介護にまつわるお役立ちコラム
絶対失敗しない訪問介護の選び方|サービス内容と費用を紹介
介護が必要な状況になると、どのような介護サービスを選べばよいのか悩むことも多いのではないでしょうか。その中でも、自宅で受けられる訪問介護は人気の選択肢の一つです。しかし、訪問介護サービスを提供する事業者は数多くあり、どこに依頼すればよいのか迷ってしまいますよね。そこで今回は、訪問介護の概要やサービス内容、料金体系など、訪問介護を選ぶ際に知っておくべき情報をまとめました。この記事を読めば、あなたに合った訪問介護サービスが必ず見つかるはずです。
訪問介護について、まずはその概要を理解することが大切です。ここでは、訪問介護の基本的な仕組みや利用対象者、サービスを受けるまでの流れについて説明します。
訪問介護とは、要介護者の自宅に介護福祉士やホームヘルパーが訪問し、身体介護や生活援助などのサービスを提供することです。利用者が住み慣れた環境で自立した生活を送れるよう、日常生活をサポートするのが目的です。
訪問介護には、介護保険の適用を受けられる保険内サービスと、全額自己負担となる保険外サービスがあります。保険内サービスは1~3割の自己負担で利用できますが、利用回数や時間に制限があります。一方、保険外サービスは利用者の要望に合わせて柔軟に対応できるメリットがある反面、費用は全額自己負担です。例えば、急な予定変更でヘルパーの派遣を依頼する場合、保険内サービスでは対応が難しいですが、保険外サービスなら可能です。介護保険の利用を基本としつつ、状況に応じて保険外サービスを上手く活用することで、家族の負担を大きく軽減できるでしょう。
介護保険の適用を受けられる訪問介護の利用対象となるのは、要介護1から5までの認定を受けた人です。要介護認定は、介護が必要な度合いを表すもので、要支援1・2、要介護1~5の7段階に分かれています。
このうち、訪問介護が利用できるのは要介護1以上の人ですが、要支援1・2の人も、市町村が運営する介護予防・日常生活支援総合事業の中で「訪問型サービス」を利用することができます。ただし、このサービスは介護予防が目的のため、利用できる回数が制限されているので注意が必要です。
介護保険適用の訪問介護の利用までの流れは、以下の通りです。
- 1. 要介護認定の申請:介護が必要だと思ったら、まずは住んでいる地域の窓口に要介護認定の申請を行います。
- 2. 認定調査:申請 後、市町村の調査員による認定調査が行われます。
- 3. 要介護度の認定:認定調査の結果をもとに、介護認定審査会で要介護度が認定されます。
- 4. ケアプランの作成:要介護と認定されたら、ケアマネ ジャーと相談してケアプランを作成します。
- 5. サービス事業者との契約:ケアプランをもとに、利用したい訪問介護事業者と契約を結びます。
- 6. サービス開始:事業者との契約が済めば、いよいよ訪問介護のサービスが開始されます。
介護保険適用の訪問介護を利用するには、このような流れを踏む必要があります。
訪問介護には、大きく分けて身体介護、生活援助、医療行為ではないとされるケアの3種類があります。それぞれの特徴やサービス内容について、詳しく見ていきましょう。
身体介護は、要介護者の身体に直接触れて行うサービスで、主に以下のような介助が含まれます。
- 入浴介助(全身浴、部分浴、清拭など)
- 排泄介助(トイレ介助、おむつ交換など)
- 食事介助(配膳、食べさせ介助、後片付けなど)
- 衣服の着脱介助
- 体位変換、移動・移乗介助
- 服薬介助
このうち、医療行為に当たるものを除き、身体介護で行えることと行えないことをまとめると以下のようになります。
行えること | 行えないこと |
整髪、ひげそり、爪切り | 散髪 |
車椅子での移動や歩行介助・付き添い | ヘルパーの自家用車での運転・送迎 |
食事介助・見守り | |
薬の飲み忘れの確認 | |
オムツ交換、排せつ介助 |
身体介護の利用料金は、利用時間によって異なりますが、おおよそ以下の相場となっています。(1割負担の場合)
20分未満 | 163円 |
20分以上30分未満 | 244円 |
30分以上1時間未満 | 387円 |
1時間以上 | 567円(30分を増すごとに+82円) |
