介護にまつわるお役立ちコラム

家政婦に依頼できる介護サービスの内容と利用料金|在宅介護におすすめの介護サービスを紹介!

2024年07月02日

家族の介護が必要になったとき、多くの方が悩むのが適切なサポート体制の構築です。本記事では、家政婦による介護サポートの可能性と限界、そして介護保険サービスとの違いについて詳しく解説します。家政婦に依頼できる介護内容や料金相場、さらには介護保険外サービスの活用法まで、幅広い情報を提供します。

1家政婦に介護を依頼することはできる?

家政婦とは、一般的に家事全般を請け負う専門家のことを指します。その業務内容は多岐にわたり、掃除、洗濯、料理、買い物、整理整頓など、日常生活に必要なあらゆる家事を行います。これらのサービスは、利用者が健康な方であっても、要介護状態の方であっても、同様に提供されます。つまり、家政婦は介護の必要性の有無に関わらず、依頼された家事を遂行する専門家なのです。

 

例えば、高齢の親御さんの家に家政婦を派遣する場合、その親御さんが要介護状態であっても、通常の家事サービスを受けることができます。部屋の掃除や洗濯、食事の準備など、日常生活に欠かせない基本的な家事は、要介護者であっても変わらずに行われます。このような点で、家政婦は介護が必要な方の生活をサポートする重要な役割を果たすことができるのです。

家政婦に依頼できる介護内容

家政婦に依頼できる業務について、改めて詳しく見ていきましょう。家政婦は主に生活援助の分野で活躍し、要介護者の日常生活をサポートします。以下に、家政婦に依頼できる主な業務を列挙します。

  • 掃除
  • 洗濯
  • アイロンがけ
  • 買い物
  • 料理
  • ペットの世話
  • ゴミ出し
  • 庭の手入れ
  • 寝具の整理
  • 話し相手
  • 服薬管理のサポート
  • 外出の付き添い

これらの日常的な家事や生活支援タスクは、家政婦に依頼することが可能です。

家政婦に依頼できない介護内容

家政婦は日常的な家事や生活支援において大きな力を発揮しますが、介護の分野には家政婦に依頼できない業務が存在します。これらは主に「身体介護」と呼ばれる領域に属するもので、専門的な知識と技術、そして資格が必要とされます。以下に、家政婦に依頼できない主な介護業務を列挙します。

  • 医療行為
  • 食事介助
  • 排泄介助
  • 入浴介助
  • 更衣介助
  • 体位変換
  • 移乗介助
  • 服薬管理
  • リハビリテーション
  • 認知症ケア

これらの業務は、介護福祉士やホームヘルパーなど、専門の資格を持った人材が行うべきものです。これは単に法律や規則の問題だけでなく、要介護者の安全と健康を守るために極めて重要な区分けです。

2家政婦はどのような人が利用している?

引用元:公益社団法人日本看護家政紹介事業協会「家政婦(夫)のサービスについて」

 

家政婦サービスを利用する際、まず理解しておくべき重要なポイントがあります。それは、家政婦が担当できない仕事があるということです。例えば、医療行為や専門的な介護業務などは、家政婦の業務範囲外となります。このような制限を踏まえた上で、家政婦サービスは様々な状況下で活用されています。

 

特に介護の分野では、高齢者の日常生活をサポートする目的で利用されることが多くなっています。高齢者の世話は、単に身の回りの世話だけでなく、精神的なケアも含まれます。家政婦は、高齢者の話し相手になったり、日常的な家事をサポートしたりすることで、高齢者の生活の質を向上させる重要な役割を果たしています。

 

また、介護保険サービスの利用制限に伴う補完的な役割としても、家政婦サービスは重宝されています。介護保険サービスでは、サービスの種類や時間に制限があるため、それ以外の部分を家政婦が担当することで、より包括的なケアが可能になります。例えば、介護保険サービスでは対応できない深夜の見守りや、急な体調変化時のサポートなどを家政婦に依頼するケースが増えています。

高齢者のお世話

介護保険サービスは、高齢者の生活を支える重要な制度ですが、その適用範囲には明確な制限があります。最も顕著な例が、清掃サービスの範囲です。介護保険サービスでは、あくまでも利用者本人に関する業務のみが対象となります。つまり、部屋の掃除を行う場合でも、利用者本人の部屋のみが対象となり、その他の家族の部屋や普段使用していない部屋の掃除は保険外サービスとなります。この制限により、家全体の清潔さを維持することが難しくなる場合があります。

 

さらに、介護保険サービスの適用範囲は、生活に必要不可欠と判断される業務に限定されています。この制限により、高齢者の生活の質を向上させる上で重要な、いくつかのサービスが対象外となってしまいます。例えば、多くの高齢者にとって大切な存在であるペットの世話は、介護保険サービスの対象外です。ペットの食事の準備や散歩の付き添いなどは、高齢者の精神的健康に大きく寄与する可能性がありますが、これらは介護保険では賄えません。

介護保険サービスの利用制限に伴う利用

介護保険サービスの利用制限とは、要介護度に応じて利用できるサービスの種類や回数、金額に制限が設けられていることを指します。この制限は、介護保険制度の持続可能性を確保し、適切なサービス提供を行うために設けられています。

 

