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介護にまつわるお役立ちコラム

介護には、身体的にも精神的にも大きな負担がかかります。介護を行う中で、身体的・精神的な疲労が蓄積し、やがて「介護疲れ」という状態に陥ってしまうことがあります。介護疲れを放置してしまうと、介護の質が低下するだけでなく、介護者自身の心身の健康にも悪影響を及ぼします。介護うつや虐待行為など、深刻な問題を引き起こしかねません。
介護を長く続けるためには、介護者自身が疲れを軽減し、心身ともに健康な状態を保つことが大切です。
本記事では、介護疲れで悩む人が相談できる窓口と、相談先を選ぶ目安を解説します。あわせて、介護疲れの負担を軽減する具体的な方法を紹介します。

家族による介護は、身体的・精神的な負担が大きく、疲労が重なると睡眠不足や体調不良、不安、仕事や家庭生活との両立に関する悩みにつながることがあります。
大切な家族のためとはいえ、介護の負担から心身共に疲弊してしまうことは珍しくありません。ここでは、介護疲れによって引き起こされる具体的な悩みについて見ていきましょう。
介護疲れとは、家族の介護を行う中で、身体的・精神的な疲労や困難さを感じ、心身の健康を害してしまう状態を指します。介護は、食事や入浴、排せつなど、日常生活のあらゆる場面で手助けが必要となる重労働です。介護する家族は、自分の生活を犠牲にしてまで毎日介護に追われることになり、徐々に疲れを感じていくことがあります。
介護する家族の中には、「家族だから」と我慢し、一人で介護を抱え込んでしまう傾向もみられます。しかし、休息を取らずに頑張り続けると、やがて心身共に限界を迎えてしまうのです。
介護による身体の疲れ
介護による身体の疲れは、主に体を動かす負担から生じます。例えば、食事介助の際には、要介護者を椅子やベッドに座らせるために、腰をかがめて体を支える必要があります。入浴介助の際も、浴槽の中で体を洗ったり、湯船から上がる手伝いをしたりと、介助者の体への負荷は大きくなります。
また、排せつ介助では、おむつ交換のために要介護者の体を持ち上げる動作が必要となります。就寝時の体位交換なども、介助者の腰への負担は計り知れません。このように、日常的に同じような動作を繰り返すことで、腰痛や肩こりなどの身体の疲れを感じやすくなるのです。
介護による精神面の疲れ
介護による精神面の疲れは、主にコミュニケーションの難しさから生じます。例えば、認知症の人の介護では、同じことを何度も聞かれたり、介護に対して拒否的な態度を取られたりすることがあります。意思疎通がうまくいかず、叱责や暴言を浴びることもあるでしょう。
こうしたコミュニケーションの行き違いから、介護する側はストレスを感じ、徐々に精神的な疲れを感じるようになります。怒りっぽくなったり、イライラが募ったりと、精神的に不安定な状態に陥りやすいのです。
経済的な負担による疲れ
介護による経済的な負担も、介護疲れの大きな原因の一つです。介護サービスを利用したとしても、おむつ代や病院代、介護タクシー代など、思わぬ出費が重なります。介護のために仕事を辞めざるを得ない場合は、収入が減ってしまうため、なおさら家計が苦しくなってしまうのです。
また、介護期間が長引けば、貯蓄を切り崩さざるを得なくなることも。「これからどうやって生活していけばいいのか」と将来への不安を感じる人も少なくありません。
こうした介護疲れは、介護者の多くが感じているものです。2016年に厚生労働省が発表した国民生活基礎調査によると、同居している介護者の68.9%が日常生活での悩みやストレスを感じていることが明らかになりました。一方、悩みやストレスが「ない」と答えた人は26.8%に留まりました。
この調査では、同居している介護者の約7割が日常生活で悩みやストレスを感じていると回答しています。悩みやストレスには介護以外の要因も含まれるため、介護疲れを感じる人の割合を直接示す数値ではありませんが、介護者の負担を考える上で参考になる調査結果です。
介護疲れを一人で抱え込んでしまうと、やがて深刻な問題を引き起こしてしまう恐れがあります。介護疲れは、心身の不調や家族との関係の悪化につながることがあります。介護疲れを感じたら、一人で抱え込まず、地域包括支援センター、担当のケアマネジャー、医療機関などに相談することが大切です。状況に合った支援につなげることで、負担を早めに軽くできます。
介護うつになってしまう
介護うつは、介護による負担やストレスが重なり、抑うつ状態やうつ病を発症することを指す言葉です。食欲不振、不眠、興味や関心の低下などの症状が続く場合は、早めに医療機関へ相談してください。症状が重くなると、自殺を考えたり、自殺を図ったりする事態に至るおそれもあります。
