介護にまつわるお役立ちコラム
介護費用の平均額|施設・在宅の比較・介護度別の目安も
要介護者を家族に持つ方の中には、「介護サービスを受けるためにかかる介護費用は、どのくらい必要か」と、疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。
基本的に介護費用は、毎月かつ長期的に支払う必要があります。要介護者に適切な介護サービスを受けてもらうためにも、介護費用について理解を深めることが重要です。
今回は、介護費用の平均額から、介護費用の金額を左右する主な要素・介護の質を求める方へ向けたおすすめの介護保険外サービスまで解説します。
介護費用について理解を深め、介護を必要とする家族の状態に合った介護サービスを検討したい方は、ぜひ参考にしてください。
公益財団法人生命保険文化センターが平成30年に行った介護費用の調査によると、介護費用の平均額は以下の結果となっています。
介護費用の平均額(平成30年) |
介護費用(月額):約7.8万円 一時費用の合計:約69万円 |
介護費用は、各種介護サービスを利用する月額費用と、ベッド・車いすなどの介護用品の購入や住環境の整備などにかかる一時費用に分けられます。
特に、一時費用はまとまった金額が必要となるケースが多いため、注意してください。
介護保険は、原則40歳以上が納めなければならない公的保険です。
介護保険サービスは、在宅介護・施設介護サービスの費用・介護福祉用品のレンタルや購入・福祉タクシーの利用などに適用でき、自己負担額が1~3割となります。なお、自己負担割合は、所得金額などによって変動します。
以下は、厚生労働省の調査資料で示されている、介護保険の平均受給額です。
介護保険平均受給額(令和2年4月審査分) |
介護保険1人あたり平均受給額:約172,600円 介護予防サービス:約28,100円 介護サービス:約198,400円 |
例えば、要介護1の方における1か月あたりの介護保険受給限度額は167,650円です。要介護1で自己負担額が1割の場合は約16,800円、2割の場合は約33,530円となります。
介護費用の負担を軽減するためにも、介護認定を受けるための手続きを行い、介護保険を利用する環境を整えるとよいでしょう。
介護の必要度・適切な介護サービスの内容は人によって異なるため、介護費用も大きく変動します。基本的には、要介護度が高くなるほど、介護費用も高くなります。
以下では、介護費用が決まる主な4つの要素について解説します。介護費用を大まかに把握し、資金計画を立てる際に役立ててください。
介護の方法には大きく分けて「施設介護」と「在宅介護」があります。
以下は、在宅介護と施設介護における介護費用の例です。
在宅介護の場合の介護費用例 |
【要介護1】家族(息子夫婦)と同居する75歳女性の場合 訪問介護・訪問入浴・訪問診療を利用 |
介護保険1割負担額:16,000円/月 訪問診療(月2回):8,000円/月 合計:24,000円/月 |
施設介護の場合の介護費用例 |
【要介護3】80歳男性の場合 介護付有料老人ホームに入居 |
入居一時金:120,000円 月額利用料(家賃・食費):145,000円/月 合計:265,000円/月 |
在宅介護は、家族が介護を行いつつ必要に応じて介護サービスを利用することが一般的です。そのため在宅介護は、施設介護よりも介護費用の負担が軽くなる傾向です。
施設介護の費用負担は入居する施設によって大きく異なり、特に富裕層向け施設の場合は費用がより高額となります。
要介護度が高くなるにつれ、各種介護サービスの利用頻度も高まる傾向にあるため、介護費用が高額となります。
以下は、要介護1・要介護3・要介護5の方における、在宅介護の介護費用例です。
要介護1の場合の介護費用例 |
夫婦で暮らす75歳女性の場合 訪問介護・訪問診療を利用 |
介護保険1割負担額:15,000円/月 医療費(1割負担):7,000円/月 合計:22,000円/月 |
要介護3の場合の介護費用例 |
