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2021年8月19日

要介護認定とは?押さえたいポイントと申請すべきタイミング

日本では、原則として40歳以上になると介護保険への加入が義務づけられています。しかし、介護保険に入っているからといって、自由に介護保険サービスを受けられるわけではありません。介護保険サービスを利用したいときは、まず要介護認定の申請を行う必要があります。

今回は、要介護認定の概要や調査項目、審査・判定基準について解説します。要介護認定を受けて介護保険サービスを活用すれば、本人だけでなく、家族の経済的負担や心身のストレスも軽減できるでしょう。

要介護認定とは?

要介護認定とは、介護保険サービスの利用を希望する人に対して、どのようなサービスをどの程度行えばよいのか判断するための認定です。要介護認定には「要支援1~2」「要介護1~5」という7段階の区分があります。ほぼ自力で日常生活を過ごせるが多少の介助や介護予防サービスが必要な場合は「要支援」、日常生活に不自由があり何らかの介護を必要とする場合は「要介護」になります。
介護保険は、原則として40歳以上のすべての人が加入する保険制度です。65歳になると介護保険被保険者証が交付されますが、実際に介護保険サービスを利用するためには要介護認定を受ける必要があります。要介護認定を受けたい場合は、まず管轄の自治体窓口に介護保険要介護・要支援認定申請書を提出しましょう。

要介護認定の調査項目

要介護認定の申請を出したら、自治体の調査員やケアマネジャーが本人の自宅あるいは入居施設を訪れて聞き取り調査を行います。要介護認定の判断に必要な基本情報を得ることが、訪問調査の目的です。訪問調査では、日常生活に必要な動作や受け答えがどれくらいできるのかを確認し、以下の項目について聞き取りを行います。

・身体機能と起居動作
・生活機能
・認知機能
・精神・行動障害の有無
・社会生活への適応
・過去14日の間に受けた特別な医療

上記の項目では判定しきれず調査員が重要とみなした事柄や特別な配慮の必要性については、特記事項として記録されます。さらに、介護をしてくれる家族・親族の有無や、すでに利用している介護サービスの状況なども調査内容に含まれます。
訪問調査結果と主治医が作成した意見書に沿ってコンピューターが一次判定を行い、その結果に基づいて介護認定審査会が二次判定を行います。二次判定では、訪問調査の特記事項や主治医意見書なども加味し、保健・医療・福祉の専門家が話し合います。

要介護認定の「審査」「判定」の基準

一次判定の際は、要介護認定等基準時間をコンピューターで推計します。要介護認定等基準時間は、生活や医療など計5項目の介護にかかる時間の合計値です。厚生労働省が定める各介護度の要介護認定等基準時間は、次のとおりです。

介護度要介護認定等基準時間
要支援125分~31分相当
要支援232分~49分相当
要介護132分~49分相当
要介護250分~69分相当
要介護370分~89分相当
要介護490分~109分相当
要介護5110分以上相当
(出典:厚生労働省「要介護認定はどのように行われるか」/https://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/nintei/gaiyo2.html

要介護認定等基準時間は平均的なデータに基づいて算出されているため、実際の介護にかかる時間と一致するとは限りません。つまり、要介護認定等基準時間はあくまでも介護の必要性を判断する一つの指標です。実際の介護度合いの審査・判定にあたっては、「どれだけ介護の手間がかかるのか」が基準となります。

要介護認定で押さえたい3つのポイント

要介護・要支援の区分によって、利用できるサービスの内容や頻度などが変わります。要支援の場合は予防給付を、要介護の場合は介護給付を受けることが可能です。

要介護認定を受けて適切なサービスを利用したいときは、以下で紹介する3つのポイントを押さえておきましょう。

認定結果に納得できない場合は対処法がある

認定結果に納得できないときは、要介護認定結果の通知を受け取った日から3か月以内であれば、介護保険審査会に不服を申し立てることができます。ただし、一度受けた要介護認定を取り消してからあらためて調査・審査を受けるため、結果が出るまでに数か月かかることも少なくありません。
そのため、自治体に区分変更申請を行う方法もあります。本来であれば、区分変更申請は介護度合いが変わったと思われる際に出す申請です。区分変更申請を出すと再度認定調査と判定が行われ、申請から30日以内に結果が郵送されます。ただし、区分変更申請をしたからといって、必ず希望通りの結果になるとは限りません。また、結果の通知を郵送するタイミングは自治体ごとに違います。

