
通院の家族代行サービスとは?料金や選び方のポイントを解説
介護にまつわるお役立ちコラム
家族を老人ホームに入れたいのに施設の入居待ちが長く、在宅介護の負担に悩んでいませんか。この記事では、入居待ち期間を安心して乗り切るための在宅介護サービスやショートステイの活用法、さらに待機問題を避ける施設選びのポイントを詳しく解説します。入居先が見つからず困っている介護者やご家族にとって、今すぐ実践できる具体策と判断のヒントが得られる内容です。
希望する老人ホームへの入居を検討した際、「現在満室のため、入居待ちとなります」という回答を受けて困惑される方が多くいらっしゃいます。特に特別養護老人ホームでは、全国で25.3万人もの方が入居を待っている状況です。この入居待ちは、単に施設の数が不足しているだけでなく、費用負担の違いや入居条件、地域格差など複雑な要因が絡み合って発生しています。
介護を必要とする高齢者が増加する一方で、施設整備が追いついていない現実があります。さらに、施設によって受け入れ体制や優先順位の決定方法が異なるため、入居までの期間も大きく変わってきます。このような状況は、介護を担うご家族にとって大きな負担となっており、もはや個人の問題ではなく社会全体で取り組むべき課題となっています。
以下では、入居待ちが多い施設の特徴や優先順位の仕組み、地域による違いについて詳しく見ていきましょう。
老人ホームの入居待ちは施設の種別によって大きく異なります。最も入居待ちが多いのは特別養護老人ホーム(特養)で、全国で25.3万人が待機している状況です。特養は社会福祉の役割を担う施設として費用負担が少なく、年金の範囲内で利用できることから申し込みが集中しています。また、以前と比べて申し込み手続きが簡略化されたことも、入居希望者増加の要因となっています。
介護付き有料老人ホームでは、施設によって状況が異なります。24時間体制の介護サービスを提供し、要支援1から要介護5まで幅広く対応できることから選ばれていますが、基本的な介護サービス以外のサービスが充実している施設や、立地条件が良く医療体制が整っている施設では、入居待ちが発生することがあります。
【施設の種別ごとの入居待ち傾向】
施設の種別 | 入居待ちの傾向 | 主な背景 |
特別養護老人ホーム(特養) | 多い |
|
介護付き有料老人ホーム | 施設による |
|
介護老人保健施設(老健) | 目的が異なる |
|
グループホーム | 地域や施設による |
|
特別養護老人ホームでは、申し込み順ではなく、介護度合いや介護者の有無などが点数化されて入居の優先度が決まります。この仕組みでは、要介護度が高い方、独居や老老介護など介護環境が厳しい方、経済的に困窮している方などが高い点数を得て優先されやすくなっています。
2015年の法改正により、特養の基本入居者は要介護3以上に限定されました。以前は要介護1から入居可能でしたが、要介護1~2の方は原則として特例条件がある場合のみ入居できるようになり、より重度の要介護者への支援に重点が置かれています。この改正により、軽度の要介護者は他の施設を検討する必要が生じています。
また、女性部屋と男性部屋がある施設では、性別によって空き状況が異なります。女性部屋が空いていても男性は入居できないため、性別も入居待ち期間に影響を与える要因となっています。
老人ホームの入居待ち状況は地域によって大きく異なります。厚生労働省の「特別養護老人ホームの入所申込者の状況」によると、令和4年度の都道府県別データでは以下のような差があります。
【令和4年度 都道府県別 特別養護老人ホームの入所申込者数(一部抜粋)】
都道府県名 | 入所申込者数(要介護3以上) | うち在宅者数 |
東京都 | 21,495人 | 10,029人 |
神奈川県 | 14,238人 | 7,335人 |
兵庫県 | 11,534人 | 5,130人 |
大阪府 | 10,687人 | 5,118人 |
福岡県 | 9,442人 | 4,389人 |
宮城県 | 7,999人 | 3,489人 |
参考:厚生労働省|特別養護老人ホームの入所申込者の状況(令和4年度)