夫婦で暮らす78歳女性の場合 訪問介護・訪問診療・デイサービスを利用 |
介護保険1割負担額:25,000円/月 介護サービス自己負担分:15,000円/月 医療費(1割負担):6,000円/月 合計:46,000円/月 |
要介護5の場合の介護費用例 |
夫婦で暮らす80歳男性の場合 訪問介護・訪問診療・デイサービスを利用 |
介護保険1割負担額:45,000円/月 介護サービス自己負担分:45,000円/月 医療費(1割負担):8,000円/月 介護用品(おむつなど):8,000円/月 合計:106,000円/月 |
特に、要介護3以上の場合は、介護保険適用外の介護用品・介護機器を使用する機会が多くなるため、介護費用が高額となる傾向にあります。
将来的に介護の度合いが高くなることも考えられるため、介護費用に充てる資金はなるべく多めに用意するとよいでしょう。
医療的なケアが必要な方は、介護費用だけでなく、医療サービスを利用する費用や通院のための交通費なども必要となります。
以下は、医療的ケアが必要な方における、在宅介護・施設介護の介護費用例です。
在宅介護の場合の介護費用例 |
【要介護1】関節リウマチの70歳女性の場合 訪問介護・訪問リハビリ・訪問診療を利用 |
介護保険1割負担額:15,000円/月 訪問リハビリ(週1回):15,000円/月 合計:30,000円/月 |
施設介護の場合の介護費用例 |
【要介護3】糖尿病の80歳男性の場合 介護老人保健施設に入居 |
月額利用料(家賃・食費):110,000円/月 介護サービス費(介護保険1割負担額):25,000円/月 合計:135,000円/月 |
介護保険の範囲内で提供される医療的ケアも、利用頻度が高くなると介護保険の上限額を超える場合があるため注意が必要です。
認知症の症状のある方は、家族での介護が難しくなります。そのため、訪問介護やデイサービスの利用頻度が高くなり、介護費用が高額となる傾向です。
以下は、認知症症状がある方における、在宅介護・施設介護の介護費用例です。
在宅介護の場合の介護費用例 |
【要介護1】軽度認知症の80歳女性の場合 訪問介護・訪問入浴・訪問看護を利用 |
介護保険1割負担額:25,000円/月 訪問診療(月2回):8,000円/月 合計:33,000円/月 |
施設介護の場合の介護費用例 |
【要介護3】中度認知症の85歳男性の場合 グループホームに入居 |
入居金:250,000円(初期費用) 月額利用料:150,000円 合計:150,000円/月(+初期費用:250,000円) |
徘徊や混乱状態が見られるなど、認知症の症状が重い場合は在宅でのケアが難しいため、認知症ケアに対応した介護施設やグループホームへの入居が必要です。
介護を必要とする方の中には、住み慣れた自宅で介護を受けたいという方もいるでしょう。介護保険が適用される在宅介護サービスを利用する際は、サービス範囲に一定の制限があるため、希望通りのサービスが受けられないケースがある点に注意が必要です。
例えば、自宅の家事・買い物代行などは、基本的に介護保険の適用外となり、サービスを受けることができません。
介護保険外のサービスも行ってほしいと考える方は、ぜひオーダーメイドの介護サービスを提供する「イチロウ」をご検討ください。イチロウは、様々な介護サービスを利用者の要望に合わせて、提供いたします。
「使いやすさ」「高い品質」「安心・安全」にこだわった介護サービスであるため、ぜひお気軽にお問い合わせください。
公益財団法人生命保険文化センターによれば、介護費用の平均額は、月額の介護費用が約7.8万円・一時費用が約69万円となっています。介護保険の平均受給額や、介護費用に大きく影響を与える要素について理解することで、介護費用を大まかに把握することが可能です。
また、オーダーメイドの介護サービスを検討している方は、ぜひイチロウにご相談ください。
ここまで紹介したことを参考に、要介護者を家族に持つ方は、介護費用についての知識を身に付け、資金計画を立てる際に役立ててください。