介護にまつわるお役立ちコラム

老人ホームの入居には保証人が必要?身元引受人との違いは?

2022年02月14日

老人ホーム入居先を探しで、気になるのが契約時の保証人です。ご家族と同居され保証人となる身内がいれば問題はありませんが、身内はいない、親戚も遠く保証人をお願いできる関係性ではないと、困ってしまう方もいるでしょう。高齢化が深刻化する上での社会課題でもあります。保証人がいないと老人ホーム入居は出来ないのでしょうか。実は、保証人が無くても老人ホームと契約することは出来ます。また、合わせて確認したいのが身元引受人です。この記事では保証人の役割や身元引受人との違いについて解説します。ぜひ参考にしてみてください。

1老人ホームの入居時の保証人とは?

希望する老人ホームの契約内容を確認してみましょう。一般的にいわれる保証人の役割は、経済的・緊急時の連絡先・治療方針確認、諸手続きです。ただホームによって必要性やその役割内容は若干異なりますので、契約手続きを進める前に確認しましょう。保証人をお願いできる家族親戚がいないという方は少なからずいらっしゃいます。そのような場合は保証人の有無に関わらずホームと契約できるのが望ましいです。また、必要なのは保証人だけではありません。というのは身元引受人を別に必要とするからです。

老人ホームでの保証人の役割

そもそも保証人はなぜ必要なのか、その役割について説明します。保証人といっても契約するシーンでその内容は様々です。老人ホームで契約する際に保証する内容は、ホーム利用料金に関わる経済的な保証・緊急時の連絡先・治療方針の確認承認・入院の手続き・死亡後の身柄引き取り・退居の手続きです。他の契約保証人とは異なります。次に挙げた役割について、それぞれ順を追って解説していきましょう。

経済的保証

保証人の重要な役割の1つは経済的保証です。老人ホームに入所する場合は、ホーム代金を支払い続けなければなりません。月額制にしても、決して安くはありません。年金に加えこれまでの資産による支払い続けることが困難になることもあります。こうした利用者の支払いが滞った場合、代わりに支払うことを約束する、いわゆる経済的な保証をしてくれる人が必要になります。

有料老人ホームの料金額はホームによって大きく違い、提供するサービス、設備内容によってその差は大きいのです。入居時に納金して終わりではなく、入居している間払い続けなければなりません。当の本人だけでの支払い、経済力では信用に関わり、保証人の役割は大きいです。とすると保証人になるための条件もその経済面に設定されます。そのため、万が一利用者が支払い続けるられない代わりに、経済的に支払えるかが問われます。

緊急時の連絡先

保証人は緊急時にすぐに連絡を入れるための連絡先としての役割があります。ホームはお預かりしている大切なご家族の、親族の状態が急変した時、保証人へ優先的に連絡をします。どのような対応をすべきか、対応の確認をし治療を進めます。ホームは保証人から治療確認承認を得られないと治療を進めることが出来ません。緊急時に対応できる保証人の役割は大きいのです。そのため保証人は身元がしっかりと証明できる方という条件が必要です。

治療方針の確認、入院の手続き

ホームは利用者の健康状態によって治療方法を変えることがあります。保証人へ連絡し、より適した治療方法とその理由を提示します。保証人へ確認をとり了承を得た上で治療方法を変えることが可能になります。また、健康状態が悪化し、ホーム内での治療が困難であると判断した場合、より専門的な治療を可能にする病院へ入院することになります。入院を必要だと判断した際、諸手続きは保証人の役割です。

死亡後の身柄引き取りなど

保証人は利用者が亡くなられた際、身柄を引き取る役割もあります。加えてホームを退去するので、荷物の片付け、所定の手続きを行います。この役割は身元引受人と同じです。次の章では保証人と身元引受人の違いについて解説します。

2保証人と身元引受人の違い

保証人と良く似ているのが身元引受人です。ただ保証人とは違うのはその役割が比較的少ないのです。具体的に身元引受人の役割は以下となります。

  • 亡くなった際身柄、荷物を引き取る
  • 亡くなった際の手続き
  • 治療方針の確認
  • 入院時の手続き

身内に役割を担ってもらえそうな人がいない場合、身元引受人代行サービスを利用すると良いでしょう。長寿大国の日本において孤独死という社会的な課題を踏まえ、必要性から生まれたサービスと言えるでしょう。保証人や身元引受人の該当者がいないという理由でホーム入居を諦める必要はありません。身内がいない場合は、代行サービスを申し込んでおければ、老人ホームと契約し入居することができます。

老人ホームでの保証人の条件とは

契約する際に保証人制度のあるホーム、保証人となるための条件は、その役割を果たせるかにあります。ホームから十分条件を満たすと判断されて保証人として契約は成立するのです。保証人たる具体的な条件は年齢・資産・年収です。経済的に責任を負えるかその財力重要な条件といえます。

保証人は家族や身内だけではありません。経済面をクリアすれば、友人でも保証人になれるのです。それだけ利用料金を支払うかが、サービスを提供するホームにとっては重要といえます。

老人ホームの入居時に保証人がいない場合はどうする

条件を満たす保証人の該当者がいない場合はどうしたら良いのでしょうか。保証人がいなくても、老人ホームに入居できます。保証人を代行してくれる企業やNPO法人があります。ただ、代行をしてもらうサービスを契約するためにはまとまった金額が必要です。代行サービスを利用すれば、希望するホームを選んで入居可能です。保証人や身元引受人が身内にいないからと、老人ホームを諦める必要はありませんので安心してください。
ホーム入居契約に必要な保証人や身元引受人が見当たらないとお困りでしたら、お住まいの都道府県に利用できる代行サービスがあるか確認すると良いでしょう。また、要介護認定を受けていれば、担当のケアマネジャーに分からないことや不安なことを相談するのも良いです。ご自身の介護度に合った施設や、保証人や身元契約人など契約に必要な内容も熟知しているので、最適なサービスやホームを紹介してくれるでしょう。

3まとめ

この記事では保証人と身元引受人の条件について解説してきました。老後の理想的な生活をイメージすると、最期は設備の整った老人ホームで安心して過ごしたいと思う方もいらるでしょう。数多くある老人ホームの中から希望するホームを見つけ契約できるのが一番ですが、契約するのに保証人と身元受取人が必要です。希望する老人ホームと契約を進める前にホームが提示する保証人や身元引受人の条件について確認すると良いでしょう。条件を満たせば身内に限らず、代行サービスを提供する企業やNPO法人を利用することもできます。身内がいないからと老人ホームへの入居を諦めることはありません。代行サービスを提供する企業やNPO法人を利用し、老人ホームへの入居を検討しましょう。

監修者情報
株式会社Social Code CDO

2009年大学卒業後回復期リハビリテーション病院に就職後、急性期病院にて専門外来の企画開設に従事。
2016年在宅の支援を行う医療法人に転職後、数年間赤字経営のホームの立て直し、リブランディングを行い、事業統括・社内制度等処遇の改善に携わる。
現在はケアに係るデータを取り扱うベンチャー企業にて事業企画・運営を行う。
著書:医療機関・介護施設のリハビリ部門管理者のための実践テキスト 部門管理に必要な7つの手法(第2版)・他

廣瀬哲司(作業療法士)
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