介護にまつわるお役立ちコラム
介護と介助の意味の違いは?介助で配慮すべきポイントも説明
「両親(配偶者)が要介護認定を受けた」「自宅で面倒を見たいが、介護と介助はどう違うのか」といったことに悩み、不安を感じる人もいます。両親や配偶者の介護は一生で何度も経験する問題ではないからこそ、初めてのことに戸惑い、不安を感じる感情は当然です。
当記事では、介護と介助の違い・さまざまな種類の介助を自宅で実践する際の注意点を解説します。家族のみで介護・介助を実践することに限界を感じたときのサポート手段も紹介するため、要介護者の在宅生活を支援する介護者はぜひ参考にしてください。
「介護」と「介助」はよく似た言葉であるものの、それぞれ固有の意味を持ち、異なる概念の単語です。介護と介助の違いを正しく理解することは、適切な支援を提供するための不可欠要素に該当します。
介護と介助の意味の違いは、下記のとおりです。
介護 | ・高齢者や障害者など自分自身の力で日常生活を送ることが困難である人に対し、サポートを提供することを意味する言葉 ・主な目的は、高齢者や障害者の自立を助けたりQOLを向上させたりすること |
介助 | ・食事や入浴、排泄、歩行などに関し、高齢者や障害者などを支援する行為自体を意味する言葉 ・主な目的な、介護を実現するための手段を提供し、日常生活などにおける困りごとを解消すること |
介助は、介護の一環として提供されるサポート行為に該当し、具体的な手段にフォーカスした言葉です。介護を要する状態に至った人に必要に応じた「介助」を提供し、日常生活で不便を感じることが少ないように支援することが重要となります。
要介護者の介助を自宅で実践する際には、さまざまな配慮が求められます。注意点や配慮に関する知識を持たずに介助を実践することは、命に関わる事故を招く可能性が否めず、危険な行為に他なりません。
食事介助や入浴介助、排泄介助といった基本的な介助の実践方法および注意点を知り、安心・安全な支援を提供しましょう。
食事介助とは、スムーズかつ安全な食事を支援する介助です。自力摂取が難しい要介護者に対しては、支援者が適量をスプーンですくい、口の中へと運びます。
食事介助を実践する際の注意点は、下記の3点です。
- 誤嚥(ごえん)を防ぐため、正しい姿勢を維持させる
- 1口あたりの適量を守り、一度に多くの食べ物を与えない
- 咀嚼(そしゃく)しにくい大きさ、硬さの食べ物を避ける
調理前の段階で食材を適切な大きさに調整すると、食事の提供がスムーズです。硬い野菜は歯茎で潰すことができる程度のやわらかさまで、時間をかけて加熱しましょう。
入浴介助とは、自力で浴槽に入る・身体を洗うことが難しい状況の要介護者に対して提供する介助です。入浴介助を実践する際には、下記の点に注意しましょう。
- 入浴前に体調を確認し、無理をさせない
- 浴室内の転倒に備え、原則的には最初から最後まで見守る
- 脱衣所や浴室内を適温に維持し、ヒートショックを防止する
ヒートショックとは、急激な温度差にさらされることによって血管や心臓に負担がかかり、動機や失神、脳卒中などを起こすことです。脱衣所・浴室内を事前に温めておくことで温度差を減らし、ヒートショックを起こすリスクを軽減しましょう。
排泄介助とは、自力で移動できる要介護者をトイレまで誘導したり、寝たきりの要介護者おむつを交換したりする介助です。おむつを取り替える際には清拭(せいしき)を行い、性器や肛門周りを清潔に維持します。
排泄介助を実施する際には、下記のポイントに注意しましょう。
- 要介護者の尊厳を守り、他の人から見えないように心掛ける
- おむつ交換はできる限り同性の介護者が担当する
トイレの失敗はプライドを傷つけてしまうリスクが高いため、排便のタイミングをつかみ、適切な頻度で排泄を促すことが大切です。トイレに手すりを設置するなど、環境を整えることもまた重要なポイントに該当します。
