介護にまつわるお役立ちコラム
デイサービスで入浴のみの利用はできる?必要な料金と利用の流れをわかりやすくご紹介
自宅での入浴に不安を感じている要介護者やその家族にとって、デイサービスで安心・安全に入浴できることは大きなメリットです。本記事では、デイサービスで入浴のみを利用したい方に向けて、入浴特化型デイサービスや半日デイサービスの特徴、料金体系、利用の流れ、メリット・デメリットなどを詳しく解説します。自宅での入浴が難しくなった要介護者や、その介護に悩むご家族の方は、ぜひ参考にしてみてください。
デイサービスは、食事や排せつ、レクリエーションなどさまざまなサービスを提供しており、入浴のみの利用も可能です。自宅での入浴が難しくなった要介護者にとって、デイサービスで安心・安全に入浴できることは大きなメリットといえるでしょう。
ただし、入浴のみの利用ができるのは原則、要介護1〜5の認定を受けている方に限られます。要支援1・2と判定された方は、デイサービスを利用することができません。ただし、自治体が管理する「介護予防・日常生活支援総合事業」に申請しているデイサービスであれば、要支援の方も利用できます。
いずれにしても、介護支援計画やデイサービスの運営形態によって利用できるかが決まるため、担当のケアマネジャーに確認するようにしましょう。
入浴特化型デイサービスは、文字通り入浴の支援のみに特化したサービスです。食事やレクリエーションは提供せず、入浴介助に専念することで、より質の高い入浴支援を実現しています。
利用時間は午前や午後の短時間のみで、利用者も十数名程度と小規模な施設が多いのが特徴です。集団行動が苦手な方や、訪問介護に抵抗がある方などに適したサービスといえるでしょう。
半日型デイサービスとは、午前か午後のどちらかの時間帯を選んで利用するデイサービスのことです。送迎車で施設に通い、入浴やレクリエーション、機能訓練などのサービスを受けられます。
食事の提供は基本的にありませんが、施設によっては軽食が出る場合もあります。半日型は、入浴特化型と比べると事業者数が多いため、利用しやすいというメリットがあります。長時間のデイサービス利用に抵抗がある方や、時間を有効に使いたい方に向いているサービスです。
デイサービスで入浴のみを利用する場合の料金は、1回あたり500〜700円程度が一般的です。介護保険の適用を受けられる部分と、自己負担となる部分があるので、それぞれ詳しく見ていきましょう。
介護保険が適用されるのは、基本的な利用料と入浴介助加算です。利用料は、デイサービスの滞在時間や送迎、レクリエーションなどに対して請求される料金で、要介護度に応じて1回の利用に必要な単位数が決まっています。
また、入浴介助を行うと、サービス提供体制強化加算として40〜55単位が上乗せされます。1単位は10〜11円程度であるため、400〜600円ほどですが、自己負担額が1割の場合は50円程度で入浴可能です。
一方、介護保険が適用されないのは、食費とその他の実費です。食費は施設側が自由に設定できるため、500〜1,000円程度とばらつきがあります。
その他実費とは、歯ブラシやおむつなど、施設が用意する日用品の費用のことです。利用者が持参すれば、費用はかかりません。利用する場合の目安は、数百円程度です。
以上のように、デイサービスでは入浴のみの利用が可能で、要介護者の状態に合わせて柔軟にサービスを選ぶことができます。料金についても、介護保険の適用範囲を理解したうえで、施設との相談をしっかり行えば、無理のない利用が可能でしょう。自宅での入浴に不安を感じる方は、ぜひデイサービスの活用を検討してみてください。
デイサービスを入浴のみで利用する場合、以下のような流れになります。
- 要介護認定を受ける
- 担当ケアマネジャーを決める
- ケアマネジャーに入浴のみ利用できるデイサービスを紹介してもらう
- サービス担当会議での説明に合意する
- デイサービスの利用開始