家族の介護をしているからといって、自分の心の健康まで疎かにしてはいけません。介護による過度なストレスを感じたら、早めに周りに助けを求める必要があります。
虐待行為が起きてしまう
介護による疲労や孤立、支援不足が重なると、高齢者虐待につながるおそれがあります。厚生労働省が実施した令和4年度の調査では、養護者による高齢者虐待の相談・通報件数が増加していることが報告されています。身体的虐待のほか、暴言や脅しなどの心理的虐待、年金を本人の意思に反して使う経済的虐待も問題となっています。介護者が疲労やストレスを抱えたまま孤立すると、本人との関わりが不適切になるリスクが高まります。
「うちは大丈夫」と思わずに、虐待のサインを見逃さないことが大切です。適切な支援を受けることで、虐待という最悪の事態を防ぐことができるはずです。

介護の悩みを一人で抱え込んでしまうと、心身共に疲弊してしまうことがあります。そんな時は、一人で頑張らずに周囲に助けを求めることが大切です。
ここからは、介護疲れの悩みを相談できる窓口を具体的に紹介していきます。一人で悩まずに、ぜひ活用してみてください。
地域包括支援センターは、高齢者の生活を支える地域の拠点として、市町村が主体となって設置・運営しています。地域包括支援センターでは、保健師や社会福祉士、主任ケアマネジャーといった専門スタッフが、高齢者やその家族からの相談に応じています。介護や福祉、医療など、様々な面から総合的にサポートしてくれるのが特徴です。
介護疲れで悩む家族も相談できます。地域包括支援センターは、介護保険サービスの利用や地域の支援情報について相談を受け、必要に応じてケアマネジャーや関係機関につなぎます。介護者同士の交流会など、地域の支援を案内する場合もあります。
要介護認定の申請、介護保険制度、介護サービスの利用方法は、住んでいる自治体の介護保険担当窓口や高齢者福祉担当窓口に相談できます。窓口の名称や相談できる内容は自治体によって異なるため、家族の介護で困っていることを伝え、適切な相談先を確認してください。
自治体によっては、介護に関する電話相談窓口を設けているところもあります。介護の悩みを話したいけれど、直接出向く時間がないという人は、電話相談を利用するのもよいでしょう。まずは自治体のホームページなどで、介護に関する相談窓口を確認してみてください。
介護保険の認定を受けて介護サービスを利用している場合は、担当のケアマネジャーに相談できます。ケアマネジャーは、要介護者・要支援者が介護サービスを利用できるよう、ケアプランを作成し、サービス事業者との連絡や調整を行う専門職です。介護疲れや家族の負担を伝えると、利用中のサービスやケアプランを見直す際の相談先になります。
介護疲れの相談を受けたケアマネジャーは、利用者の状態に合わせてケアプランの見直しを提案してくれるかもしれません。デイサービスやショートステイなど、介護者が休息を取れる介護サービスの利用を勧めてくれる場合もあるでしょう。ケアマネジャーは、介護者の立場に立って一緒に解決策を探ってくれる心強い味方です。抱えている悩みを相談して、支援を求めてみるとよいでしょう。
病気やケガが原因で介護が必要になった場合は、医療機関の相談窓口も心強い味方になります。例えば、医療ソーシャルワーカーは、療養中の患者さんやその家族の抱える心理的・社会的な問題の解決をサポートしてくれる専門職です。退院後の生活について不安を感じている介護者の相談にも乗ってくれます。
医療ソーシャルワーカーからは、介護保険制度の利用方法や介護サービスの種類、利用できる施設など、介護に必要な情報を教えてもらえるでしょう。リハビリの方法や福祉用具の利用など、医療的なアドバイスがもらえることもあります。
また、認知症の人を介護している家族は、認知症疾患医療センターに相談するのもおすすめです。認知症に詳しい専門医や看護師、精神保健福祉士などが対応してくれるので、認知症ならではの介護の悩みを相談しやすいでしょう。

介護を行う中で、身体的・精神的な疲労が蓄積し、やがて「介護疲れ」という状態に陥ってしまうことがあります。介護疲れを放置してしまうと、介護の質が低下するだけでなく、介護者自身の心身の健康にも悪影響を及ぼします。介護を長く続けるためには、介護者自身が疲れを軽減し、心身ともに健康な状態を保つことが大切です。
介護疲れを軽減するには、介護者が休息を確保し、家族や専門家に相談しながら、利用できるサービスを組み合わせることが大切です。ここからは、負担を減らすための具体的な方法を紹介します。
