介護にまつわるお役立ちコラム
介護施設にはどんな種類がある?費用やサービス内容を解説!
「介護施設や老人ホームって、どんな種類があるの?」
「結局、何を基準に介護施設や老人ホームを選べばいいの?」
などと思っている方はいらっしゃいませんか?介護施設や老人ホームは全11種類あるため、入居先を決める際に迷う方も多いようです。そこで本記事では、介護施設・老人ホームの種類や入居条件、費用、探すポイントについて紹介します。
介護施設・老人ホームは、社会福祉法人や医療法人などが運営する「公的施設」と株式会社や民間企業が運営する「民間施設」に分かれます。ここでは、介護施設・老人ホームの要介護状態の方・自立状態の方を対象とした施設について紹介します。
まずは要介護状態の方を対象とした公的施設、民間施設やその特徴を見ていきましょう。
<公的施設>
・特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設):通称 「特養」
入居条件は要介護3以上の方となるため、介護度の高い方から優先的に入居します。主に寝たきりの方や認知症の方などの介護度が高い方が多く、終身利用が可能です。また特別養護老人ホームは費用も安価で人気が高く、入居待ちが多い状況になっています。
・介護老人保健施設:通称「老健」
病院からの退院後、自宅での日常生活が困難な方が入居できる施設です。自宅で自立した日常生活を送ることを目的として、機能回復やリハビリなどを行います。また介護老人保健施設は原則3ヶ月ほどの短期入所で、3ヶ月ごとに退所判断が下されます。
・介護療養型医療施設:通称「療養」
医学的管理が必要である方を入居条件としている施設です。そして健康状態を回復させるため、医療的介護・リハビリなどのサービスが受けられます。このように医師や看護師、理学療法士がいて、医療的ケアが充実している点が特徴的です。
<民間施設>
・介護付き有料老人ホーム
介護が必要な65歳以上の方を対象としている施設です。介護付き有料老人ホームには、自立した方でも利用できる混合型の施設もあります。また施設数が多いため入居待ち期間が短く、費用の見通しが立てやすいです。
・住宅型有料老人ホーム
入居条件は自立〜要介護5までと幅広く、自宅に住んでいる感覚で利用できる施設です。そして食事、掃除、洗濯などの生活支援や安否確認などのサービスが受けられます。
・グループホーム:ここでは高齢者対象の「認知症対応型共同生活介護」を指す
グループホームには、それぞれ「認知症の高齢者」と「障がい者」を対象にした2つのものがあります。「認知症の高齢者」の対象グループホームを『認知症対応型共同生活介護』、障がい者を対象としたグループホームを「共同生活援助」といいます。ここでは原則高齢者対象の施設として、認知症と診断されている高齢者の方向けの「認知症対応型共同生活介護」のことを説明します。この施設は、施設がある市区町村の住民票を持つ方のみ入居できるようになっています。施設では、認知症の症状を緩和したり、遅らせたりするための取り組みが行われています。
次に自立状態の方を対象とした施設やその特徴を見ていきましょう。
<公的施設>
・軽費老人ホーム
家庭環境により、在宅での生活が困難な高齢者のための低料金施設です。軽費老人ホームには、食事を提供する「A型」、食事を提供しない「B型」、「ケアハウス」の3種類があります。また利用するためには
「夫婦のどちらか一方が60歳以上」
「(A型・B型の場合)身の回りの世話ができて年収34万円以下」
という条件を満たさなければなりません。
・ケアハウス
自立した高齢者向けの施設で、軽費老人ホームの一種です。さらにケアハウスには「一般型」と「介護型」に分かれています。「一般型」は、食事サービス、安否確認、生活相談サービスが提供されます。しかし、介護が必要になった場合は、外部のサービスを契約しなければなりません。「介護型」は、一般型のサービスに加えて、スタッフによる介護サービスが受けられます。
<民間施設>
・サービス付き高齢者向け住宅:通称「サ高住」
高齢者が暮らしやすいバリアフリー構造の住宅です。そして比較的新しい施設が多く、綺麗な住宅で安心・安全に暮らすことができます。また入居費用も他の有料老人ホームと比べて安く、入居一時金も不要な場合が多いです。
・健康型有料老人ホーム
健康的で介護の必要がない自立した高齢者向けの施設です。そのため、認知症が発症した場合や要介護状態になった場合は退去しなければなりません。また健康型有料老人ホームには、趣味やレクリエーションを楽しむ高齢者の方が多いです。
・シニア向け分譲マンション
