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2021年11月15日

介護老人保健施設(老健)とは?役割や特徴、利用する際の注意点を解説!

身近に高齢者がいる方なら「老健(ろうけん)」という言葉を聞いたことはないでしょうか。

また、これから介護が必要となるご家庭では老健の利用を検討しているかもしれません。

しかし存在についてなんとなく知っている・名前は聞いたことがある程度でどんな施設なのか知らない方は多いと思います。

そこで今回は老健(介護老人保健施設)の特徴やその役割・利用する際の注意点について解説していきます。

老健が何なのか詳しく知りたい方や利用したいと考えている方はぜひ参考にしてください。

介護老人保健施設(老健)は医療ケアを目的とした施設

いわゆる老健とは介護老人保健施設の略称で要介護である高齢者の医療ケアを目的とした施設です。

生活施設で終身利用が可能な特養(特別養護老人ホーム)と誤解されることもありますが、老健は入所期間が限定されています。

そのため、利用者の多くは長期の入院からの退院後に家庭へ戻るもしくは自立を果たすため入所します。

特別養護老人ホームと病院の長所を持ち寄った中間的な施設と考えると分かりやすいでしょう。

利用するメリットとしては介護保険が適用されることが挙げられます。

理由は介護老人保健施設の設置主体が医療法人や社会福祉法人、市町村となっており公益を目的とする施設であるからです。

また、老人保健施設が提供するサービスには入所者向けサービスと入所者以外の高齢者向けサービスがあります。

■入所サービス

  • 家庭復帰のためのリハビリテーション
  • 療養に必要な看護
  • 日常生活の援助
  • 介護を含む医療サービス

入所者以外の高齢者向けサービス

  • 通所/訪問リハビリテーション
  • ショートステイ
  • 介護予防

介護老人保健施設(老健)の役割

少し考えてみると高齢者をサポートする施設やサービスはたくさんあります。

例えば特別養護老人ホーム・介護付き有料老人ホーム・地域包括支援センターや病院などの医療機関も当てはまりますね。

そうしたなかで老人保健施設はどのような位置づけとなっているのでしょうか。

ここでは社会における介護老人保健施設の役割について、大きく3つに分けて解説していきます。

入所者が在宅復帰することを目的としている

高齢者がケアを受けられる施設というと、特養や老人ホームと呼ばれる特別養護老人ホームを想像する方は多いでしょう。

特別養護老人ホームとは大まかに説明すると終身利用が可能で高齢者が介護を受けながら生活していく施設です。

一方、老人介護保険施設は入居者が最終的に家庭へ戻る「在宅復帰」を目指しています。

このことは法で定められており、介護保険法第8条第28項にて以下のように定義されています。

「介護老人保健施設とは、要介護者であって、主としてその心身の機能の維持回復を図り、居宅における生活を営むことができるようにするための支援が必要である者に対し、施設サービス計画に基づいて、看護、医学的管理の下における介護及び機能訓練その他必要な医療並びに日常生活上の世話を行うことを目的とする施設。」

出典:「介護老人保健施設 参考資料|厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000174012.pdf)」