40~64歳でも要介護認定を受けられるケースがある

原則として、介護保険サービスを利用できる年齢は65歳以上です。しかし、自立した日常生活が困難な状況が続くと予想される特定疾病にかかっている場合は、40~64歳でも要介護認定を受けることができます。厚生労働省が定める特定疾病は、以下のとおりです。

・がん(医師が一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがない状態に至ったと判断したものに限る。)※
・関節リウマチ※
・筋萎縮性側索硬化症
・後縦靱帯骨化症
・骨折を伴う骨粗鬆症
・初老期における認知症
・進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病※
【パーキンソン病関連疾患】
・脊髄小脳変性症
・脊柱管狭窄症
・早老症
・多系統萎縮症※
・糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症
・脳血管疾患
・閉塞性動脈硬化症
・慢性閉塞性肺疾患
・両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症
(※印は平成18年4月に追加、見直しがなされたもの)
(引用:厚生労働省「特定疾病の選定基準の考え方」/https://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/nintei/gaiyo3.html

このように、脳血管疾患や骨粗鬆症によって骨折した場合など、40~64歳でも特定疾病が原因で要介護認定を受ければ、介護保険が適用されます。

認定結果には有効期間が存在する

要介護認定結果の有効期間は原則として初回認定で6か月、2回目以降の認定で12か月です。自治体の判断によっては、初回認定の場合は3か月~12か月の間、更新認定の場合は3か月~4年の間の月単位で有効期限を決めることができます。

介護保険サービスの利用を継続したい場合、有効期間満了日の前日から起算して60日前から満了日当日までに更新手続きを行いましょう。再度訪問調査や審査を受けると、自治体によって異なりますが、約30日以内に新しい認定結果が通知されます。更新申請手続きにかかる訪問調査や審査の流れは初回申請時と同じです。

有効期間内に更新手続きができなかったときは、あらためて要介護認定を新規で申請する必要があります。更新ではなく新規申請扱いとなると、それまでのケアプランは利用できなくなるため、注意が必要です。

また、病状悪化などによって必要な介護内容が変わった場合は、有効期間の満了日を待たずに区分変更申請を行うことができます。再審査を経て認定区分が変わった際は、変更後の介護度に応じた介護保険サービスを利用することが可能です。

要介護認定を受ける適切なタイミング

要介護認定を受けるタイミングとして多い時期は、「加齢や認知症の進行により自力で生活しにくくなったとき」「現在入院中で退院後に介護が必要になりそうなとき」などです。はっきりしたきっかけがなくても、「なんとなく心配になった」などの理由で要介護認定を申請する人もいます。
しかし、要介護認定を受けるタイミングに明確な決まりありません。介護保険サービスを利用したいと感じたときに、要介護認定を申請すればよいでしょう。

要介護認定を申請するメリット

要介護認定が非該当となった場合は、介護保険サービスを利用できません。また「要介護1と思ったら要支援2だった」というように、認定は出たものの予想より低かったというケースもあります。たとえ予想通りの認定結果ではなかったとしても、要介護認定の申請手続きを通じて介護関連の知識が身に付き、その知識を本人や家族と共有できることは大きなメリットです。地域独自の介護予防サービスや高齢者向けイベントの情報を得れば、社会参加の機会を増やすこともできます。

ただし、要介護認定が非該当でも、事業対象者になると市町村が判定すれば、総合事業のサービスを受けることは可能です。

また、自治体独自のサービスに加えて、民間の介護保険外サービスを利用することもひとつの方法です。民間の介護保険外サービスであれば、要介護認定が非該当でも、さまざまなサポートを受けることができます。通院の付き添いや家事支援など、介護保険サービスにはないサービスが用意されているため、必要に応じて使い分けるとよいでしょう。

まとめ

介護保険サービスを利用するためには、要介護認定を受ける必要があります。自治体に介護保険要介護・要支援認定申請書を提出すると、訪問調査が実施されたのち、コンピューターや専門家による審査判定が行われます。要介護認定結果の通知が来た後は、認定区分に合わせた介護保険サービスを利用することが可能です。

ただし、要介護認定を受けて「非該当」となるケースもあります。非該当となった場合、要介護認定結果に不服申し立てを行ったり、区分変更申請を出したりすることもできますが、介護保険外サービスの利用も検討するとよいでしょう。

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