更衣介助は、自力で着替えが難しい要介護者を支援し、清潔な衣服を着せるもしくは着させる介助を意味します。自力で着替えができる高齢者に対しては過度な支援をあえて避け、本人に任せることが更衣介助のポイントです。
その他、下記のポイントにも注意しましょう。
- 前開きのパジャマやマジックテープのシャツなど、着脱しやすい服装を選択する
- 着替えた後に、衣服のシワがないことを確認する
- ズボンを着させる際には手すりやイスを使用させ、転倒を防止する
- 半身麻痺の要介護者に対しては、麻痺のない側から着替えを進める
衣服のシワは床ずれを招くリスクを伴うため、着替え後の確認が不可欠です。本人に着替えを任せる場合も近くで見守り、必要に応じて部分的な支援を提供しましょう。
移乗介助とは、ベッドから車いす・車いすからベッドなど、移乗を助ける介助のことです。
◎移乗介助のやり方
(1)車いすのハンドブレーキをかけ、固定する
(2)膝よりお尻がやや高い位置に来るようにベッドの高さを調整し、端に浅く座らせる
(3)右手で肩甲骨を支え、反対側の手を腰にあて、重心を移動させる
(4)上半身を引き寄せるように意識しつつ、前傾姿勢に傾ける
(5)お互いのタイミングを合わせて立ち上がり、車いすへと移乗させる
力任せに移動させる方法は要介護者・介護者の双方に負担が大きく、バランスを崩すこと可能性があります。バランスを崩すことは、ケガや事故を招く原因です。移乗方法をより詳しく知りたい場合は、解説動画を閲覧するとよいでしょう。
歩行介助とは、要介護者の外出や室内移動などに付き添い、安全な歩行を助けることです。要介護者の真横に立つスタイルから要介護者の正面に立ち、手を引くスタイルまで、さまざまな介助方法が存在します。
歩行介助を実践する際の注意点は、下記のとおりです。
- 足下の障害物を退け、転倒の危険性を回避する
- 介護者が車道側に立ち、安全を確保する
- 要介護者のペースに合わせて歩行する
また、杖や歩行器のメンテナンスを実践することも歩行介助の一環です。杖であれば滑り止めのゴムの摩耗が見られないか、歩行器であればフレームに歪みがないか・タイヤの回転に問題が見られないかを確認しましょう。
高齢化社会の進展によって家族の介護ストレスを抱える人の増加傾向が見られ、精神的・身体的虐待といった行為に至る人も存在する現状です。要介護者の介助のすべてを家族のみが受け持ち、自分自身の生活も成り立たせる生活は、現実的とはいえません。
毎日の介護・介助に疲弊したときは、民間の介護サービスを活用しましょう。民間の介護サービス「イチロウ」では、下記のサービスを提供します。
◎提供サービスの一例
・食事や排泄、移乗、口腔ケアなどの介助
・掃除や洗濯、食事の準備、見守りや買い物代行など日常生活全般に関する支援
イチロウなど民間の介護サービスと公的介護保険サービスの大きな違いは、システムの柔軟性です。公的介護保険サービスは、「同居家族がいる場合は原則、生活援助を提供不可」「同居家族の手伝いにあたる家事は対象外」など、さまざまな制約が伴います。
民間の介護サービスは利用者の希望や要望、要介護者の症状に応じ、さまざまなサービスへの対応が可能です。まずはイチロウの公式サイトから問い合わせし、無料の訪問・見積もりを受けましょう。
今回は、介護・介助の意味の違いと食事や入浴、排泄介助などの注意点やポイントを解説しました。高齢者が安心して社会生活を送るためには、家族の協力が欠かせまん。記事内で紹介した介助のポイントを守り、安心・安全な介護に努めましょう。
自分自身のみで両親の面倒を見ることに限界を感じる人には、オーダーメイドの介護サービス「イチロウ」の活用がおすすめです。イチロウを有効に活用することで、要介護者・介護者の双方が幸せで、快適に生活できる状態を目指してください。