まず、デイサービスを利用するには要介護認定を受ける必要があります。要支援1・2の方や自立の方は原則、利用できません。認定を受けたら、担当のケアマネジャーを決めます。ケアマネジャーに、自宅での入浴が難しい状況や、デイサービスで入浴のみの利用を希望していることを伝えましょう。
ケアマネジャーは、利用者の状況に合わせて、入浴のみ利用できるデイサービスを探し、紹介してくれます。気になる施設があれば、見学や体験利用も可能です。
利用するデイサービスが決まったら、ケアプランに組み込まれ、サービス担当者会議が開かれます。ここでは、デイサービスの利用日や、持ち物、送迎の有無などを確認し、合意します。
これらの手続きが完了したら、いよいよデイサービスの利用が始まります。スタッフの指示に従って、安全に入浴を楽しみましょう。
デイサービスでは、利用者の状態に合わせてさまざまな入浴方法が用意されています。主なものは、個別浴槽、大浴場、機械浴の3種類です。
個別浴槽は、一般家庭にあるような浴槽を使った入浴方法です。浴槽が小さめなので、手足を伸ばしづらく、溺れるリスクが少ないのが特徴です。手すりや福祉用具を活用することで、介護度が高い方でも利用可能です。
大浴場は、複数の利用者が同時に入浴できる大きな浴槽のことです。ゆったりとした造りで開放感があり、温泉気分を味わえます。ただし、広い分、溺れるリスクもあるので注意が必要です。
機械浴は、専用の機械を使った入浴方法の総称で、チェアー浴、リフト浴、ストレッチャー浴の3種類があります。
- チェアー浴
チェアー浴は、専用の車椅子に座ったまま入浴する方法です。浴槽の側面が開閉式になっており、車椅子ごと浴槽に入れます。座位が安定している方に適しています。
- リフト浴
リフト浴は、天井走行リフトを使って、座位や臥位の状態で入浴する方法です。リフトの操作により、無理のない姿勢で湯船に入ることができます。
- ストレッチャー浴
ストレッチャー浴は、ストレッチャー(簡易ベッド)に寝た状態で入浴する方法です。ストレッチャーを昇降させ、湯船に入れます。寝たきりの方でも入浴できるのが最大の利点です。
機械浴は、介護する側の負担も大幅に軽減できるので、重度の要介護者に適したサービスといえるでしょう。
デイサービスで入浴のみを利用することには、いくつかのメリットがあります。自宅での入浴が困難な状況を解消できることや、家族や介護者の負担を軽減できること、そして他の利用者やスタッフとの交流ができることなどが挙げられます。
自宅の浴室は、段差があったり、脱衣所や浴槽内が狭かったりと、要介護者にとって入浴が難しい環境であるケースが多くあります。家族だけで介助するには限界がある場合も少なくありません。
しかし、デイサービスの多くは、バリアフリー設計の浴室や、介護用の設備が整っています。手すりの設置や、滑りにくい床材の使用など、安全面に配慮がなされているのが特徴です。また、介護スタッフがサポートしてくれるので、要介護者は安心して入浴を楽しむことができます。
在宅介護では、家族や介護者が常に付き添う必要があるため、身体的にも精神的にも大きな負担がかかります。特に入浴介助は、介助する側の体力を必要とするため、負担が大きい介護動作の一つとされています。
デイサービスを利用することで、要介護者が施設にいる間は、家族や介護者が自分の時間を持てるでしょう。休息を取ったり、趣味や買い物などを楽しんだりと、リフレッシュの機会が得られるのです。
また、介護から解放される時間ができることで、仕事と介護の両立もしやすくなるでしょう。家族や介護者の心身の健康を維持するためにも、デイサービスの活用は有効といえます。
高齢者は、加齢に伴って外出の機会が減り、家に引きこもりがちになることが少なくありません。デイサービスに通うことは、高齢者にとって貴重な外出の機会となります。
デイサービスでは、他の利用者やスタッフとの会話を楽しんだり、一緒にレクリエーションに参加したりと、さまざまな交流の場があります。同世代の利用者と過ごす時間は、高齢者にとって刺激になり、生活に張り合いが生まれます。