都市部では高齢者人口が多い一方で施設整備が追いついていないため、待機者数が多くなっています。地方では高齢者人口に対して施設数が比較的確保されている地域もあり、待機期間に差が生じています。このような地域差を理解し、広域での施設探しも視野に入れることが重要になります。
希望する老人ホームへの入居が決まるまでの期間、多くの方は自宅での生活を継続することになります。この入居待ちの期間は、ご本人とご家族にとって身体的・精神的な負担が大きくなりがちですが、さまざまな介護サービスや支援制度を活用することで、在宅生活を安全に継続することが可能です。
介護保険制度による公的サービスから、保険外の民間サービスまで、現在は多様な選択肢が用意されています。訪問介護や通所介護といった基本的なサービスに加え、ショートステイのような一時的な宿泊サービス、さらには専門家による相談支援など、それぞれの状況に応じて組み合わせて利用できます。
重要なのは、介護を担うご家族の負担を軽減しながら、ご本人の生活の質を維持することです。以下では、在宅で利用できる具体的なサービスの内容と活用方法について詳しくご紹介します。
入居待ちの期間中、介護保険制度を利用してさまざまな在宅介護サービスを受けることができます。これらのサービスは大きく4つに分類され、ご本人の状態やご家族の状況に応じて組み合わせて利用することが可能です。
【在宅介護サービスの種類と内容】
サービス分類 | 具体的なサービス種別 | 受けられるサービス内容の例 |
訪問系サービス (自宅に来てもらう) |
|
|
通所系サービス (施設に通う) |
|
|
宿泊系サービス (短期間泊まる) |
|
|
複合型サービス (複数を組み合わせる) |
|
|
介護サービスを利用するには、まず要介護認定を受ける必要があります。申請から認定結果が出るまで約30日かかるため、早めの申請が大切です。認定後は、ケアマネジャーと相談しながら、ご本人とご家族の状況に最適なケアプランを作成し、必要なサービスを組み合わせて利用していきます。
ショートステイは、介護を必要とする方が短期間施設に宿泊できるサービスで、入居待ちの期間中の強い味方となります。要支援1・2および要介護1~5の認定を受けた方が利用対象で、連続利用は最長30日までという制限があります。40歳から64歳の方でも、特定疾病がある場合は利用可能です。
施設形態には、老人ホームに併設されたタイプと独立型があります。併設型では老人ホームの設備を活用でき、独立型では専門的なショートステイサービスが受けられます。どちらも宿泊中の食事や入浴などの介護サービスに加え、施設によっては看護やリハビリテーションも提供されます。
ショートステイは、介護者であるご家族の休息(レスパイトケア)や、急な用事で家を空ける際にも活用できます。利用料金は施設や居室タイプによって異なりますが、介護保険が適用されるため、自己負担は1~3割となります。計画的に利用することで、在宅介護の継続を支援する重要なサービスです。
入居待ちや在宅介護の悩みは、一人で抱え込まず専門家に相談することが大切です。まず相談すべきは地域包括支援センターです。各自治体が設置するこの窓口では、保健師(看護師)、社会福祉士、ケアマネジャーといった専門家が常駐し、高齢者の総合的な相談に対応しています。
地域包括支援センターでは、介護予防ケアマネジメントをはじめ、介護サービスの利用方法、施設入居に関する情報提供、権利擁護など幅広い支援を行っています。特に入居待ちの期間中は、地域のネットワークを活用した施設情報の提供や、在宅介護を継続するためのサービス調整などで頼りになります。
相談する際は、ご本人の要介護度、日常生活の様子、介護者の状況、経済状況、希望する施設の条件などの情報を整理しておくとスムーズです。また、ケアマネジャーやソーシャルワーカーも、それぞれの専門性を活かして個別の相談に応じてくれます。
介護保険サービスだけでは対応しきれないニーズには、保険外サービスが有効な選択肢となります。株式会社イチロウが提供する訪問介護・看護サービスは、24時間365日対応可能で、最短当日からの利用開始が可能という柔軟性が特徴です。
介護保険では時間や内容に制限がある中、イチロウのサービスは長時間の見守りや、病院受診の付き添い、お墓参りなどの外出支援、ペットの世話まで幅広く対応します。また、深夜や早朝の介護、急な体調変化への対応など、介護保険サービスの対応時間外でも利用できる点が大きな強みです。