介護老人保健施設ではこの定義に基づいて医師や看護師・介護士・管理栄養士などさまざまな専門家がチームとなって入所者に合ったサービスを提供しています。

機能訓練室が充実している

介護老人保健施設は設備面も整えられているのが魅力で、とくに機能訓練室はさまざまな工夫が施されています。

例えば秋田県にある『介護老人保健施設 なごみのさと』には以下のような設備があります。

  • リハビリベッド
  • 平行棒/階段
  • 筋力トレーニングマシン
  • 作業テーブル
  • レッドコード

設備は施設によって異なりますが1人1人に合った強度で運動やトレーニングを行うことが可能です。

また、機能訓練室の作業テーブルでは折り紙や手芸などの趣味を楽しむことができます。

ほかにも機能訓練室はクラブ活動の場として使われることもあり、曜日ごとに計算教室や書道教室・読み書き教室・園芸教室などさまざまな活動が行われています。

入居期間は3~6ヶ月の期間限定

介護老人保健施設は終身利用ができる特別養護老人ホームとは異なり退所して在宅復帰することが前提です。

そのため入居期間に制限があり、原則3か月・長くても6か月ほどとなっています。

3か月ごとに行われるチェックにより、在宅復帰が可能であると判断されれば退所しなければなりません。

しかし3か月ではリハビリが十分とは言えないケースも多く、そのような場合は入居を継続したり退所後に通所や訪問でリハビリを受けたりと臨機応変な対応がなされます。

ショートステイを利用して一時的に滞在することもできるので在宅復帰の環境が整っていない、家庭へ戻ることに不安があるという際にも安心です。

介護老人保健施設(老健)の特徴や注意点

介護やリハビリ・医療ケアが必要な高齢者にとってメリットが大きい介護老人保健施設ですが、まだまだ特筆すべき魅力があります。

そこでこの章では介護老人保健施設ならではの特徴について解説していきます。

合わせて、利用する際の注意点も紹介しているのでぜひ参考にしてください。

医師が常勤している

介護老人保健施設の最も大きな特徴である「医療ケアを受けられる」ということを可能にしているのが医師の常勤です。

よく比較される有料老人ホームや特別養護老人ホームでは医師が常勤する施設はほとんどなく、医療行為は原則として受けることができないためまったく異なる施設だということが分かるでしょう。

そもそも施設の管理者となれるのが医師免許を持つ医師のみなので、ほかよりも医療ケアに重きを置いている施設だとも言えます。

また、配置される医師の人数は入所者100人当たりに1人と義務付けられており、看護師は24時間常駐している施設も多いです。

そのため日々の医療ケアや健康管理だけでなく容態の悪化や急病など緊急時にも適切な処置を受けることができます。

個人の状態に合わせたリハビリサービスが受けられる

介護老人保健施設は有料老人ホームや特別養護老人ホームと比べると看護師の配置人数が多く、理学療法士や作業療法士などリハビリ専門家の配置が義務付けられているのも特徴です。

実際に入居者のリハビリテーションは専門家である理学・作業療法士のほか言語聴覚士などがチームとなって実施されます。

1人1人の症状に合わせて訓練計画を練るため、早期の在宅復帰が期待できるでしょう。

また、利用者の状態によっては施設へ入所せずに在宅でのリハビリテーションも可能です。

在宅で受けられるリハビリテーションには以下のようなパターンがあります。

  • 通所リハビリテーション
  • 訪問リハビリテーション
  • 介護予防通所リハビリテーション
  • 介護予防訪問リハビリテーション

初期費用は無料

民間が運営する有料老人ホームなどの施設は高額な初期費用が発生する場合があります。

一方、介護老人保健施設は医療機関や福祉団体・市町村が運営する施設であるため入居一時金のような初期費用がかかりません。

入居者が負担する費用は大きく分類すると「生活費」と「介護サービス費」に分けられ、これらは毎月もしくは使用頻度に合わせて発生します。

費用の項目は以下のようなものが挙げられます。

  • 居住費(家賃・水道光熱費)
  • 食費
  • 教養/娯楽費(クラブ活動など)
  • 予防接種
  • タオルリース
  • 日用品セット(ティッシュペーパー・歯ブラシなど)
  • 私物の洗濯
  • 理美容 など

介護サービス費は要介護度の認定の度合いや居室のタイプによって費用が異なります。

また、居住費と食費については生活保護受給者や非課税世帯などの段階に合わせて軽減措置が取られます。

入所基準は65歳以上で要介護1以上の高齢者

介護老人保健施設は原則として「65歳以上」かつ「要介護1以上」の認定を受けていることが入所条件となります。

ちなみに特別養護老人ホームの入所条件は自力で生活するのが困難な中~重度の要介護者、要介護3~5の高齢者です。

また、原則通りなら3~6か月で空きが生まれるので終身利用が前提の老人ホームと異なり入所難易度はそれほど高くありません。

ただし入所に条件があることは念頭に置いておく必要があります。

施設によっては一般的な条件外でも受け入れを行う場合があるので、入所を考えているところへ相談してみるとよいでしょう。

まとめ

今回は老健(介護老人保健施設)の特徴やその役割・利用する際の注意点について解説しました。

介護老人保健施設は要介護高齢者の在宅復帰を目的に介護・医療ケアやリハビリテーションを行う場所で、特別養護老人ホームや有料老人ホームとは異なる役割を持っています。

医師が常勤していて適切な医療ケアを受けられたり、専門家によるリハビリテーションが行えたりさまざまな魅力があります。

ただし入所は要介護度1以上で65歳以上の高齢者という条件があるので、入所を検討している方は注意してください。

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