介護にまつわるお役立ちコラム

身体介護とは?生活援助との違いやサービス内容・費用の目安も解説

公開日:2021年03月04日
更新日:2026年09月24日

在宅で介護を受ける方法の一つに、訪問介護があります。訪問介護では、排泄や入浴などを介助する身体介護と、調理や掃除などを行う生活援助を、本人の状態やケアプランに応じて利用します。

そこで今回は、訪問介護サービスで受けられる身体介護に焦点を当てて、具体的なサービス内容とかかる費用の目安について解説します。これから「自宅で介護を受けたい」「自宅で家族を介護したい」と考えている人は、ぜひ参考にしてください。

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身体介護とは?

身体介護とは、訪問介護サービスのひとつであり、下記のいずれかを行います。

  • 直接利用者の身体に触れて介助する

  • 生活意欲やADL(日常生活動作)を向上させるために、利用者と共に行う

  • 利用者の状態に合わせて、専門的な知識や技術を要する援助・相談・指導を行う

介護保険の訪問介護は、要介護1~5の認定を受けた人が対象です。要支援1~2の人は、自治体が実施する介護予防・日常生活支援総合事業の訪問型サービスを利用する場合があります。

  • 要介護1~5の認定を受けている

  • 要支援1~2の認定を受けている

要支援1~2の人が利用する訪問型サービスは、要介護状態になることの予防や自立した日常生活の支援を目的とします。利用できる回数やサービス内容は、自治体の基準とケアプランによって異なります。

身体介護では、主に下記のサービスが行われます。

  • 食事介助

  • 排せつ介助

  • 入浴介助

  • 着替え介助

  • 体位変換介助

  • 移乗介助

  • その他ケア

各サービスの具体的な内容については後述するため、参考にしてください。

生活援助との違い

生活援助と身体介護の主な違いは、利用者の身体に直接触れて介助するかどうかです。

生活援助は、利用者が日常生活を送るために必要な家事の一部を、訪問介護員が代行するサービスとなっています。そのため、利用者の身体に直接触れて行動を介助することはありません。生活援助では、主に下記のサービスが行われます。

  • 掃除

  • 洗濯

  • 一般的な食事の準備や調理

  • 生活必需品の買い物

  • 薬の受け取り

  • 衣服の整理・補修

ただし、生活援助サービスは、あくまでも利用者本人の生活を援助するためのサービスです。そのため、同居する家族の部屋の掃除や、ペットの世話などは生活援助に含まれません。

身体介護の具体的なサービス内容

身体介護では、ホームヘルパーなどが利用者の身体に直接触れ、日常生活に必要な動作を介助します。利用者の自立を支えるため、状態に応じて見守りや声かけを行い、利用者と一緒に家事などを行う支援も含まれます。

ここでは、身体介護の具体的なサービス内容について解説します。

食事介助

食事介助は、一人で食事をスムーズに行うことが難しい人に対して行われます。下記は、食事介助で行われる主なサービスです。

 

  • 食事の準備

  • 調理

  • 配膳

  • 摂食の介助

  • 服薬の介助

  • 下膳

  • 後片付け

  • 食後の口腔ケア

食事介助では、全面的な摂食介助だけではなく、一部介助や見守り介助など、利用者一人ひとりの摂食能力に合ったサポートが行われます。利用者の状態に合わせて、美味しく楽しく食事が続けられるようにアドバイスやサポートを行うことも食事介助の一部です。

排せつ介助

排せつ介助は、一人で排せつすることが難しい人が、安全かつ衛生的に排せつできるよう支援する介助です。下記は、排せつ介助で行われる主なサービスです。

  • トイレへの移動

  • 衣服の着脱

  • 排せつの手伝い

  • おむつの交換

  • 排せつ物の状態チェック

  • 陰部の洗浄

  • 汚物の始末

  • ポータブルトイレや尿瓶の洗浄

排せつ介助では、人としての尊厳を損なわないように注意しつつ排せつや後始末を手伝い、利用者の身体を衛生的に保ちます。また、利用者の尿や便の色・形状から、健康状態を確認することも排せつ介助の一部です。

入浴介助

入浴介助は、一人でスムーズに入浴できなくなった人に対して行われます。下記は、入浴介助で行われる主なサービスです。

  • 入浴の準備

  • 衣類の着脱

  • 身体の洗浄

  • 洗髪の介助

  • 湯あみ介助

  • 身体の清拭

身体に痛みや麻痺があり入浴が難しい場合は、シャワーチェアや入浴専用ベルトなどの福祉用具を使い、安全に入浴できるよう支援します。身体の洗浄は、本人ができる部分を可能な限り自分で行えるよう介助します。

着替え介助

着替え介助は、一人でスムーズに着替えられなくなった人に対して行われます。下記は、着替え介助で行われる主なサービスです。

  • 衣服の着脱

  • 身体の清拭

  • 服の段差やしわなどのチェック

着替えの動作は手足や指先を動かす機会にもなるため、利用者ができる部分は可能な限り自力で行ってもらいます。寝ている間にも多くの汗をかくため、こまめな着替えと清拭で身体を清潔に保つことが必要です。