介護の悩みを一人で抱え込んでしまうと、ストレスが増大し、介護疲れに拍車がかかってしまいます。介護の悩みは、家族や親族、友人など身近な人に打ち明けるのがよいでしょう。自分の気持ちを言葉にすることで、モヤモヤした感情が晴れることもあります。
相談先は、悩みの内容に応じて選びましょう。地域包括支援センターでは介護保険や地域の支援、ケアマネジャーにはケアプランの見直し、退院後の生活については医療ソーシャルワーカーに相談できます。
介護者同士の交流会に参加するのも効果的です。同じ立場の人と悩みを共有し、情報交換することで「自分だけじゃない」と感じられ、心が軽くなるはずです。何を頼めばよいか分からない場合は、本人や家族の希望を整理し、必要な支援を一緒に考えてくれる相談先を利用しましょう。家事、見守り、通院付き添い、身体介護、夜間の支援などを組み合わせることで、家族が休む時間を確保できる場合があります。
介護が続くと、要介護者のことが気にかかり、心身を休める時間を取りにくくなることがあります。介護者が自分のために休む時間を確保することは、介護による負担を整える一助になります。
例えば、マッサージグッズを使って体の凝りをほぐしたり、アロマグッズで心を落ち着かせたりするのもよいでしょう。好きなドラマや音楽、本などに没頭するのも効果的です。また、ヨガや瞑想など、リラックスできる習い事を始めるのもおすすめです。介護から離れた時間を過ごすことで、気分転換になります。
たとえ短い時間でも、自分のための時間を作ることを習慣づけましょう。心に余裕ができれば、介護もより前向きに取り組めるはずです。
介護保険サービスを利用すると、訪問介護やデイサービスなどを通じて、介護の負担を外部の支援につなげられます。例えば、ホームヘルパーに家事援助を依頼すれば家事の負担を減らせます。訪問入浴介護は、自宅での入浴が難しい場合の入浴支援に利用できます。
要介護者の状態や家族の介護負担が変わった場合は、ケアマネジャーに相談し、ケアプランやサービス内容を現在の状況に合わせて見直します。介護保険サービスで任せられる支援を整理すると、家族が休息や仕事の時間を確保しやすくなり、介護疲れの軽減につながります。
レスパイトケアとは、「介護者が一時的に介護から解放され、休息や気分転換を図ること」を指します。介護保険サービスの中には、デイサービスやショートステイといった、レスパイトケアにつながるサービスがあります。
デイサービスは日帰りで利用できるため、利用中の時間を休息や用事に充てられます。ショートステイは施設に宿泊して利用するサービスで、数日間にわたり介護を担う家族が休息を取る選択肢になります。レスパイトケアを定期的に利用して、心身をリフレッシュすることが介護疲れの防止に役立ちます。
年に1回の旅行や趣味の時間など、介護から離れてリフレッシュする計画を立てておくのもおすすめです。
介護保険サービスで利用できる時間帯や日数、支援内容は、ケアプランや事業所の提供体制によって異なります。年末年始や祝日、夜間などに支援を確保しにくい場合は、民間の介護サービスを併用する方法があります。民間サービスでは、介護保険サービスと役割を分けながら、必要な時間帯や支援を補うことができます。
例えば、イチロウは、生活支援、見守り、外出・通院付き添い、身体介護、看護を必要に応じて組み合わせられる自由介護サービスです。介護関連資格を持つスタッフとケアコンシェルジュが、本人の状態や家族の希望を整理し、支援内容の設計からスタッフ選定、利用開始後の調整まで対応します。介護保険サービスとも併用でき、最短当日から24時間365日利用できます。家事・生活支援と身体介護を同じ支援内で依頼したい場合や、夜間の見守り、通院付き添いなどにも対応します。
支援後のレポートで本人の様子や支援内容を確認できるため、遠方に住む家族や、仕事で立ち会えない家族も状況を把握できます。要介護認定前や、介護保険サービスだけでは希望する時間帯・内容を確保しにくい場合にも利用できます。何を頼めばよいか分からない段階では、家族の負担や本人の希望をケアコンシェルジュに相談し、必要な支援を整理できます。
介護疲れを感じたら、一人で抱え込まず、早めに相談先へつながることが大切です。介護保険や地域の支援については地域包括支援センター、ケアプランの見直しはケアマネジャー、退院後の生活は医療ソーシャルワーカーに相談できます。家族が何を頼めばよいか整理できない場合は、本人と家族の希望や負担を整理し、必要な支援を考えていきましょう。介護者自身の休息や健康管理も、介護を続けるための大切な支援です。
紹介した介護疲れの軽減法を参考に、介護者の方が少しでも元気に前向きに介護と向き合えることを願っています。
あなたの大切な家族を支えるためにも、まずはご自身の健康管理を優先してください。周囲の協力を得ながら、介護生活を送っていきましょう。