を配ります。

 

このように身体介護サービスでは、日常生活の基本動作に関わる介護を中心に、要介護者の状態に合わせたきめ細やかな支援を行っています。

生活援助サービス

生活援助サービスは、要介護者の自立した生活を支えるための家事支援が中心です。具体的には、掃除、洗濯、調理、買い物代行、薬の受け取りなどです。

例えば、掃除では、要介護者の生活スペースを整え、清潔で快適な環境を保てるよう支援します。床の掃き拭きや、トイレ・浴室・キッチンなどの水回りの清掃、ゴミ出しなども行います。

 

洗濯では、要介護者の衣類を洗濯し、干して、畳んで整理するまでを行います。衣類の管理方法についても要介護者の希望を聞きながら対応します。調理は、ただ料理するだけではありません。要介護者の嗜好や栄養バランスを考慮しながら食事を作ります。切る・煮る・炒めるなどの調理だけでなく、献立を考えたり、食材の買い出しも行います。

 

このように生活援助サービスでは、要介護者の生活全般に関わる家事的支援を幅広く行うのが特徴です。身体介護だけでなく、生活援助も併せて利用することで、要介護者の在宅生活をトータルで支えることができるのです。

通院介助サービス

通院介助サービスは、要介護者の通院に付き添い、移動のサポートを行うサービスです。具体的には、自宅から病院までの送迎、受診手続きの代行、診察への同行、薬の受け取りなどを行います。例えば、病院までの移動では、車いすやストレッチャーを使っての移動介助を行い、要介護者の身体状況に応じて、安全かつ快適に移動できるよう配慮します。

 

受診の手続きでは、要介護者がスムーズに受診できるよう、受付での診察券の提示、保険証の提示、問診票の記入など、煩雑な手続きを代行します。診察時は、要介護者に同行し、医師への状態の説明や、医師からの指示の確認等を行います。要介護者の体調管理に必要な情報を的確に伝えられるため、適切な医療が受けられるでしょう。

 

このように通院介助サービスでは、要介護者の心身の負担を軽減し、必要な医療が安心して受けられるよう幅広い支援を行っています。

介護保険の訪問ヘルパーが対応していないサービス

介護保険の訪問ヘルパーが対応していないサービスもいくつかあります。例えば、医療行為や、外出のための余暇支援、深夜・早朝帯の介護、長時間にわたる介護などです。医療行為については、医療的知識や技術が必要なため、原則として訪問ヘルパーの業務範囲外となります。痰の吸引や注射、導尿などは対応できません。また、レジャーやレクリエーションなどの外出支援については、介護保険のサービスには含まれません。日常生活上必要な買い物の付き添いまでは可能ですが、旅行やドライブ、趣味の活動などは対象外です。

 

さらに、深夜・早朝帯の介護や、長時間の介護についても、介護保険の訪問ヘルパーでは対応が難しいことがあります。介護保険のサービスでは、1日1-2時間程度の支援が基本のため、それ以上の長時間対応や、夜間・早朝の対応は制限があるのです。

 

このように介護保険のサービスだけでは対応しきれないケースもあるため、そういった場合は、介護保険外の訪問ヘルパーを利用することをおすすめします。介護保険外サービスでは、利用者のニーズに合わせて柔軟にプランを組むことができ、きめ細やかなサポートを受けられます。時間や内容の制限が少ないため、本当に必要な支援を、必要なタイミングで受けられるのが大きな魅力と言えるでしょう。

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また、イチロウでは、オンラインレポートによってサービスの内容や利用者の様子を家族と共有することで、サービスの透明性を確保しています。遠方に住む家族でも、利用者の様子を把握することができ、安心感を得ることができます。

 

イチロウのサービスは、以下のような方におすすめです。

  • 認知症の方の見守りや生活支援を必要としている
  • 寝たきりの方の日常生活を支えるサポートを求めている
  • 一人暮らしの高齢者の安否確認や生活支援を望んでいる
  • 仕事と介護の両立に悩み、柔軟なサポート体制を必要としている
  • 介護サービスの質の高さとスピード感を求めている

イチロウなら、介護保険の枠にとらわれない、オーダーメイドの介護サービスを受けることができます。介護でお困りのことがあれば、ぜひイチロウにご相談ください。

4まとめ

在宅介護で訪問ヘルパーを毎日利用するには、介護保険サービスだけでは制限があるため、介護保険外サービスを組み合わせることが有効です。夜間や24時間の利用も可能です。

 

費用は要介護度が高いほど高くなる傾向にあります。介護保険外サービスでは、イチロウがオーダーメイドできめ細やかなサービスを提供しているため、おすすめです。

監修者情報

2007年に介護系専門学校を卒業後、介護付き有料老人ホームに就職。

その後、慢性期病院の療養病床・2つの介護付き有料老人ホームに転職しながら介護士として現場業務に約6年間従事。

介護支援専門員資格取得後、新規開設の地域密着型老人福祉施設に転職し、施設ケアマネジャーとして入居者のケアマネジメント業務を行う。

2016年から居宅介護支援事業所へ転職。現在に至るまで、在宅で生活する要支援・要介護者のケアマネジメントに携わる。

川崎翔太(介護支援専門員)
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