介護にまつわるお役立ちコラム
デイサービスに行きたがらない女性|対処法や通いやすいデイサービスの探し方を解説
親が高齢になり介護が必要と感じたら、デイサービスの利用を勧めたいとお考えの方も多いでしょう。しかし、女性の中には「デイサービスには行きたくない」と拒否する方がいるのも事実です。
皆さんも「どうしてデイサービスに行きたがらないの?」と悩んだ経験はありませんか?その理由を知り、適切な対処法を学ぶことが、デイサービス通いへの第一歩になります。
この記事では、女性がデイサービスを拒否する理由と、スムーズに通ってもらうためのポイントを解説します。家族の方も一緒に読んで、介護への不安を解消しましょう。最後まで読めば、あなたに合ったデイサービス選びのコツが身につくはずです。
デイサービスは高齢者の介護予防や生活の質の向上に役立つサービスですが、利用を拒否する方も少なくありません。特に女性の場合、新しい環境への不安や他人の世話を受けることへの抵抗感から、デイサービスへの送り出しに難色を示すケースがあります。
高齢者や認知症の方がデイサービスを嫌がる理由はさまざまですが、代表的なものとしては、以下のものがあります。
- 慣れない環境への不安
- 知らない人に世話をされるのが苦手
- デイサービス内の人間関係がうまくいかない
- 家で自由に過ごしたい
- 認知症や記憶障害などを抱えている
また、認知症や記憶障害を抱えている方は、新しい場所に混乱や不安を感じやすいという特徴もあります。それぞれについて解説します。
新しい環境に対して積極的に飛び込める人もいる一方で、知らない人がいる場所にストレスを感じる人もいます。特に人見知りの傾向があったり、社交性に不安を抱えたりしている方は、デイサービスへのハードルが高くなるかもしれません。
慣れ親しんだ自宅から外に出ること自体が負担になり、デイサービスでの集団生活に馴染めないと感じている高齢者も少なくありません。環境の変化に敏感な方にとっては、デイサービスは精神的な負担が大きい場所と捉えられがちです。
一人での生活が難しくなってきた高齢者でも、他人の世話を受けることに抵抗を感じる方は多いものです。
特に自立心の強い方は、自分にできないことを他人に見られるのが辛いと感じるかもしれません。プライドが高い人ほど、知らない人に弱みを見せたくないという気持ちが働くのです。
また、世話をしてもらうことで相手に負担をかけていると感じ、申し訳ない気持ちになる方もいます。デイサービスのスタッフに遠慮してしまい、必要な介助を受けられないケースもあるでしょう。
デイサービスには複数の利用者がおり、時には相性の良くない方と過ごさなければならないこともあります。
トラブルが発生したり、性格が合わないと感じる利用者がいたりすると、デイサービスに行く楽しみが減ってしまうかもしれません。高齢者にとって、人間関係のストレスは心身の負担になりやすいのです。
またスタッフとの相性が良くないと感じる場合も、デイサービスへの拒否感につながる可能性があります。
デイサービスでは集団での行動が基本となるため、家で過ごす時間よりも自由度が低下してしまいます。それまで自分の好きなように時間を使っていた人にとっては、我慢を強いられる場面が増え、苦痛に感じるかもしれません。
また、デイサービスで提供されるレクリエーションが本人の好みに合わないと、楽しめずに「行きたくない」と拒否する原因になります。強制的に参加させられるようでは、かえってストレスが増してしまうでしょう。
認知症の方や記憶障害のある高齢者は、新しい場所に対して混乱したり不安を感じたりしやすい特徴があります。
慣れない環境に適応するのが難しく、「どこに連れて行かれるのか分からない」という恐怖心から、デイサービスを拒否するケースも。家族の説明を理解できなかったり、送迎の車に乗ることを嫌がったりする場合は、認知症の影響を考慮する必要があります。
介護が必要な親を自宅で支える家族にとって、デイサービスは大きな味方となるサービスです。ここでは、高齢者がデイサービスに通うことで得られる主なメリットを紹介します。
- 高齢者の心身の健康維持に役立つ
- 家族の介護負担を軽減できる
- 安心して入浴できる
下で詳しく説明しますので、介護の負担を一人で抱え込まずに、上手にサービスを活用していきましょう。
デイサービスでは、施設によりますが理学療法士や作業療法士による機能訓練やレクリエーションが行われます。定期的な運動は、筋力や柔軟性の維持・向上に役立ち、転倒予防にもつながるでしょう。。
また、デイサービスでのレクリエーションや食事の時間は、他の利用者との自然な交流の場となります。同世代の仲間と楽しく過ごすことで、閉じこもりがちな高齢者も心が開放的になるでしょう。
さらに人との関わりは、脳の刺激にもなります。会話をしたり、頭を使うゲームをしたりすることで認知機能の低下を防ぎ、認知症の進行を遅らせる効果も期待できます。
高齢者がデイサービスに通っている間は、家族が自分の時間を持つことができます。休息を取ったり、趣味に時間を使ったり、友人と会ったりするのもこの時間です。
在宅介護は肉体的にも精神的にも負担が大きいもの。介護疲れが蓄積すると、介護する側の健康を損ねるリスクがあります。
介護者が倒れてしまっては、要介護者も困ってしまいます。介護と自分の生活のバランスを取るためにも、デイサービスを有効に活用し、負担を分散することが大切です。
デイサービスの中には、入浴介助のサービスを提供している施設もあります。
自宅では一人で入浴させるのが不安という方も、デイサービスなら安心です。介護職員が必要に応じて介助を行い、安全に入浴することができます。
また、自宅と異なる環境で入浴することで、気分転換にもなるでしょう。清潔を保つことは、高齢者の健康維持に欠かせません。
