介護にまつわるお役立ちコラム

要介護2でも一人暮らしは可能?受けられる介護サービスと注意点を解説

公開日:2024年07月02日
更新日:2026年06月10日

家族が要介護2の認定を受けたけれど、一人暮らしは可能なのか?と不安に感じる方は多いのではないでしょうか。

特に日常生活に手助けが必要となる要介護2の場合、その不安や悩みは大きいと思います。

結論から言うと、要介護2でも適切な介護サービスを利用すれば、一人暮らしを続けることが可能です。

本記事では、要介護2の方が一人暮らしを続けるために受けられる介護サービスや、介護保険の限度額、ケアプランの作成例、住環境の整備など具体的な対策をわかりやすく解説します。

要介護2とはどんな状態?

要介護2とは、身体機能や認知機能の低下により、日常生活のなかの身の回りの動作において、手助けや部分的な介助が必要な状態を指します。

要介護2の具体的な身体状態の例

要介護2の段階では、自力でできることもまだ多く残されている一方で、日常生活で部分的なサポートが必要になってくるでしょう。

特に、立ち上がりの際や複雑な手順を伴う動作において、周囲の見守りや手助けが必要となるケースが目立ち始めます。

具体的には、以下のような身体状態や生活動作の目安が挙げられます。

  • 立ち上がりや歩行に支え(見守りや介助)が必要

  • 食事・トイレ・入浴・着替えなどに軽い手助けが必要

  • 爪切りや調理など、手先の細かい動きが難しい

  • 理解力の低下や、一定の判断力の低下が見られる

要介護度の認定基準の比較

要介護1は「部分的な介助が必要な状態」、要介護3は「ほぼ全面的な介助が必要な状態」と言えます。

それぞれの違いは以下の通りです。

要介護度

認定の基準

一人暮らしの目安

要介護1

立ち上がりや歩行が不安定で、部分的な介助が必要

基本的に大きな支障なく一人暮らしが可能

要介護2

食事やトイレ、入浴などに軽い介助が必要

適切なサービスを組み合わせれば一人暮らしが可能

要介護3

日常生活のほぼ全面において介助が必要

介護保険内だけでの在宅維持は厳しくなりやすい

要介護2は一般的に「一人暮らしは難しい」と判断されがちですが、必要な介護サービスを適切に選択して組み合わせることで、在宅での生活を十分に継続できます。

要介護2で一人暮らしをすることはできる?

結論から言うと、要介護2の方でも、適切な介護サービスを利用すれば一人暮らしは十分に可能です。

要介護1までであれば、部分的な介助が必要な場面はあっても、基本的には一人暮らしに大きな支障はありません。

一方、要介護2になると食事やトイレ、入浴などに部分的な介助が必要となるため、一般的には「一人暮らしは難しいのでは?」と判断されがちです。

しかし、必要なサービスを適切に選択し、組み合わせることで在宅生活を続けることは可能です。

なお、要介護3になるとほぼ全面的な介助が必要となるため、介護保険内のサービスだけで一人暮らしを維持するのは厳しくなります。

その場合は、施設への入居を検討するか、自費(保険外)サービスを組み合わせながら在宅生活を続けるかという選択になります。

一人暮らしを可能にするためのポイント

要介護2の方が一人暮らしを続ける上で最も重要なのは、「安全性の確保」です。

そのためには、以下のようにサービスを賢く選択し、組み合わせることがポイントになります。

  • 訪問介護の利用:週に数回ホームヘルパーにきてもらい、食事の準備や掃除、洗濯などの日常生活を支援してもらう

  • デイサービスの利用:施設に通うことで、自宅では大変な入浴や食事の介助を受け、リハビリや交流の機会を作る

  • 環境の整備:住居のバリアフリー化や、見守り体制をしっかり整える

このように周囲のサポートを上手に頼ることで、住み慣れた自宅での一人暮らしを安心して続けることができます。

要介護2の方が受けられる介護サービス一覧

要介護2の方が受けられる主な介護サービスは、以下の通りです。

これらを適切に組み合わせることで、一人暮らしも不可能ではありません。

 

