介護にまつわるお役立ちコラム

ケアマネジャーに相談できることは?依頼方法や選ぶポイントなども解説

2024年07月05日

親や家族の介護に直面して、困惑や不安を感じることは誰にでもあります。そんなとき、ケアマネジャーが頼りになる存在だと知っていましたか?ケアマネジャーは、介護プランの作成や手続きのサポートを通じて、介護に関する悩みや不安を解決する手助けをしてくれます。

 

この記事では、ケアマネジャーに相談できること、依頼方法や選ぶポイントを解説します。適切なサポートを受けることで、安心して介護を進めるための具体的な方法を見つけましょう。

1ケアマネジャーに相談できることは?

ケアマネジャーには以下のような介護に関するさまざまなことを相談できます。

  • 月1回の本人に対する見守りと、家族への報告

ケアマネジャーは少なくとも月1回は利用者を訪問し、心身の状況を確認します。変化があれば家族に報告してくれるので、遠方に住む家族も安心です。

  • 介護保険外の介護サービスの手配

介護保険の対象外であっても、利用者に必要なサービスがあればケアマネジャーが手配してくれます。保険外サービスの情報提供から申込み支援までお任せできます。

  • 要介護申請の代行

ケアマネジャーに依頼すれば、面倒な要介護認定の申請手続きを代わりに行ってくれます。必要書類の作成から提出まで全てお任せできるので家族の負担が減ります。

  • 本人が望む介護に加え、家族のリソース制約を踏まえたうえでのケアプラン作成

利用者本人の希望を汲み取りつつ、家族の事情も考慮に入れてケアプランを作ってくれます。利用者と家族、双方の立場に立った介護サービス計画が立てられます。

 

ケアマネジャーは介護のプロとして、利用者や家族の相談に幅広く対応してくれる心強い存在です。介護に関して少しでも不安や疑問があれば、遠慮なくケアマネジャーに相談しましょう。適切なアドバイスと支援が受けられるはずです。

 

2ケアマネジャーの探し方・依頼方法

ケアマネジャーへの依頼や相談は、以下の方法で行うことができます。

  • 自治体の介護保険課でケアマネージャーのリストを入手する

要介護認定を受けると、担当地域の居宅介護支援事業所(ケアマネージャーが所属する)事業所一覧が記載された資料がもらえます。資料をもとに自分でケアマネジャーを選んで直接連絡を取ることも可能です。介護保険の申請前でも、緊急の場合は自治体からリストを受け取り、ケアマネジャーに申請手続きの代行を依頼できるケースがあります。

  • 地域包括支援センターに相談する

お住まいの地域を担当する地域包括支援センターに相談すると、お住まいの地域を担当する地域包括支援センターに相談すると、ケアマネジャーが所属する居宅介護支援事業所を紹介してくれます。そのときに、各事業所の特徴やケアマネージャーの人数など、詳しいことをたずねると良いでしょう。地域包括支援センターは、介護に関するあらゆる相談に対応してくれる公的機関なので、安心して利用できます。

  • かかりつけ医や介護事業所のスタッフに紹介してもらう

日頃からお世話になっているかかりつけ医や、デイサービスなどの介護事業所のスタッフに相談するのも一つの手です。地域で信頼されているケアマネジャーを教えてくれる可能性が高いです。介護保険サービス事業所に知人がいる場合は、問い合わせてみると良いでしょう。

  • 知人や友人のアドバイスを受ける

介護の経験がある知人や友人がいれば、ケアマネジャー選びについてアドバイスをもらいましょう。利用者視点からの、実際の体験に基づくケアマネジャーの情報は参考になります。信頼できる人から評判の良いケアマネージャーを教えてもらえれば、安心して依頼することができます。

 

ケアマネジャーの探し方は状況によってさまざまです。まずは、自治体の窓口や地域包括支援センターに相談してみましょう。口コミ情報を参考にするのも良い方法です。これらの方法で、自分に合ったケアマネジャーを見つけていきましょう。

