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2021年8月19日

介護老人保健施設とは?特徴・特別養護老人ホームとの違い・活用方法

共に生活する高齢者の認知機能低下や介護負担の増加を感じた際に、老人ホーム・介護施設の利用を考える方も多いのではないでしょうか。老人ホーム・介護施設と一口に言っても様々な施設があり、目的・入所条件・提供するサービスなど一様ではありません。高齢者と家族に合った施設を選択するためには、押さえるべきポイントが多々あります。

当記事では介護老人保健施設に注目し、特徴・活用方法・利用するメリットについて解説します。介護老人保健施設の利用を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。

介護老人保健施設とは?

介護老人保健施設(老健)は、介護を必要とする高齢者の自立や在宅復帰を目指し、各種ケアサービスを提供する施設です。

介護老人保健施設のほとんどは、医療法人や社会福祉法人が設立しており、その場合は民間扱いになります。

【介護老人保健施設で受けられる主なサービス内容】

リハビリテーション理学療法士・作業療法士・言語聴覚士による機能訓練
医療ケア喀痰吸引・経管栄養管理など
日常生活の介助入浴介助・食事介助・オムツ交換など

利用者の在宅復帰を目指す施設であるため、入居期間は3〜6ヶ月程度が目安でありとなり、3ヶ月ごとに在宅復帰が可能かどうかが検討されます。

※ただし入居期間は一概には言えず、あくまで「見直す」という点に注意してください。

入所基準と難易度

介護老人保健施設は、要介護1以上の方が入所できます。
また介護老人保健施設は、他の施設に比べて在宅復帰率が高いことから、入所までの待機期間が発生した場合もそこまで長期間とならないことが特徴です。施設数が多い都市部などでは、待機者が発生していないことも多くあります。

介護老人保健施設の入所にかかる費用

公的施設である介護老人保健施設は、入居一時金などの初期費用が基本的にかかりません。入所者が負担する月額費用は、以下の通りです。

【介護老人保健施設の月額費用内訳】

・介護サービス費施設入所者が介護・看護サービスを受けるための費用です。食事介助・排せつ介助・医療ケアなどが該当し、介護度が高いほど、料金も高額になります。
・居住費一つの部屋を複数人で利用する「多床室」が一番安く、個室と共同生活室が合体した「ユニット型個室」が一番高くなる傾向です。また居室タイプにより、介護サービス費の金額設定も異なります。

※所得によって減額制度があります
・食費施設で提供される食費に関しては、介護保険の対象外となります。

※所得によって減額制度があります
・雑費日用品代・洗濯代・理美容代など
※施設ごとに異なる

また上記のほかにも、提供サービスの内容によっては「介護サービス加算」の費用が必要となる場合もあります。

介護老人保健施設と介護老人福祉施設の違い

介護老人保健施設と同じく介護保険法で定められた施設の一つに「介護老人福祉施設」があります。介護老人福祉施設は、いわゆる「特別養護老人ホーム(特養)」と呼ばれる施設です。

介護老人保健施設と介護老人福祉施設の相違点は、以下の表を参考にしてください。

介護老人保健施設介護老人福祉施設
施設の概要在宅復帰を目指した専門的なリハビリテーションを行う常時介護が必要な方へ身体介護や生活支援を行う
入所条件要介護1〜5要介護3〜5
(要介護1~2の場合は条件を満たす場合のみ)
提供サービスリハビリテーション・医療ケアが中心身体介護が中心
入所期間原則3~6ヶ月程度が目安
※一概には言えないため、これより短期・長期の利用の場合もあり
終身利用が可能
入所難易度比較的入居しやすい数ヶ月以上の待機もあり得る
費用入居金 なし
月額費用 約6〜16万円
入居金 なし
月額費用 約5〜15万円
※地域によって単価は異なります

介護老人保健施設は、リハビリ設備を整えていることもあり、介護老人福祉施設よりも費用がやや高額となるケースが多い傾向です。ただし利用施設によって実際の費用は異なるため、あくまで参考程度としてください。

介護老人保健施設を活用する方法

介護老人保健施設は入所をしてケアを受ける一般的な利用方法以外に、短期入所や通所サービスなども充実しています。高齢者の方が住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるように、家族の状況や介護対象者の状態に合わせて利用方法を検討するとよいでしょう。

