介護にまつわるお役立ちコラム

高齢者見守りサービスはどう選ぶ?さまざまな種類やツールをご紹介

高齢者見守りサービスはどう選ぶ?さまざまな種類やツールをご紹介
公開日:2024年07月05日
更新日:2026年06月10日

近年、一人暮らしの高齢者が増えるなかで、「離れて暮らす親は元気に過ごしているだろうか」と、さまざまな不安を抱えているご家族は少なくありません。

そんなときに心強い味方となってくれるのが「高齢者見守りサービス」です。

この記事では、初めての方にも分かりやすく、見守りサービスの種類や特徴、失敗しない選び方のポイントを解説します。

「そろそろ何か対策を始めたいけれど、どこから手をつければいいか分からない」とお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。

適切なサービスを上手く取り入れ、大切な親御さんの安全と、ご家族の毎日の安心をしっかりと守っていきましょう。

高齢者見守りサービスとは?

高齢者見守りサービスとは?

高齢者見守りサービスとは、離れて暮らすシニアの日常生活をそっとサポートし、万が一の事態や安全をいち早く確認するための仕組みです。

このサービスを取り入れることで、高齢者本人はもちろん、日頃から心配を抱えているご家族や介護者が、お互いに一歩離れた場所からでも安心して毎日を過ごせるようになります。

高齢者の見守りサービスはなぜ増加した?

見守りサービスがこれほど注目され、増えている背景には、日本の「超高齢社会の進展」と「核家族化」があります。

一人暮らしの高齢者が増加する一方で、近所付き合いが薄れるなどによる「社会的孤立」が現代の大きな問題です。

ニュースで孤独死が取り上げられることも珍しくありません。

こうした現状から、「遠くにいてすぐに駆けつけられないけれど、親の安否を毎日確認したい」「緊急時に誰かに対応してほしい」と願うご家族が増えており、見守りサービスの需要が急速に高まっています。

導入することで得られる「本人」と「家族」のメリット

見守りサービスには、家族全員にとって多くのメリットがあります。

「まだ元気だから必要ない」と思われがちですが、早期から導入することでお互いの自立と安心を両立できます。

具体的には、以下のような効果が期待できます。

対象者

得られる最大のメリット

高齢者本人

・万が一の転倒や急病時の迅速な救急対応

・日々の安全確認による、自宅での自立した生活の維持

ご家族

・「見えない不安」から解放される圧倒的な安心感

・親を心配しすぎず、自身の仕事や生活へ集中できる環境

高齢者の見守りサービスを選ぶ4つのポイント

多種多様な見守りサービスの中から我が家にぴったりなものを選ぶには、いくつかのコツがあります。

後悔しない選択をするために、まずは以下の4つのポイントを意識してみましょう。

家族だけで決めず、親御さんの現状や気持ちに寄り添いながら検討していくことが大切です。

1|本人の意思を確認する

プライバシーや「まだ介護なんて必要ない」というプライドから、見守られることに抵抗を感じる親御さんは少なくありません。

サービスの導入を急ぐあまり勝手に決めてしまうと、関係がギクシャクしてしまうこともあります。

まずは「心配だから協力してほしい」と優しくメリットを伝え、本人の気持ちを尊重しながら丁寧に話し合いましょう。

無理強いはせず、本人が納得できる形から進めるのが成功のコツです。

2|本人が使いやすいサービスやツールを選ぶ

高齢になると、身体の動きや認知機能のバランスに個人差が大きくなります。

そのため、見守りの方法も「今の親の状態」に合わせる必要があります。

操作が難しい最新機器は、かえってストレスになり使わなくなってしまうことも珍しくありません。

例えば、スマートフォンや機械の操作に不慣れな親御さんであれば、自動音声やオペレーターが代わりに親御さんへ連絡してくれる「電話型の安否確認サービス」や、スタッフが自宅を訪ねる「訪問型サービス」を選ぶなど、本人の使いやすさを最優先に考えましょう。