デイサービスに行くことを頑なに拒否する高齢者に対して、無理矢理説得しようとしても逆効果になることが多いものです。
大切なのは、なぜデイサービスに行きたがらないのか、その理由をしっかりと考えることです。高齢者の気持ちに寄り添いながら、デイサービスに通うことのメリットを伝え、少しずつ通所への抵抗感を和らげていくことが必要でしょう。
ここでは、デイサービスを拒否する高齢者への対処法をいくつか紹介します。状況に合わせて、適切な方法を探ってみてください。
デイサービスへの通所を強要するのは避けましょう。本人の意思を尊重し、「行きたくない」という気持ちを受け止めることが大切です。
無理強いをせず、高齢者の思いを認めてあげることで、「自分の気持ちを大切にしてくれる人がいる」と実感できます。すると、デイサービスへの拒否感が和らぎ、通所を受け入れてくれる可能性も高まります。
また、しばらくデイサービスを休んでみるのも一つの方法です。気持ちにゆとりができれば、また行ってみようと思えるかもしれません。あくまで本人の意思を尊重することを忘れないでください。
デイサービスのスタッフに、高齢者が行きたがらない理由を相談してみましょう。
本人の好みに合わせて、レクリエーションや活動内容を変更してもらえるかもしれません。「今日はこれがしたい」という要望を取り入れてもらえれば、デイサービスが楽しみになるはずです。
また、行きたくない理由が分からない場合も、スタッフから見た高齢者の様子を聞くことで、ヒントが得られるかもしれません。一緒に解決策を考えてもらいましょう。
デイサービスへの通所が負担に感じられているなら、利用する曜日や時間を変更するのも一案です。
たとえば、朝の準備が大変だという方は、少し遅い時間からの利用に変更してもらうことで、通いやすくなるかもしれません。
また、特定の利用者との相性が良くないことが理由なら、その人と重ならない曜日に変更するのも効果的でしょう。柔軟にスケジュールを調整することで、ストレスを軽減できます。
現在のデイサービスにどうしても馴染めないようであれば、ほかの施設を探してみるのもよいでしょう。
雰囲気や職員の対応、プログラムの内容など、施設によって特色はさまざまです。今より自分に合った施設が見つかれば、デイサービスに通う楽しみが生まれるかもしれません。
ケアマネジャーに相談して、高齢者の興味や性格に合いそうな施設を紹介してもらうとよいでしょう。見学を重ねて、本人が納得できる施設を選ぶことが大切です。
デイサービスに行きたがらない高齢者の気持ちを受け止めつつ、それでも通所することの大切さを伝えていく必要があります。
そのためには、本人の興味や好みに合ったデイサービスを選ぶことが重要です。「行ってみたい」と思えるような魅力的な施設を見つけることで、デイサービスへの抵抗感を和らげることができるでしょう。
ここでは、高齢者に合ったデイサービスを探すためのポイントを3つ紹介します。ケアマネジャーと相談しながら、最適な施設を見つけていきましょう。
近年、高齢者の多様なニーズに応えるため、さまざまなタイプのデイサービスが増えています。
料理や園芸、音楽など、特定の趣味に特化したプログラムを提供する施設もあります。好きなことに没頭できる環境であれば、デイサービスに通う楽しみが生まれるはずです。
また、食事やお風呂にこだわりを持つデイサービスもあります。おいしい食事が楽しみになったり、ゆったりとくつろげる個浴があったりと、魅力的なサービスが利用者を引きつけています。
本人の興味や関心事をヒントに、それらを満たしてくれる施設を探してみてください。
利用者の状態に合わせて、適切なケアを提供してくれる施設選びも大切です。
認知症の方向けのデイサービスでは、専門のスタッフが症状に合わせた対応をしてくれます。グループホームと同じ少人数制で、落ち着いた環境の中でゆったりと過ごすことができるでしょう。
また、機能訓練に力を入れているデイサービスもあります。理学療法士や作業療法士による専門的なリハビリテーションを受けられるため、心身機能の維持・向上を目的とする方におすすめです。
介護度が高く、医療的なケアが必要な方は、看護師が常駐しているデイサービスを選ぶと安心です。
どんなに評判のいいデイサービスでも、本人の感覚に合わなければ意味がありません。
契約する前に、必ず見学に行きましょう。実際の雰囲気を肌で感じることで、利用者の視点で施設の良し悪しを判断することができます。
見学の際は、次のような点をチェックしてみてください。
- 施設内は清潔で、利用者が快適に過ごせるような環境か
- スタッフの対応は丁寧で、利用者に寄り添う姿勢があるか
- 他の利用者の表情は明るく、生き生きとしているか
気になることがあれば、その場で質問をして解消しておきましょう。見学を重ねることで、利用者本人も「ここなら通ってみたい」と思えるようになるはずです。
デイサービス選びは、利用者にとって大きな決断です。本人の気持ちに寄り添いながら、一緒に納得のいく施設を探していくことが大切だと言えるでしょう。
デイサービスに行きたがらない女性の心情を理解し、適切な対応をとることが大切です。無理強いは禁物ですが、デイサービス利用のメリットを伝え、本人の興味や好みに合った施設を探すことで、通所への抵抗感を和らげることができるでしょう。
それでもデイサービスの利用が難しいケースでは、介護保険外の訪問介護サービスの活用も検討してみてください。自宅での生活を維持しながら、必要な支援を受けられるというメリットがあります。
介護する家族の負担軽減と、高齢者の尊厳ある暮らしの両立を目指し、さまざまな選択肢から最適なサービスを選んでいくことが重要です。一人で悩まずに、ケアマネジャーなど専門家に相談しながら、よりよい介護の形を探っていきましょう。