以下では、介護老人保健施設を活用する方法を4つ紹介します。

入所して集中的なリハビリテーションを受ける

介護老人保健施設の入所利用は、以下の場合におすすめです。

・長期入院により著しい体力低下が見込まれる場合
・身体機能のリハビリテーション
・認知症の集中的なリハビリテーションを行いたい場合

特に、介護老人保健施設の中には「認知症短期集中リハビリテーション」を提供している施設があります。認知症短期集中リハビリテーションは、軽度の認知症の方を対象としており、中核症状やBPSD(認知症行動や心理症状)の改善が期待できる点が特徴です。

(出典:公益社団法人 全国老人保健施設協会「認知症短期集中リハビリテーション」/https://www.roken.or.jp/about_roken/ninch

一時的にショートステイを利用する

介護老人保健施設は、短期間のみ入所となる「ショートステイ」も可能であり、以下の場合におすすめです。

・急な用事などで、介護を行えない期間が発生した場合
・介護をする方の息抜きやリフレッシュを行いたい場合

介護は基本的に長期間続くものであり、無理をすると介護者の体調不良を招いたり、介護うつに繋がったりする恐れがあります。そのため、介護者の状況や予定に合わせショートステイを上手く取り入れるとよいでしょう。
連続利用期間は最長30日間とされ、介護認定期間内での利用日数は「介護認定期間の半数」という条件があります。ただし必要があれば、これ以上の利用も可能です。その際は、市町村に届出を出すことが一般的となります。

通所リハビリテーション(デイケア)に通う

介護老人保健施設では、リハビリ特化型の日帰り通所サービスである「デイケア」も行っており、以下の場合におすすめです。

・1対1で行う個別機能訓練が行いたい場合
・在宅生活をよりよく継続するためのリハビリテーションを行いたい場合

※機能訓練…利用者の社会的孤立感の解消や、心身の機能の維持、利用者家族の身体的・精神的負担の軽減を図るもの
※リハビリテーション…医師の指示のもと、理学療法士・作業療法士・言語聴覚療法士などが、利用者の心身の機能の維持回復を図るもの
(出典:厚生労働省「(3)リハビリテーションと機能訓練の機能分化と
その在り方に関する調査研究」/https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000116470.pdf

介護老人保健施設は、機能訓練室や運動療法機器が充実しているため、自宅ではできない専門的なトレーニングも可能です。また、デイケアで行われる活動・訓練を通じて、ほかの利用者やスタッフとのコミュニケーションがとれる点も大きな魅力と言えます。

他の施設への入所待ちや自宅のリフォーム工事の間に入所する

他の施設への入所待ちの間に、介護老人保健施設へ入所することも可能です。例えば、介護保険福祉施設やターミナルケアに対応する施設などは入所待ちが発生しやすいため、介護老人保健施設の一時的な利用を検討するとよいでしょう。
また、バリアフリー化・手すりの設置など、住宅改修が必要な期間のみ介護老人保健施設を活用する方も少なくありません。

介護老人保健施設のメリットと注意点

介護老人保健施設の利用を考えている方は、以下で紹介する「介護老人保健施設のメリットと注意点」を理解しておきましょう。

【介護老人保健施設を利用するメリット】

・機能訓練が充実している 
・手厚い医療ケアが受けられる 
・入所難易度が低い

介護老人保健施設は、医師・看護職員・リハビリスタッフの人員配置が多い点が魅力の一つです。体調変化時・急変時にも、医療行為を速やかに受けることができます。

【介護老人保健施設を利用する際の注意点】

・内服薬が制限される可能性がある

内服薬がある場合は常勤医師に処方をしてもらえますが、高額な薬を服用している場合は、介護老人保健施設で提供できないケースがあります。健康上服用する必要がない場合は、処方が終了となることもあるため注意してください。

まとめ

介護老人保健施設は、高齢者の在宅復帰を目標にリハビリテーション・医療ケアを行う施設です。一人ひとりのライフスタイルに合わせ、長期・短期入所や通所など様々な活用方法があります。

初期費用の負担なく入所できる点が魅力であり、集中的なリハビリテーションを始め、ショートステイ・デイケアなど多くの利用方法があります。入所期間をより充実させるためには、入所の目的や退所後の方向性を明確にしておきましょう。

ここまで紹介したことを参考に、高齢者や家族に合った介護施設・介護方法を選択してください。

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