料金は全額自己負担となりますが、介護保険の区分支給限度額を気にせず必要なサービスを受けられます。入居待ちの期間が長期化する中で、ご家族の介護負担を軽減し、ご本人の生活の質を維持するために、介護保険サービスと組み合わせて活用することで、在宅生活を安心して継続できます。
老人ホームへの入居を検討する際、多くの方が特別養護老人ホームのみに目を向けがちですが、入居待ちを回避するためには、より幅広い選択肢を検討することが重要です。施設の種類や特徴を理解し、戦略的に申し込みを行うことで、長期間の入居待ちを避けることができます。
有料老人ホームやグループホームなど、特養以外にも質の高いケアを提供する施設は多数存在します。それぞれの施設には独自の特色があり、費用面やサービス内容も異なるため、ご本人の状態や希望、経済状況に応じて最適な選択をすることが可能です。
また、申し込み方法を工夫することも大切です。一つの施設だけでなく複数の施設を同時に検討したり、入居条件を柔軟に考えたりすることで、より早期の入居が実現できます。以下では、入居待ちを回避し、ご本人にとって最適な住まいを見つけるための具体的なポイントをご紹介します。
特別養護老人ホーム以外にも、入居しやすい施設の選択肢は多数あります。特に有料老人ホームは施設数が増加しており、空きがあれば比較的スムーズに入居できる点が大きなメリットです。介護付き、住宅型、健康型の3種類があり、要介護度や必要なサービスに応じて選択できます。
サービス付き高齢者向け住宅も選択肢の一つです。バリアフリー設計で、状況把握と生活相談サービスが基本として提供され、必要に応じて介護サービスを利用できます。介護が必要な場合は、外部の訪問介護事業所などと契約して利用する仕組みです。これらの施設は特養と比べて待機期間が短い傾向にあります。
効率的な施設探しには、老人ホーム検索サイトの活用が有効です。「安心介護紹介センター」などのサイトでは、希望条件から施設を絞り込み、空室のある施設を探すことができます。費用だけでなく、24時間の看護体制、リハビリの充実度、レクリエーション活動など、サービス内容や人員体制を比較検討し、ご本人の状態や希望に合った施設を選ぶことが大切です。
入居の可能性を高めるためには、第一希望の施設だけでなく、複数の施設に並行して申し込むことが有効です。老人ホームは急に空室が出ることもあるため、複数申し込みをしておくことで、入居できるチャンスが広がります。
複数の施設を実際に見学することで、パンフレットだけではわからない雰囲気や職員の対応、入居者の様子などを直接確認できます。比較検討することで、ご本人にとって最適な環境を見つけやすくなり、入居後の生活満足度も高まります。
申し込み後、他の施設への入居が決まった場合は、速やかに申し込みを取り消す連絡をすることがマナーです。電話連絡後、書面での取り消し手続きが必要な場合もあるため、各施設の手続き方法を事前に確認しておきましょう。複数申し込みは一般的な方法であり、施設側も理解していますので、遠慮せずに活用することで、より早期の入居実現につながります。
施設選びでは、それぞれの施設が定める入居条件を正確に把握することが重要です。施設の種類によって、対象者や提供されるサービスが大きく異なります。
【各施設の役割と対象者】
施設の種別 | 主な役割・目的 | 対象者(入居条件) |
介護医療院 | 長期的な医学的管理と介護の両方を提供する。 | 要介護1以上 |
介護老人保健施設(老健) | 在宅復帰を目的としたリハビリテーションを提供する。 | 要介護1以上 |
介護老人福祉施設(特養) | 要介護者が生活するための施設。 | 原則として65歳以上で、要介護3以上の方。 |
グループホーム | 認知症の高齢者が、少人数で共同生活を送る。 | 認知症の診断を受けた、要支援2以上の方。 |
有料老人ホーム | 高齢者が暮らしやすいように配慮された住まい。 自立型・介護専用型・混合型などのタイプがある。 | 施設により様々。 自立した方から要介護5の方まで、幅広く対応している。 |
介護療養型医療施設 | 医療と介護の両方を提供するが、介護医療院へ移行が進んでいる。 | 要介護1以上 |