 

体位変換介助

体位変換介助は、一人でスムーズに寝返りが打てない人に対して行われます。下記は、体位変換介助で行われる主なサービスです。

  • 寝返り介助

自力で寝返りができない状態が続くと、床ずれなどのリスクが高まるため、体位変換を行います。体位変換の間隔は、皮膚の状態や体調、医療・介護職の指示を踏まえて決め、利用者の意識がはっきりしている場合は意思を確認しながら行います。

移乗介助

移乗介助は、一人でスムーズに移動・乗降が行えなくなった人に対して行われます。下記は、移乗介助で行われる主なサービスです。

  • 起床介助

  • 立ち居の介助

  • 歩行介助

  • 車いすへの移乗介助

  • 車いすでの移動介助

  • 介助機器の点検

移乗介助は、ベッドから車いす、車いすからトイレや浴室など、日常生活で必要な場所へ安全に移るための支援です。利用者の移動能力に合わせて介助し、車いすなどの福祉用具を安全に使える状態か確認します。

その他ケア

先述した介助以外にも、利用者一人ひとりの状態に応じてさまざまな介助が行われます。下記は、その他ケアとして行われる主なサービスです。

  • 利用者が行う家事の見守り・声かけ・手伝い

  • 医師などの指示により行う特別な配慮が必要な食事の準備

  • 服薬介助

  • たんの吸引

  • 経管栄養

  • 投票所への往復介助

  • 通院介助

  • 外出介助

ただし「たんの吸引」や「経管栄養」は、一定の研修を修了し、認定特定行為業務従事者として認定を受けた介護職員等が行えます。外出に伴う介助は、介護保険の訪問介護では、同行できる場所や目的、時間に条件があるため、事前に確認が必要です。

身体介護の利用にかかる費用の目安

身体介護をメインとした訪問介護にかかる費用の目安は、下記の式で算出できます。

サービス種類別料金×利用時間+その他料金(緊急時訪問介護加算など)

一般的に介護保険を利用して身体介護を受ける場合、自己負担額は利用料金の1割分です。ただし、利用者に一定以上の所得があり、「第一号被保険者」に該当する場合は、自己負担額の割合が2~3割となるため注意しましょう。

また、利用者が介護保険サービスを申請する市区町村や介護サービスを利用する事業者によって、サービスごとの単位数・料金設定が異なります。下記は、自己負担額の割合が1割であった場合、1回あたりの利用にかかる費用の一例です。

サービス種類

利用時間

自己負担額(1割)

身体介護0

20分未満

195円

身体介護1

20分以上30分未満

245円

身体介護2

30分以上60分未満

390円

身体介護3

60分以上90分未満

580円

以降30分増すごとに

85円

上記の料金設定で、1割負担・週2回・1日50分の身体介護2のサービスを利用した場合、1カ月にかかる自己負担額は3,120円となります。

実際に訪問介護サービスを受ける場合は、上記の身体介護に加えてその他料金や生活援助の費用が加算されることがほとんどです。サービスを利用する前に、居住地域の費用相場と各事業所で設定されているサービスの種類別料金やその他料金をチェックするとよいでしょう。

また、介護保険外のサービスを併用する場合は、介護保険の自己負担額とは別に、そのサービスの利用料金がかかります。料金体系や対応内容は事業者ごとに異なるため、複数の事業者を比較しましょう。

まとめ

訪問介護における身体介護は、利用者の身体に直接触れ、動作や移動などの日常生活を支える介助です。生活援助は、掃除、洗濯、調理などの家事を支援します。在宅生活では、身体介護と生活援助の両方が必要になる場合もあります。

また、介護員が所定の研修を修了して認定を受けていれば、たんの吸引や経管栄養といった医療ケアを行うこともできます。身体介護の利用者負担は、要介護度、利用時間、地域区分、加算などで変わります。事業所ごとの対応内容や料金を事前に確認し、複数の事業所を比較して選びましょう。

イチロウは介護保険では利用できない介護や家事サービスをお客様のご要望に合わせてご提供
監修者情報
天晴れ介護サービス総合教育研究所株式会社 代表取締役

京都大学経済学部卒業後、特別養護老人ホームに介護職として勤務。社会福祉法人、医療法人にて、生活相談員、グループホーム、居宅ケアマネジャー、有料老人ホーム、小規模多機能等の管理者、新規開設、法人本部の仕事に携わる。15年間の現場経験を経て、平成27年4月「介護現場をよくする研究・活動」を目的として独立。介護福祉士、介護支援専門員 執筆、研修講師、コンサルティング活動を行う。著書、雑誌連載多数(日総研出版、中央法規出版、ナツメ社など)。年間講演、コンサルティングは300回を超える。ブログ、facebookはほぼ毎日更新中。オンラインセミナー、YouTubeでの配信も行っている。 天晴れ介護サービス総合教育研究所オフィシャルサイト https://www.appare-kaigo.com/ 「天晴れ介護」で検索

 

榊原宏昌(さかきばらひろまさ)
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