介護にまつわるお役立ちコラム

デイサービスに行きたがらない父親が多い理由は?男性に人気のデイサービスも紹介

2024年07月05日

親御さんがデイサービスに行きたがらない理由に悩んでいませんか?特に男性の場合、デイサービスへの抵抗感はひときわ大きいです。「知らない人の中で過ごすのが嫌だ」「体操やレクリエーションが面倒だ」といった声をよく耳にします。この問題に直面しているのはあなただけではありません。同じ悩みを持つ多くの家族がいます。

 

やはり、デイサービスのメリットを理解してもらうことが重要です。デイサービスは、身体機能の維持や社会的交流を通じて生活の質を向上させる場です。例えば、趣味活動やリハビリプログラムが充実しているデイサービスなら、父親も楽しんで参加できるかもしれません。

 

この記事では、デイサービスに行きたがらない男性の心理を解説し、人気のデイサービスをいくつかご紹介します。最後までお読みいただければ、デイサービスの選び方や利用のコツがわかり、親御さんも安心して通えるようになるでしょう。

1デイサービスに行きたがらない父親が多い理由

デイサービスに通うことは介護予防や家族の介護負担軽減につながるため、ぜひ利用したいサービスです。しかし、男性の中には頑なにデイサービスに行くのを拒否する人も少なくありません。その理由はさまざまですが、高齢者男性の心理を理解することが大切です。ここでは、デイサービスに行きたがらない父親が多い主な理由を解説します。

外出が面倒で家にいた方が楽だと感じている

高齢者にとって、行動を起こすことはエネルギーが必要になり、何事もおっくうに感じてしまいがちです。デイサービスに行くには身支度や準備が必要であり、、それらを家族が行っていたとしても、外に出ること自体への抵抗感からデイサービスの利用を拒否する男性は少なくありません。慣れ親しんだ自宅で過ごす方が楽だと感じているのです。

ライドが高く介護の必要性を感じていない

今まで自分のことは自分でやってきたという自負心から、介護を受けることに抵抗を感じる男性は多いです。「まだ介護は必要ない」と思い込んでいる場合や、認知能力の低下などにより、自身の状況を正しく把握できていないこともあります。プライドが邪魔をして、客観的に自分の状態を見つめられず、介護の必要性を感じられないのです。

集団生活や人と話すことが好きではない

もともと無口で人付き合いが苦手という男性もいます。職場を退職し、地域との関わりも少なくなると、新たな人間関係を築くことへの不安から、デイサービスなどの集団生活を避けたくなる場合もあります。見知らぬ人と交流することへの心理的ハードルの高さが、デイサービス拒否の原因になっているのです。

記憶障害の影響により状況の理解が難しい

認知症の高齢者の場合、記憶障害の影響で、デイサービスに行くと言われてもどこで何をするのかが理解できず、拒否することがあります。不安と混乱から「行きたくない」という反応を示すのです。この場合、無理強いせず、デイサービスで楽しかったことを思い出せるようサポートしたり、写真を見せて説明したりなどの工夫が必要です。

2デイサービスに行きたがらない父親を説得する方法

デイサービスに行きたがらない父親を説得するためには、まず本人の気持ちに寄り添い、拒否する理由をしっかりと聞くことが大切です。その上で、デイサービスの重要性や利用するメリットを伝え、前向きな気持ちになってもらえるよう働きかけましょう。ここでは、父親を説得する具体的な方法を紹介します。

デイサービスに行きたがらない理由を理解する

父親がデイサービスに行きたがらない理由を頭ごなしに否定するのではなく、まずはしっかりと耳を傾けましょう。理由を聞くことで、父親のデイサービスに対する理解や考え方を知ることができます。もしデイサービスの役割や目的について誤解があるようなら、正しい情報を丁寧に説明してあげましょう。父親の気持ちを尊重しつつ、デイサービスへの抵抗感を和らげることが大切です。

本人が前向きになるような説明をする

最終的にデイサービスを利用するのは父親本人です。そのため、強制的に説得するのではなく、父親が自ら「行ってみよう」と思えるような提案をすることが重要です。例えば、「デイサービスで新しい趣味が見つかるかもしれない」「リハビリを頑張れば、もっと自由に動けるようになるよ」など、父親の興味関心に合わせてデイサービスの魅力を伝えてみましょう。

写真や動画を活用してイメージを持たせる

高齢者にとって、言葉だけの説明ではデイサービスのイメージを持ちづらいものです。そこで、写真や動画を見せることで、より具体的にデイサービスの様子を伝えましょう。

 