特に医療的ケアの受け入れ体制は施設ごとに異なります。胃ろうやインスリン注射、認知症の行動・心理症状への対応可否は、必ず事前に確認すべき項目です。将来的な心身の変化も考慮し、長期的に安心して暮らせる施設を選ぶことが大切です。
老人ホームの入居待ち問題は、高齢化社会における避けて通れない課題となっています。特別養護老人ホームでは全国で25.3万人が待機している現状があり、希望する施設にすぐ入居できないケースが多発しています。しかし、この問題には必ず解決策が存在します。
入居待ちの期間を乗り切るためには、介護保険サービスを最大限活用することが重要です。訪問介護や通所介護、ショートステイなどを組み合わせることで、在宅生活を安全に継続できます。また、地域包括支援センターなどの専門家に相談し、適切なサポートを受けることで、介護者の負担も軽減されます。さらに、介護保険外のサービスを活用すれば、より柔軟な対応が可能になります。
施設選びの視点を変えることも解決への近道です。特養だけでなく、有料老人ホームやグループホームなど、幅広い選択肢を検討し、複数の施設に申し込むことで入居の可能性が高まります。各施設の特徴や入居条件を正確に把握し、将来を見据えた選択をすることで、本人にとって最適な住まいが見つかるでしょう。入居待ちは決して乗り越えられない壁ではありません。
老人ホームの入居待ちに関して、多くの方から寄せられる疑問があります。特に特別養護老人ホームの待機期間の長さや、入居待ち中の状況変化への対応、申し込み後の手続きについては、事前に理解しておくことで不安を軽減できます。ここでは、よくある質問とその回答をまとめました。
特別養護老人ホームの待機期間は、地域や個人の優先度によって大きく異なるため、一概には言えません。要介護度が高く、独居で介護者がいない方の場合、数ヶ月で入居できるケースもあります。一方で、要介護3で家族の介護を受けている方の場合、数年以上待つこともあります。 都市部では待機者が多く、東京都では2万人以上が待機している状況です。地方では比較的待機期間が短い地域もありますが、施設の空き状況は常に変動しています。急な退去により思いがけず早く入居できることもあれば、予想以上に長期化することもあります。 正確な待機期間を知るためには、申し込みを検討している施設に直接問い合わせることが最善です。施設によっては、現在の待機者数や、おおよその待機期間の目安を教えてくれる場合があります。また、地域の自治体の高齢者福祉担当課でも、地域全体の待機状況について情報提供を受けられます。
入居待ち期間中に要介護度が変更になった場合、特に特別養護老人ホームでは入居の優先順位に大きく影響します。特養では要介護度が点数化されて優先順位が決まるため、要介護度の変化は重要な要素となります。 要介護度が重くなった場合、優先順位が上がる可能性があります。たとえば要介護3から要介護4に変更になれば、より緊急性が高いと判断され、入居の順番が早まることがあります。反対に、要介護度が軽くなった場合は優先順位が下がります。特に要介護3から要介護2に下がった場合、特養の入居対象から外れてしまう可能性もあります。 要介護度が変更になった際は、速やかに申し込み先の施設へ報告することが必要です。報告を怠ると、実際の状態と登録情報に相違が生じ、入居判定の際に問題となる場合があります。要介護認定の更新や区分変更申請を行った際は、結果が出次第、必ず各施設に連絡しましょう。
老人ホームの入居待ち申し込みは、いつでも取り消すことが可能です。他の施設への入居が決まった場合や、在宅介護を継続することになった場合など、状況が変わった際は遠慮なく取り消し手続きを行えます。 申し込みの取り消しに際して、ペナルティや費用が発生することは基本的にありません。多くの施設では、申し込み時に預かり金や申込金を徴収していないため、金銭的な負担なく取り消しができます。ただし、一部の有料老人ホームでは申込金を設定している場合があるため、申し込み時に確認しておくことが大切です。 取り消しの際は、電話で施設に直接連絡を入れるのが一般的なマナーです。施設側も待機者リストの管理をしているため、早めの連絡が望まれます。電話連絡後、書面での取り消し手続きを求められる場合もありますが、指示に従って手続きを進めれば問題ありません。複数施設への申し込みと取り消しは一般的な方法として認められています。