自宅の介護・家事
サービス利用例
サービス利用例
東京都 八王子市 M様
「施設入るくらいなら墓に入りたい」――介護の“限界”と、希望 を支えた保険外サービスの存在
対象者
ご息女
利用期間
1ヶ月
利用頻度
週3回
自宅の介護・家事
1.はじめに
「介護は、家族がやるべきこと」と信じて、日々奔走する人がいます。一人娘として、フルタイムで働きながらお父様の在宅介護を担ってきたMさま。何度も介護離職を考え、制度の“限界”にぶつかりながらも、「父が望んだ最期のかたち」を叶えたいという思いで紡いだ介護。介護の現場で見えた制度のほころびと、その隙間を支えた“イチロウ”という選択肢。声になりづらい「現実」の中に、私たちが見過ごしてきた介護の姿があります。
2.お父様の介護が始まったきっかけは、どのようなものでしたか?
父は膀胱がんを患っていて、年齢的にも抗がん剤や摘出手術は難しいと判断され、入退院を繰り返す中でADL(日常生活動作)が大きく低下しました。また、認知症の症状もあり、生活の見守りが必要になったんです。
3.その状況で、まず介護保険サービスを使い始められたのでしょうか?
はい。当初は半日デイサービスに通っていました。ただ、父は難聴で周囲との会話が成立せず、皆が楽しんでいる中で孤立感を感じてしまったようで、半年で通うのをやめてしまいました。
4.介護保険の制度の中での支援は難しかったということでしょうか?
正直、「仕方ない」とは思いつつも限界を感じました。たとえば訪問ヘルパーも1回30分と短く、父も「来なくていい」「来ても何もやらない」と拒否的でした。支援がボランティアの域を出ていないと感じてしまったんです。もちろん制度上そうなるのは理解していますが、現実とのギャップは大きかったです。
5.お仕事との両立もかなり厳しかったのではないでしょうか。
はい、何度も介護離職を考えました。実際に、社内からも退職をほのめかされたことがありました。でも、なんとか続けたかった。チームにも迷惑をかけていましたし、それでもできることはやり切ろうと。そんな中で、イチロウを見つけたんです。
6.イチロウをどのようにして知りましたか?
インターネットで検索して辿りつきました。ケアマネジャーさんはあまり動いてくれず、自費サービスの提案もほとんどなかったので、自分で探しました。イチロウは、問い合わせにすぐ返答があって、対応もすごく丁寧で。オンラインで完結することに少し不安がありましたので、窓口の方の対応次第では利用をしていなかったと思いますが、実際はとても安心感がありました。
7.イチロウの利用を始めてみて、印象はどうでしたか?
介護保険の支援と同じようだったら嫌だな…と思っていたのですが、まったく別ものでした。週に3回、朝9時から11時の2時間、イチロウのヘルパーさんが入ってくれて、朝の一番負担が大きい時間帯をカバーしてくれました。あるヘルパーさんが入ると、父の表情が明るくなったんです。マッサージをしてくれたり、服薬介助もとても上手だったので、明るくなったんだと思います。
8.ご家族としても安心できる時間だったのですね。
はい。父が一人で過ごす時間を最小限にできたので、安心して仕事に行くことができました。見守りカメラの導入も検討していたのですが、その前に父が亡くなってしまって…。でも、あの時間を支えてもらえたのは大きかったです。
9.介護をするにあたり、葛藤や心情はありましたか?
知人からは「施設に入れたら?」と言われることも多かったですが、父は「施設に入るくらいなら墓に入る」と…。実際、尿路感染でせん妄になったときに老健を見学しましたが、幸せそうに過ごしている方が少なくて。「安全のために入れる場所」なのかなと思ってしまいました。だからこそ、最後まで自宅で過ごさせてあげたいと思いました。
10.「保険外サービス=贅沢」という世間のイメージに、迷いや葛藤はありませんでしたか?
たしかに最初は、「こんなサービスを使っていいのか?」と迷いもありました。でも、私自身がいっぱいいっぱいで、父のお金で支払うことも許してもらえたので、気持ち的に救われました。むしろ、最初から知っていれば…と後悔もあります。
11.イチロウを利用して感じた副次的なメリットはありましたか?
家族の気持ちも汲み取ってくれる。それが何より嬉しかったです。今までの支援ではそういう部分がまったくなかったので。ヘルパーさんの報告レポートからも、細かい気づきや心配りが伝わってきました。これまで、介護は「家族がやるべきこと」として抱え込みがちでした。でも、現実には支援を受けなければ共倒れになる。イチロウのような存在があって、本当によかったです。私の周りで介護に困っている人がいたら、イチロウを勧めたいと思います。
12.さいごに(編集後記)
今回の対談では、「介護保険の限界」と「家族の覚悟」の狭間で揺れながらも、“自宅で最期まで”という本人の希望をなんとか叶えようと奮闘された姿に、深い共感を覚えました。制度の枠に収まりきらないニーズが確かに存在し、それに応える柔軟なサービスの必要性を、あらためて痛感する取材となりました。
ご利用いただいているサービス
参考ご利用料金(1日2時間・週3回利用)
- 1時間の料金 × 時間
3,190円円(税込)× 2時間 - 1回分の交通費
600円 - 訪問回数
週3回 - 合計金額
20,940円(税込)
1時間の料金 × 時間 | 1回分の交通費 | 訪問回数 | 合計金額 |
3,190円円(税込)× 2時間 | 600円 | 週3回 | 20,940円(税込) |