3|費用や見守りたい点を絞って利用する

見守りサービスの費用は、月々数百円から数万円までと幅広いです。

「高ければ高いほど安心」というわけではありません。

まずは「夜間の急病が心配」「日中の外出(徘徊)が心配」など、見守りたい目的を明確にし、必要な機能だけに絞るのが賢明です。

過剰な安心を求めて毎月の出費が負担になっては長続きしません。

無理のない予算の範囲で、ツボを押さえた最適なプランを選びましょう。

4|迷ったら専門家に相談する

親御さんの生活や今後の介護に対する不安は、一人で考えていると尽きないものです。

「どのサービスがいいのか決められない」「親が首を縦に振ってくれない」など、少しでも迷ったら、ひとりで抱え込まずに専門家に頼ってみてください。

地域の窓口である「地域包括支援センター」や、介護のプロである「ケアマネジャー」などに相談すれば、専門知識を活かして、そのご家庭に最適なアドバイスや選択肢を優しく提示してくれます。

高齢者見守りサービスの種類と費用相場

高齢者見守りサービスの種類や特徴とは?

見守りサービスには、地域のつながりを活かしたものから最新のIT技術まで、さまざまな種類があります。

ここでは、選びやすいように「民間企業・ITツール」と「公的・介護サービス」の2つに分けて特徴と費用相場を見ていきましょう。

民間企業が提供する見守り・ITツール

民間企業が提供するサービスは、手軽に始められるものからプロが駆けつけてくれるものまで選択肢が豊富です。

最新のAI技術を活用したセンサーから、お弁当の配達を兼ねた温かみのある対面サービスまで、ライフスタイルに合わせて柔軟に選べます。

お互いのプライバシーを守りつつ、日々のハラハラを解消できる最適なツールを見つけてみましょう。

サービスの種類

費用相場

仕組みと特徴

スマホや電話での見守り

月額数百円 〜 数千円

・自動音声やオペレーターによる定期的な架電

・家族の代わりに安否確認を行うため、負担ゼロ

・最も手軽かつリーズナブルに導入可能

IoTセンサーやGPS端末

月額500円 〜 5,000円

・電気ポットの使用やトイレの開閉など、生活動作をネット経由で自動検知

・カメラのような「監視されている感」を完全に排除

・親のプライバシーを最優先にした静かな見守り

宅配型見守りサービス

無料 〜 お弁当代など

・お弁当や日用品の配達時の、スタッフによる手渡しと声かけ

・「毎日の食事の用意(栄養管理)」と安否確認の同時解決

・配達料金のみで、見守り自体は実質無料のケース多数

訪問型見守りサービス

月額数千円 〜 無料

・福祉担当者や民間スタッフによる、定期的な自宅訪問

・対面でのじっくりとした会話による孤独感の解消

・地域のボランティア等による無料活動の活用も可能

カメラ型見守りサービス

月額1万円前後

・室内カメラによる、24時間体制の遠隔監視

・スマホからリアルタイムで元気な姿を確認可能

・異常発生時はコールセンターから家族へ即座に通報

セキュリティ会社の総合プラン

月額5,000円 〜 10,000円


(初期費用:5万〜20万円)

・センサー監視と異変時の「プロの即座の駆けつけ」のセット

・防犯対策としても強力な、大手警備会社ならではの体制

・看護資格者による24時間健康相談など、最高峰の安心感

介護保険や公的なサービス

すでに介護認定を受けている場合や、より専門的なケアを兼ねたい場合は、以下の公的・自費サービスが選択肢に入ります。

こちらは介護士など「プロの目」が入るため、心身の小さなおとろえや体調の変化にもいち早く気づける点が大きな強みです。

単なる安否確認にとどまらず、食事や入浴といった生活支援までトータルで任せられる安心感もあります。

ご本人の要介護度や家族の負担状況に合わせて、最適な組み合わせを検討してみましょう。

サービスの種類

費用相場

仕組みと特徴

公的な介護保険サービス

自己負担1 〜 3割

・デイサービスや訪問介護の利用時における、プロの安否確認

・専門スタッフによる健康状態や生活態度のチェック

・他者との交流機会の確保による、認知症予防への貢献

保険外の訪問ケアサービス

利用時間や頻度による(自費)