※自己負担額(1割負担の場合)
生活援助は、要介護者の自立した生活を送るための手助けを行うサービスです。主な内容は以下の通りです。
- 調理(献立作成、買い物、調理、配膳、後片付けなど)
- 掃除(居室、トイレ、浴室など)
- 洗濯(衣類の洗濯、干す、取り込み、収納など)
- ベッドメイキング
- 薬の受け取り
- 衣類の補修(ボタン付けなど)
介護保険適用の訪問介護の生活援助で行えることと行えないことは、以下のようになっています。
行えること | 行えないこと |
要介護者本人の食事の支度 | 同居家族の食事の支度 |
要介護者の衣類の洗濯 | 同居家族の衣類の洗濯 |
要介護者の居室やトイレ等の掃除 | 同居家族の部屋や家全体の掃除 |
日用品の買い物代行 | 家族のための買い物代行 |
薬の受け取り | お金の管理 |
生活援助の利用料金は、身体介護に比べると安価で、以下の通りになります。
20分以上45分未満 | 179円 |
45分以上 | 220円 |
※自己負担額(1割負担の場合)
医師の指示があるもの以外で、医療行為とまではいかないが専門的な判断を要するケアもあります。これらのサービスは、ヘルパーが一定の研修を受けていれば提供できる場合がありますが、事業所によって対応できる範囲は異なります。
主なサービス内容と、提供可否の目安は以下の通りです。
行えること | 行えないこと |
爪に異常のない場合のつめ切り | 傷の処置、褥瘡の処置 |
ストーマのパウチに溜まった排せつ物の処理 | 歯石の除去 |
軟膏の塗布、湿布の貼り付け | インスリン注射 |
市販のグリセリン浣腸 | 摘便 |
これらのサービスが必要な場合は、事前に訪問介護事業所に確認しておく必要があります。なお、これらのケアは医療行為ではないとされているため、基本的に介護保険の適用対象となり、利用料は身体介護に準じます。
高齢者が住み慣れた自宅で安心して暮らすためには、適切な訪問介護サービスを選ぶことが大切です。ここでは、サービス選びの際に役立つ情報源や、確認すべきポイントについて解説します。
訪問介護を利用する際は、まずは担当のケアマネジャーに相談しましょう。ケアマネジャーは介護の専門家であり、利用者や家族の希望をもとに、適切なサービス事業者を選定するためのアドバイスをしてくれます。実際にサービスを利用している人の評判や、事業者の運営状況など、事業者選びに役立つ情報を提供してくれることもあります。信頼できるケアマネジャーに相談することが、良質な訪問介護サービスにつながるでしょう。
事業者選びの際は、「介護サービス情報公表システム」も活用しましょう。これは、全国の介護サービス事業所の情報を閲覧できるウェブサイトで、サービス内容や料金、職員体制などの情報を確認できます。事業所を比較検討する際に役立つツールですが、あくまで参考程度に捉え、実際の見学やスタッフとの面談を通じて、事業所の雰囲気や方針をしっかりと確かめることが大切です。
実際にサービスを利用している人から、事業所の評判を聞くのも一つの方法です。知人や近所の人、地域包括支援センターの職員など、身近な人から情報を集めてみましょう。複数の事業所を比較検討することで、自分に合ったサービスを見つけやすくなります。その際は、サービス提供時間や頻度が適切か、ケアプランに沿ったサービスが実施されているかなども確認しておくと良いでしょう。
訪問介護を利用する本人の意向を尊重することも大切なポイントです。事業所選びの際は、ヘルパーの年齢や性別、人柄など、利用者本人の希望を確認しておきましょう。実際にサービス提供を受ける前に、ヘルパーとの顔合わせの機会を設けてもらい、相性を確かめておくことをおすすめします。利用者本人が安心してサービスを受けられる環境を整えることが何より重要です。
訪問介護の利用開始時は比較的軽度の要介護状態でも、時間の経過とともに心身の状態が変化していくことがあります。利用者の状態に合わせて、柔軟にサービス内容を変更できる事業所を選ぶことが大切です。例えば、現在は掃除や調理などの生活援助中心でも、将来的には入浴介助や排泄介助などの身体介護が必要になる可能性も考慮し、それらのサービスにも対応できる事業所を選びましょう。先を見据えたサービス選びが、安心につながります。
