日中・夜間の見守り
サービス利用例
サービス利用例
大阪府 豊中市 U様
介護保険フル活用でも足りない現実——“制度の隙間”を埋めた夜間の2時間
対象者
ご息女
利用期間
1年
利用頻度
不定期|月1〜5回
日中・夜間の見守り
1.はじめに
娘様一人で要介護5のお母様の介護。介護保険をフル活用しても、1日の中にどうしても“誰も見ていない時間”が生まれます。仕事をしながらお母様の介護をするU様が、孤独と転倒リスクに向き合うなかで気づいた、「人による見守り」の必要性。そして、その隙間を埋めるために選んだのは、保険外の介護サービス「イチロウ」でした。限界に直面しながらも、お母様と共に“在宅”を選び続ける覚悟と、そこにある現実をお伝えします。
2.まずは、これまでの介護の経緯について教えてください。
母が介護を必要とするようになったのは、インフルエンザで入院したのがきっかけでした。退院してから、家に引きこもるようになってしまって。以前は車を運転してスポーツクラブや生花教室に通ったり、編み物や読書が趣味で、外とのつながりも多かったのですが、退院後は車を使わなくなり、人と会う機会が激減したんです。生活の質がガラッと変わってしまって、何をするにも意欲が湧かない状態になってしまいました。好きだった編み物には手をつけなくなり、本棚の前に座って本を開くこともなくなりました。
そこでデイサービスに行かせるようにしたんですが、最初は強い拒否があって。でも、このままではどんどん気力を失ってしまうと思って、なんとか説得して通ってもらいました。
そこでデイサービスに行かせるようにしたんですが、最初は強い拒否があって。でも、このままではどんどん気力を失ってしまうと思って、なんとか説得して通ってもらいました。
3.どのように説得されたのでしょうか?
母が塗り絵や手芸など、デイで作った作品を持ち帰ってくることがあるんです。そのたびに「一番うまい!」「Aさんが編み物欲しがってるってよ」と、ちょっとした“演出”を加えてやる気を引き出しました。実際に依頼されたわけじゃなくても、「糸も買ってきてくれてるから」と伝えれば、「しょうがないな〜」と言って取り掛かってくれました。今では、社交性も少しずつ戻ってきています。
4.現在の介護の体制についても教えていただけますか?
介護は基本的に私ひとりで担っています。父は亡くなっていて、弟は通院の付き添いをたまにお願いする程度。なので、私が入院したり体調不良になったときのために、ショートステイなどを事前にピックアップして備えています。これは、私が介護に携わる仕事をしていて、ケアマネジャーとも知人関係があるからできていることだと思います。
5.どのようなサービスを利用されていますか?
介護保険では、月〜金で訪問マッサージ、デイサービスは週7日。A施設が平日、B施設が土曜、C施設が日曜です。限度額を超えた部分は10割負担している状態です。さらに見守りカメラも使っています。これは元々ペット用に使っていたもので、室温を確認して遠隔でクーラーを操作できるので便利ですね。夏場に母がエアコンを切ってしまって、室温が33度まで上がったことがあったので、今ではリモコンを隠してこちらで管理しています。それでも、カメラでは把握できない「小さな異変」や「孤独感」はどうしても残ります。だからこそ、人の目と手による見守りが必要だと感じ、夜間など私が不在の時間帯にはイチロウの支援を依頼しています。
6.具体的にイチロウのサービスはどのように利用されていますか?
2024年3月から、月に1〜5回ほど、18:30〜20:30に利用しています。主にトイレ誘導や水分補給、話し相手をお願いしています。私は仕事がら、夜間は会議や会食があることも多く、帰宅が21時以降になる日もあります。デイサービスや訪問マッサージをフル活用しても、1時間くらい家に誰もいない時間が出てしまいます。母は歩けるので、逆に転倒リスクがあって、過去に一度、倒れたまま私の帰宅まで3時間起き上がれなかったことがありました。ケアマネジャーに相談して、イチロウを紹介されました。定期ではなく、不定期に、私の予定に合わせて利用しています。
7.介護とお仕事の両立はどうされていますか?
正直、会社には協力を求めていません。人手不足で、スタッフにも余裕がない。誰かが子どもの病気で休んだら「仕方ないね」と表では言うけれど、裏では不満が渦巻いているのが現実です。おそらく、中小企業のサラリーマンだったらとてもじゃないけど介護休暇なんて取りにくい。私は経営側の立場なので、多少の融通はききますが、もし会社勤めだったら仕事は辞めていたと思います。
8.イチロウを使って「助かった」と思えた瞬間はありますか?
仕事に集中できることですね。知人に頼るのって、正直しんどいんです。友人にお願いすると気を遣うし、お礼もしなきゃいけない。それならお金を払ってサービスを使った方が、むしろ安上がり。イチロウのような保険外サービスがあると助かります。
9.読者の方に一言、メッセージをいただけますか?
悩んでるんだったら、試しに使ってみたらいいと思います。ダメだったらやめればいいんだし。私は、「トイレが一人でできなくなったら施設かな」と母と話しています。そのときが来るまで、自宅でできることを考えたいですね。
10.さいごに(編集後記)
「デイサービスに毎日通わせているのに、それでも“空白”がある」。このたった1時間が、介護する人にとってどれほどの重圧か、今回の取材で痛感しました。家族だけでは埋められない空白に、民間の力が届くこと。それが“選択肢”ではなく“必要”であると、多くの方に伝えていきたいと思います。
ご利用いただいているサービス
排泄の介護
見守り・話し相手
参考ご利用料金(1日2時間・月3回利用)
- 1時間の料金 × 時間
3,828円円(税込)× 2時間 - 1回分の交通費
600円 - 訪問回数
月3回 - 合計金額
24,768円(税込)
1時間の料金 × 時間 | 1回分の交通費 | 訪問回数 | 合計金額 |
3,828円円(税込)× 2時間 | 600円 | 月3回 | 24,768円(税込) |