・「イチロウ」など、介護士資格を持つプロによる生活支援

・介護保険の枠外で行う、オーダーメイドな家事や見守り

・時間や内容の制限がなく、家族の要望に柔軟に対応可能

介護ができる家政婦サービス?介護保険外の訪問介護サービスとは

一般的な家政婦サービスでは身体介護は提供しませんが、介護士資格を持ったスタッフによる家事援助サービスであれば、家事の合間に安否確認や体調チェックを行うことも可能です。

イチロウ」など民間企業の提供する自費サービスで、柔軟な対応が期待できます。

月額の利用料は1回あたりの滞在時間と頻度によって異なります。

>>イチロウについて詳しく見る

高齢者の見守りだけでは限界を感じるときは

高齢者の見守りだけでは限界を感じるときは

高齢期の心身の状態は、季節や環境の変化でグラグラと変わりやすいものです。

見守りサービスを続けていく中で、「最近、ちょっと元気がないな」「いつも通りに電話に出てくれないな」といった小さな違和感を覚えたら、そのままにせず、まずは実際に様子を見に行ったり、誰かに訪問を頼んだりすることを検討してください。

また、普段の生活の中で以下のような様子が見られたら、それは身体機能や認知機能が低下し始めているサインかもしれません。

  • いつもならすぐ終わる着替えに時間がかかっている

  • 服のボタンを掛け違えたまま気づかない

  • 物の名前や家族の名前がパッと出てこない

もし「これ以上、一人で在宅生活を続けさせるのは危ないかもしれない」と限界や不安を感じたら、すぐに次のステップへ進みましょう。

ひとりで悩まず、お住まいの自治体の「地域包括支援センター」や役所の介護保険窓口に、今のリアルな困りごとを伝えてください。

介護サービスをより手厚いものに見直したり、将来的には安心して過ごせる施設への入所を選択肢に入れたりなど、ご家族だけで背負い込まない「チームでの支援体制」を作っていくことが、親御さんの命を守り、ご家族の共倒れを防ぐために最も大切な行動です。

まとめ

高齢者の見守りサービスには、直接顔を合わせる訪問型から、プライバシーに配慮したセンサー型、プロが駆けつけるセキュリティ型まで、実にたくさんの選択肢が用意されています。

どれを選ぶか迷ったときは、親御さん本人の気持ちに寄り添いながら、「今一番心配なこと」と「毎月無理なく続けられる費用」のバランスを見て決めることが大切です。

親の老いは少しずつ変化していきます。

地域のケアマネジャーや専門窓口などにも頼りながら、その時々の状態に合わせて見守り方も柔軟にアップデートし、家族みんなが笑顔でいられる安心の暮らしを整えていきましょう。

監修者情報

フリーランス介護士
2013年にデイサービス兼有料老人ホームに就職。
2015年に生活相談員兼現場統括・財務管理に従事。
2017年に有料老人ホームに転職後、介護福祉士を取得。
2019年にグループホームに転職後、認知症実践者研修を修了。
2022年に訪問介護事業所の管理者に就任
2023年に居宅介護・重度訪問介護の指定取得。
2025年にフリーランス介護士として活動を開始し、現在に至る。

沼原義和
よん|Webライター|介護福祉士フリーランス
更新者

介護士として、特別養護老人ホームや有料老人ホームで5年以上の実務経験あり。

身体介助から看取りまで、現場の最前線で培った「対応力」を活かし、現在は多くの施設や介護に携わる人々の課題をサポートする役割を担う。

介護現場で感じていた「介護の難しさと尊さ」を言葉にするため、介護現場のリアルを届けるライターとしても活動中。

現場を知るからこそ書ける、読者にとって理解しやすい表現を意識し、実務に役立つ情報発信を大切にしている。

遠藤晴香(介護福祉士)
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