他の利用者が楽しそうにレクリエーションに参加している様子や、きれいな施設の雰囲気など、視覚的な情報は説得力があります。「こんなことができるんだね」と父親が前向きになるきっかけになるかもしれません。

タイミングを見計らう

父親へのアプローチは、タイミングを見計らうことも大切です。デイサービスの利用について検討し始めたときや、機嫌の良いときなど、父親の心が開かれているタイミングを見逃さないようにしましょう。あまりしつこく説得しすぎるのは逆効果です。父親のペースに合わせ、少しずつ理解を深めてもらうことが肝心です。

3行きたがらない男性にも人気のデイサービス

デイサービスに行きたがらない男性でも、自分の趣味や好みに合ったサービスなら楽しんで通える可能性があります。最近では、利用者のニーズに応えるべく、さまざまな特色を持ったデイサービスが増えてきました。ここでは、男性に人気のデイサービスをいくつかご紹介します。

運動ができるデイサービス

体を動かすのが好きな男性には、運動特化型のデイサービスがおすすめ。ジムのような設備を整え、専門のトレーナーや理学療法士が個々の体力に合わせたプログラムを提供してくれます。

 

マシントレーニングや筋力アップ体操など、ご自身の健康維持・向上を目的とした取り組みに励むことができます。他の利用者と切磋琢磨しながら運動に打ち込めるのも魅力です。

囲碁や将棋など趣味が楽しめるデイサービス

かつて趣味として熱中していた囲碁や将棋を楽しみたいという男性には、これらの活動に特化したデイサービスがぴったりです。同じ趣味を持つ仲間と対局を楽しんだり、初心者に手ほどきをしたりと、生きがいを感じられる時間を過ごせます。

 

脳の活性化にも効果的で、認知症予防にもつながります。プロによる指導を受けられる教室もあるので、上達を目指すのも面白いでしょう。

大浴場や温泉が充実しているデイサービス

銭湯や温泉が好きな男性なら、お風呂が自慢のデイサービスを選ぶのがおすすめです。広々とした大浴場で、ゆっくりと湯に浸かれます。露天風呂や薬湯、ジェットバスなど種類豊富なお風呂を備えた施設もあります。

 

入浴による心身のリラックス効果は抜群で、他の利用者との交流の場にもなります。日頃の疲れを癒やし、リフレッシュできるでしょう。

定期的に旅行・観光ができるデイサービス

外出や旅行が好きな男性には、定期的に観光地を訪れるデイサービスがおすすめです。月に一度程度、日帰りバスツアーなどで名所や史跡を巡ります。普段行けないような場所へ出かけられるのが魅力。

 

ガイドによる解説を聞いたり、おいしい名物グルメを堪能したりと、充実した一日を過ごせます。介護スタッフが同行するので、安心して参加できるのもポイントです。

カジノ型のゲームが楽しめるデイサービス

ゲーム感覚で楽しく過ごしたい男性には、カジノ型のデイサービスがおすすめです。ルーレットやポーカーなど、本格的なゲームを用意している施設があります。もちろん、お金を賭けるわけではありませんが、点数を競い合うことで勝負の醍醐味を味わえます。

 

手先や頭脳を使うことで認知機能の維持・向上が期待でき、また他の利用者との交流も弾みます。

4まとめ

デイサービスに行きたがらない父親への対応に悩んでいるなら、まずは父親の気持ちに寄り添い、拒否する理由を理解することが大切です。その上で、デイサービスの重要性や楽しさを伝え、前向きな気持ちになってもらえるよう働きかけましょう。

 

また、運動や趣味を楽しめる特色あるデイサービスを選べば、父親も喜んで通ってくれるはずです。父親の心に寄り添いながら、上手にデイサービスへ誘導することが、介護の負担軽減と父親の充実した生活につながります。

 

もしデイサービスの利用が難しく介護保険サービスだけでは不安がある場合は、介護保険外の訪問介護がありますので、そちらを利用してみるのもひとつの手段です。

監修者情報

2007年に介護系専門学校を卒業後、介護付き有料老人ホームに就職。

その後、慢性期病院の療養病床・2つの介護付き有料老人ホームに転職しながら介護士として現場業務に約6年間従事。

介護支援専門員資格取得後、新規開設の地域密着型老人福祉施設に転職し、施設ケアマネジャーとして入居者のケアマネジメント業務を行う。

2016年から居宅介護支援事業所へ転職。現在に至るまで、在宅で生活する要支援・要介護者のケアマネジメントに携わる。

川崎翔太(介護支援専門員)
コラム一覧に戻る
icon_arrow_gotop