要介護レベルに応じて、1ヶ月あたりに利用できる回数が決まっているため、必要なサービスを十分に受けられない場合があります。各要介護度における利用制限の概要は以下の通りです。

要介護1軽度の介護が必要な状態です。1ヶ月あたりの利用限度額は約16万6,920円です。主に生活援助サービスや通所介護(デイサービス)などが中心となります。
要介護2中等度の介護が必要な状態です。1ヶ月あたりの利用限度額は約19万6,160円です。要介護1よりも身体介護の必要性が高まりますが、依然として生活援助サービスの利用に制限がかかることがあります。
要介護3重度の介護が必要な状態です。1ヶ月あたりの利用限度額は約26万9,310円です。身体介護の必要性が高く、生活全般に支援が必要となります。
要介護4より重度の介護が必要な状態です。1ヶ月あたりの利用限度額は約30万8,060円です。ほぼ常時介護が必要となりますが、利用限度額の範囲内では十分なサービスを受けられない場合があります。
要介護5最重度の介護が必要な状態です。1ヶ月あたりの利用限度額は約36万650円です。常時介護が必要で、医療的ケアも必要となる場合が多いです。
3家政婦に介護サポートを依頼する場合の料金

家政婦の利用料金は、事業所によって異なります。また、依頼する業務内容や時間帯、地域によっても料金が変動します。

 

ここでは、東京都内の家政婦紹介所の利用料の相場を紹介します。

1時間東京都内の家政婦紹介所の平均的な1時間あたりの利用料金は、約1,800円から2,500円程度です。これには家政婦の賃金に加えて、紹介所の手数料も含まれています。
3時間3時間の利用の場合、平均的な料金は約4,900円から7,000円程度です。3時間程度の利用は、日常的な家事や簡単な介護サポートを依頼する場合に適しています。
8時間8時間の利用の場合、平均的な料金は約11,000円から18,000円程度です。1日がかりの家事や介護サポートを依頼する場合に適しています。

また住み込みの家政婦を雇う場合の費用は、1ヶ月あたり35万円~50万円程度かかります。このため、24時間体制で見守ってほしいという理由だけで家政婦を住み込みで依頼するのは、現実的ではないと言えるでしょう。

 

特に高齢者の介護を主に、24時間お願いする場合、その負担は相当なものになります。家政婦の労働時間や休息時間を考慮しなければならないため、実際に24時間対応できるかどうかも疑問です。また、住み込みの家政婦を雇うためには、専用の部屋や生活環境の整備も必要であり、それに伴う追加の費用や手間も考慮する必要があります。経済的な面だけでなく、家庭内のプライバシーや家政婦との関係性など、さまざまな側面を検討する必要があります。

4介護ができる家政婦?保険適用外の介護サービス

介護保険サービスと家政婦を併用して利用する方も多くいますが、それぞれのサービスにはサポートできる範囲が決まっています。介護保険サービスは身体介護や生活援助の一部をカバーしますが、家事全般や見守りなどは対象外となることがあります。一方、家政婦は家事全般や買い物の代行、付き添いなどを行いますが、医療行為や専門的な介護は行えません。

 

これらのサービスを上手に活用するには、以下のようなコツがあります。

  • 1. 介護保険サービスと家政婦の役割分担を明確にする
  • 2. 利用者の状態や希望に応じて、サービスの組み合わせを調整する
  • 3. 介護保険の限度額を考慮しながら、必要なサービスを選択する
  • 4. 家族や近隣の支援も含めた総合的なケアプランを立てる

このような状況において、保険適用外の介護サービスは有効な選択肢となります。保険適用外の介護サービスとは、家政婦のように全額自己負担にはなりますが、介護保険サービスのように、専門的なスキルを持った介護士を派遣できるサービスです。家事代行はもちろんのこと、身体介護や専門的な介護技術を要する業務(食事介助・排泄介助・入浴介助)など、家政婦には頼めないような業務でも適切に対応することができます。

介護保険の縛りもなく、家事と介護の両方に対応できる家政婦として様々なニーズに応えることができます。

5まとめ

家政婦は基本的には家事代行業がメインであり専門的な介護サポートは望めません。ですが、介護保険サービスは必要最低限のプランしか組むことができません。この課題を解決するためにおすすめなのが介護保険外の訪問介護サービスです。

家政婦で対応できない介護領域と、介護保険サービスでカバーできない範囲の両方に対応しており、日常的な家事や生活支援はもちろんのこと、高齢者のお世話や、専門的な介護技術を持った介護士が、個々のニーズに合わせて柔軟にサービス提供することが可能です。高齢者の生活を支える重要な選択肢となっています。

 

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介護ができる家政婦を探している方は、ぜひ一度イチロウにご相談ください。

監修者情報

2007年に介護系専門学校を卒業後、介護付き有料老人ホームに就職。

その後、慢性期病院の療養病床・2つの介護付き有料老人ホームに転職しながら介護士として現場業務に約6年間従事。

介護支援専門員資格取得後、新規開設の地域密着型老人福祉施設に転職し、施設ケアマネジャーとして入居者のケアマネジメント業務を行う。

2016年から居宅介護支援事業所へ転職。現在に至るまで、在宅で生活する要支援・要介護者のケアマネジメントに携わる。

川崎翔太(介護支援専門員)
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