3適切なケアマネジャーを選ぶポイント

せっかくケアマネジャーに依頼するなら、利用者や家族との相性が良く、信頼できる人を選びたいですよね。でも、どのような基準で選べば良いのかわからないという方も多いはず。ここでは、適切なケアマネジャーを選ぶためのポイントを詳しく解説します。

得意な専門分野

ケアマネジャーは介護、看護などの分野で専門的な経験を積んでいます。

 

例えば、医療的ケアが必要な場合は看護師経験のあるケアマネジャー、日常生活のサポートが中心なら介護福祉士やヘルパー経験のあるケアマネジャーを選ぶと良いでしょう。専門分野に応じて選ぶことで、より適切な支援が受けられます 。

連絡体制やトラブル時の対応

ケアマネジャーに相談したいのに「平日の日中しか連絡が取れない」となれば不便ですよね。特に共働きの家族にとって、仕事に支障が出ないよう夜間や土日の対応が可能かどうかは重要です。

 

トラブル発生時の迅速な対応も求められるため、24時間サポート体制のある事業所のケアマネージャーを選ぶのもおすすめです。いざという時に頼りになる存在であるかどうかも、選ぶ際の判断材料になるでしょう。

距離的な連携のとりやすさ

介護サービスを利用する際は、地域の事業者との連携が欠かせません。利用者の自宅から近い場所で活動するケアマネージャーであれば、地域の社会資源に詳しいため、必要なサービスをスムーズに調整してもらえる可能性が高いです。

 

また、自宅の近くに事業所があれば、緊急時にもすぐ駆けつけてもらえるなど、距離的な近さはメリットになります。地域に根差した活動をするケアマネジャーは、頼りになる存在と言えるでしょう。

4 ケアマネジャーを変更したくなった場合はどうする?

ケアマネジャーに介護サービスについての不満がある場合、まずは担当ケアマネージャーに相談して、一緒に解決策を考えてもらうのが基本です。サービス担当者会議でサービス内容や事業者の変更などを検討し、状況の改善を図るのが一般的な流れでしょう。

 

しかし、ケアマネジャー本人の対応に問題があり、担当を変更したいと考えるケースもあります。例えば、以下のような場合は、ケアマネジャーの交代を検討しても良いかもしれません。

 

  • こちらの要望を聞いてもらえない、コミュニケーションがうまく取れない
  • 連絡がつきにくい、緊急時の対応が遅い
  • 話した内容がケアプランやサービスに反映されない

ただし、利用者本人が現在のケアマネジャーを信頼している場合、担当者が代わることで精神的な負担になる恐れがあります。安易な変更は避け、本人の意向を十分に確認する必要があるでしょう。

 

ケアマネジャーの交代を希望する際は、所属する居宅介護支援事業所に直接相談するのが一般的な方法です。事情を説明し、新しい担当者を紹介してもらいましょう。居宅介護支援事業所を変更する場合は、地域包括支援センターに相談するのも一つの手です。

 

ケアマネジャーは利用者や家族にとって頼りになる存在であるべきです。担当者との相性が合わず、良好な関係を築けないようであれば、ためらわずに変更を申し出ましょう。適切な介護支援を受けることが、利用者の権利だと意識することが大切です。

5まとめ

ケアマネジャーは介護に関する様々な悩みを解決してくれる心強い味方です。介護が必要になった時は、自治体の窓口や地域包括支援センターでケアマネジャーを探し、専門分野や対応力、連携のしやすさなどを基準に選びましょう。

 

信頼関係が築けないようなら担当者の変更も検討してください。あなたとご家族に寄り添い、最適な介護サービスが受けられるよう支援してくれるケアマネジャーとの出会いが、穏やかな介護生活への第一歩となるはずです。

監修者情報

保健師歴15年介護職歴5年のフリーランスWebライター。ケアマネージャー経験あり。現在は、遠距離介護を続けつつ、当事者および支援者の立場から、介護や福祉に関する記事を執筆中。

古賀優美子(保健師、介護支援専門員)
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