高齢者を対象にしたバリアフリー構造の分譲マンションです。シニア向け分譲マンションは所有権を持つと、売却・譲渡・賃貸・相続が可能です。またマンション内にはジムや温泉、レストランなどが充実しているところもあります。ところが、他の施設とは環境が異なり、発生する費用はかなりかかります。
各々の介護施設・老人ホームの入居条件や費用は、以下の通りです。
<公的施設>
特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)
- 入居条件:要介護3,4,5の方
- 入居費用:0円
- 月額費用:5万円〜30万円
介護老人保健施設
- 入居条件:要介護1〜5の方
- 入居費用:0円
- 月額費用:10万円〜20万円
介護療養型医療施設
- 入居条件:要介護1〜5の方
- 入居費用:0円
- 月額費用:10万円〜20万円
軽費老人ホーム
- 入居条件:自立、要支援1,2、要介護1,2,3程度
- 入居費用:0円〜数十万円
- 月額費用:10万円〜30万円
ケアハウス
- 入居条件:自立、要支援1,2、要介護1,2,3程度
- 入居費用:数十万円〜数百万円
- 月額費用:10万円〜30万円
<民間施設>
介護付き有料老人ホーム
- 入居条件:自立、要支援1,2、要介護1〜5
- 入居費用:0円〜数百万円
- 月額費用:15万円〜35万円
住宅型有料老人ホーム
- 入居条件:自立、要支援1,2、要介護1〜5
- 入居費用:0円〜数百万円
- 月額費用:15万円〜35万円
グループホーム(認知症対応型共同生活介護)
- 入居条件:要支援2、要介護1〜5
- 入居費用:0円〜数十万円
- 月額費用:10万円〜30万円
サービス付き高齢者向け住宅
- 入居条件:自立、要支援1,2、要介護1,2,3程度
- 入居費用:0円〜数十万円
- 月額費用:10万円〜30万円
健康型有料老人ホーム
- 入居条件:自立
- 入居費用:0円〜数千万円
- 月額費用:10万円〜50万円
シニア向け分譲マンション
- 入居条件:自立、要支援1,2、要介護1〜5
- 入居費用:数千万円〜数億円
- 月額費用:10万円〜30万円
介護施設の種類が多く、入居先を決めるのが難しくありませんか?介護施設の入居先を探す際には、「サービス内容・費用・特徴」の3つのポイントを基準に選ぶと決めやすくなります。さらに、3つのポイントの「譲れない必須条件」や「希望条件」を明らかにしておくと、選択肢を絞り込むことが可能です。そこで、介護施設を選ぶ際の3つのポイントである「サービス内容・費用・特徴」について詳しく解説します。
介護施設や老人ホームの主なサービス内容は以下の通りです。
- 食事サービス
- 生活支援サービス(掃除、洗濯、買い物など)
- 身体介護サービス(入浴、排泄など)
- 看取り介護サービス
- リハビリテーション・医療的ケア
しかし、介護施設によって、提供している場合と一部のサービスを提供していない場合があります。介護施設を選ぶ際には、
「今の自分はどのようなサービスが必要か?」
「介護施設で介護サービスを受けるべきか?」
など受けられるサービスについて事前に考えておくと、施設選択がスムーズに進むでしょう。
費用面は、「公的施設」「民間施設」によって異なります。では、公的施設と民間施設の費用の特徴についてみていきましょう。
<公的施設>
月額費用が安い
入居費用なしの場合がある(多くても数十万円〜数百万円程度)
<民間施設>
月額費用が高い
入居費用が数十万円〜数千万する場合がある
以上のように、施設を運営する団体や受けるサービス内容によって費用の変動があります。そのため、施設を選ぶ際には、
「どのくらい入居費用や月額費用を使うことができるか?」
「入居期間は約3年を予定しているから、500万円ほど必要である」
など、より具体的な費用の上限や資金計画をしておくと決めやすくなるでしょう。
介護施設を選ぶ際には、施設の特徴もチェックしておきましょう。具体的には、設備や共有スペースの有無、食事サービス、施設の雰囲気、周辺の環境などがあります。施設独自の特徴や強みについて知っておき、気になる施設があれば、さらに選択肢を絞り込むことが可能です。またパンフレットやホームページなどの情報では、施設の雰囲気や住環境は分からないこともあるので、可能であれば施設見学に行きましょう。複数の施設を見学しておくことで、各々の特徴も明確になり、生活のイメージが付きやすくなります。
本記事では、介護施設の種類・入居条件と費用・探すときのポイントについて紹介しました。改めて重要事項をまとめると以下の通りです。
- 全11種類
- 公的施設と民間施設に分けられる
- 施設ごとに入居条件や費用が異なる
- 「サービス内容・費用・特徴」をもとに探す
施設の種類は多く、自分の希望に近い介護施設は見つかるはずです。ぜひ自分にぴったりの介護施設を見つけて、安心した暮らしを送るのはいかがでしょう?