訪問介護事業所を選ぶ際は、以下のようなポイントに注目しましょう。
- サービスの内容と費用について明確な説明があるか
- 複数の事業所の情報を比較しているか
- 適切なサービスが実行されているか
- 利用者の希望に応じたヘルパーの変更は可能か
- 緊急時や急な予定変更の際の対応方法が明確か
- 苦情の窓口と解決までの流れが示されているか
- スタッフの人数や常勤・非常勤の割合
- 介護福祉士などの有資格者の人数
- スタッフの言葉遣いや態度は丁寧か
このようなポイントを確認し、納得のいく事業所を選びましょう。信頼できる事業所を見つけることが、利用者や家族の安心につながります。
訪問介護は在宅介護の中核をなすサービスですが、利用者や家族にとってのメリットとデメリットを理解しておくことが大切です。ここでは、訪問介護を利用することで得られる利点と、サービスのデメリットについて説明します。
訪問介護の最大のメリットは、利用者が住み慣れた自宅で介護を受けられることです。新しい環境に適応するストレスを感じることなく、安心して暮らし続けることができます。
また、デイサービスなどの通所介護と比べると利用料金が安く、経済的な負担が少ないのも魅力です。自宅での介護であれば、移動の負担もないため、体力的にも負担が少なくて済むでしょう。そして何より、利用者のペースや希望に合わせて、きめ細かなサービスを受けられる点が大きなメリットといえます。
一方で、訪問介護にはいくつかのデメリットもあります。まず、サービスを利用できる回数や時間が限られている点です。1日に何度も、あるいは長時間の介護を受けることは難しく、家族等の協力が不可欠となります。
また、自宅にヘルパーが入ることへの抵抗感から、精神的なストレスを感じる利用者もいるでしょう。そのほか、自宅が介護に適した環境になっていない場合、手すりの設置や段差の解消など、バリアフリーのための工事が必要になることもあります。訪問介護を利用する際は、これらのデメリットも考慮しながら、利用者や家族の状況に合ったサービス利用を検討することが大切です。
介護保険サービスの訪問介護では対応できないことが多いと感じている方におすすめなのが、民間の訪問介護サービス「イチロウ」です。イチロウなら、介護保険の範囲外となるサービスにも柔軟に対応してくれます。
例えば、介護保険の訪問介護では利用者以外の家族の分の家事援助は受けられませんが、イチロウなら家族分の食事の支度や洗濯物の対応も依頼できます。また、ペットの世話や庭の手入れ、大掃除など、日常生活に必要な幅広いサポートを受けられるのが特徴です。急な予定変更やスケジュール調整にも臨機応変に対応してくれるので、いざという時にも安心です。
イチロウの料金体系は都道府県ごとに異なりますが、例えば東京都の場合、1時間あたりの基本料金は3,190円からとなっています。介護保険サービスの自己負担額と比べると割高に感じるかもしれませんが、利用者のニーズに合わせたオーダーメイドのサービスを受けられる点は大きなメリットといえるでしょう。日々の暮らしの中のちょっとした困りごとの解決に、イチロウのサービスを活用してみてはいかがでしょうか。
訪問介護は、多様なサービス内容や柔軟な利用方法が特徴の在宅介護サービスです。利用者の希望やニーズに合わせてケアプランが作成されるため、安心して利用することができます。一方で、サービス提供時間の制限や、自宅での介護環境の整備など、いくつかの課題もあります。
訪問介護事業者の選び方のポイントは、ケアマネジャーからアドバイスを受けることと、事業所の評判を参考にすること、そして利用者本人の意向を尊重することです。将来的な心身の変化も見据えながら、利用者と事業者の相性を見極めることが大切といえるでしょう。
介護保険の訪問介護では対応が難しいニーズにお困りの方は、民間の訪問介護サービス「イチロウ」の利用も検討してみてください。保険外のサービスにも対応してもらえるので、利用者や家族の負担を大幅に軽減できる可能性があります。
訪問介護は、利用者の尊厳を大切にしながら、住み慣れた自宅での生活を支えるためのサービスです。適切な事業者を選び、必要なサービスを受けることで、利用者もその家族も、安心して充実した日々 を過ごせるようサポートしてくれるはずです。