また、スタッフとの会話を通して、高齢者の様子や健康状態を確認することもできます。変化に気づきやすく、必要なケアにつなげやすいといえるでしょう。
デイサービスで入浴のみを利用する場合のデメリットとしては、感染症のリスクがあることや、体調によっては入浴を見送らざるを得ないことなどが挙げられます。
デイサービスの入浴では、複数の利用者が同じ浴室や脱衣所を使用するため、感染症が広がるリスクがあります。特に、インフルエンザや感染性胃腸炎などが流行する時期は、細心の注意が必要です。
ただし、多くのデイサービスでは、消毒や清掃の徹底、換気の実施など、感染対策に力を入れています。また、発熱や体調不良の利用者は、入浴を控えてもらうなどの配慮もされています。
デイサービスでは、入浴前に必ず体調チェックを行います。血圧や脈拍、体温などを測定し、いつもと違う様子がないかを確認するのです。
体調に異常が見られた場合は、入浴を見送ることがあります。その場合、利用者は部分浴や清拭などで対応することになります。入浴を楽しみにしていた利用者にとっては、残念な思いをすることになるかもしれません。
ただし、体調管理は何より優先されるべき事項です。入浴を見送ることは、利用者の安全を守るための措置といえるでしょう。
なお、多くのデイサービスでは、入浴中止となった場合、部分浴や清拭、着替えまでのサービスを行っています。利用者の清潔保持に努め、できる限りの配慮がなされているといえます。
訪問介護サービス「イチロウ」は、介護保険では対応できない幅広いサービスを提供しています。その中でも、特に入浴介助は利用者のニーズが高いサービスの一つです。
イチロウでは、365日24時間、ご自宅で入浴介助を受けることができます。介護保険の訪問介護では、サービスの時間や内容に制限がありますが、イチロウではそういった制約なく、利用者の希望に合わせたオーダーメイドの入浴介助が可能です。
例えば、介護保険では対応が難しい早朝や深夜の時間帯の入浴介助や、長時間の見守りを必要とする入浴介助なども、イチロウなら柔軟に対応できます。また、入浴だけでなく、その前後の着替えの介助や、髪を乾かすなどの細やかなケアも行ってくれるのが特徴です。
料金については、介護保険が適用されないため全額自己負担となりますが、利用する時間や地域によって異なります。例えば東京都の場合、1時間あたり3,190円(税込)からとなっています。デイサービスの入浴と比べると、料金は高めですが、マンツーマンで手厚いサービスを受けられる分、満足度は高いと言えます。
また、認知症の方の入浴介助も積極的に行っているのがイチロウの特徴です。認知症の方は、慣れない場所での入浴を嫌がることが多いため、自宅で安心して入浴できることがメリットと言えるでしょう。
デイサービスでは、要介護者の状態に合わせて、入浴のみの利用も可能です。入浴特化型デイサービスや半日デイサービスを活用することで、自宅での入浴困難を解消し、家族の介護負担を軽減することができるでしょう。また、デイサービスには個別浴槽や機械浴など、さまざまな入浴設備が整っているため、利用者一人ひとりに適した入浴方法を選べるのも大きな魅力です。
利用にあたっては、要介護認定を受け、ケアマネジャーと相談しながら、適切な施設を選ぶことが大切です。料金については、介護保険の適用範囲を確認し、施設との十分な相談が必要となります。デイサービスの入浴には、感染症のリスクや体調面での制約といったデメリットもありますが、施設側の対策や配慮により、安全面は十分に確保されています。
自宅での入浴に限界を感じたら、デイサービスという選択肢を検討してみてはいかがでしょうか。介護のプロによる安心のサービスを受けられる他、新たな交流の機会にもなるはずです。
また、介護保険外の訪問入浴サービス「イチロウ」のような柔軟できめ細やかなサービスも視野に入れると、在宅介護の選択肢がより広がるでしょう。