要介護2の方が受けられるサービス一覧

サービスの形態

サービス名

概要

自宅で受けられる

訪問介護

ホームヘルパーが自宅を訪問し、家事や身体介護を行う

訪問入浴介護

移動入浴車で自宅を訪問し、入浴の介助を行う

訪問看護

看護師等が自宅を訪問し、療養上の世話や診療の補助を行う

訪問リハビリテーション

理学療法士等が自宅を訪問し、リハビリを行う

定期巡回・随時対応型訪問介護看護

日中・夜間を通じて定期巡回や随時の対応を行う

施設に通う

デイサービス

施設に通い、入浴、食事、レクリエーション等のサービスを受ける

デイケアサービス

施設に通い、リハビリを中心としたケアを受ける

地域密着型通所介護

小規模な施設で、入浴、食事等のサービスを受ける

療養通所介護

医療施設等に通い、医療ケアを含むサービスを受ける

認知症対応型通所介護

認知症の方を対象とした通所介護

短期宿泊

ショートステイ

施設に短期間宿泊し、入浴、食事、介護等のサービスを受ける

短期入所療養介護

介護老人保健施設等に短期間入所し、医療ケアを含むサービスを受ける

通い・宿泊

小規模多機能型居宅介護

通所、訪問、宿泊を組み合わせ、家庭的な環境で多機能なサービスを受ける

看護小規模多機能型居宅介護

小規模多機能型居宅介護と訪問看護を組み合わせたサービス

レンタルサービス

福祉用具貸与

車いすや特殊寝台等の福祉用具をレンタルする

特定福祉用具販売

入浴や排泄に使う福祉用具を購入する

要介護2の方の介護保険の限度額

紹介した各種介護サービスには介護保険が適用されるため、自己負担額を大幅に軽減できます。

ただし、保険が適用される月々の利用金額には上限(支給限度額)が設けられており、実際の負担割合は所得に応じて1割〜3割です。

1ヶ月の利用限度額は、以下のように要介護度によって細かく異なります。

(※金額は令和元年12月時点のデータであり、お住まいの地域や条件によって多少前後する場合があります)

 

■要介護2の方の1ヶ月の利用限度額

要介護度

1ヶ月の限度額

要支援1

50,320円

要支援2

105,310円

要介護1

167,650円

要介護2

197,050円

要介護3

270,480円

要介護4

309,380円

要介護5

362,170円

要介護2の方が受けられる介護保険の支給限度額は、月額約197,050円です。

この範囲内で、訪問介護、デイサービス、福祉用具レンタルなどのサービスを利用することができます。

限度額を超える分は自己負担となりますので、計画的にサービスを利用することが重要です。

要介護2とは?利用できるサービスから介護保険の支給額の詳細まで

要介護2の方が一人暮らしをするためのケアプラン例

要介護2の方が一人暮らしをするためには、個別のケアプランを作成することが重要です。

ケアプランの一例を以下に紹介します。

【ケアプランの一例】

利用するサービス

頻度の目安

主なサポート内容(具体例)

訪問介護

毎日(1日1時間程度)

朝食や夕食の準備・片付け、服薬確認、居室の掃除など

デイサービス

週2回程度

施設での入浴、食事、レクリエーション、リハビリなど

訪問看護

週1回

バイタルチェック、体調管理、服薬管理など

訪問リハビリテーション

月1回

筋力維持や転倒予防のための運動指導など

福祉用具の活用

必要に応じて

住宅への手すり設置、シャワーチェアの導入、歩行器のレンタルなど

このように、「週に何回どのサービスを頼むか」を本人の状態に合わせて調整していきます。

まずはケアマネジャーに相談し、生活リズムに合わせた最適なプランを作成してもらいましょう。

要介護2の方が一人暮らしを続ける際のチェックポイント

要介護2の方が介護サービスを利用しながら一人暮らしを続けるためには、できる限り安全に過ごせる環境を整えることが重要です。

以下のようなチェックポイントに気をつけましょう。

  • 住環境をバリアフリーに整える

  • 防犯対策を徹底する

  • 高齢者の見守りサービスを活用する

  • 介護保険外サービスを利用する

1|住環境をバリアフリーに整える

身体機能の低下を補うため、自宅の改修を検討しましょう。

特にトイレや浴室は転倒リスクが高いため、手すりの設置や段差解消が急務です。

また、入浴時のヒートショックを防ぐための暖房設備も有効です。

【リフォーム費用の相場目安】

手すりの設置

3〜5万円(廊下や階段全体の場合は5万〜20万円程度)

洗面台と浴室の床の段差解消

2~3万円(クッションフロアの場合)

浴室の出入り口を引き戸に交換

2~15万円

浴室換気暖房の導入

7~15万円

※床の段差解消は、リフォームする面積や床材によって変動します。

2|防犯対策を徹底する

高齢者の一人暮らしは、空き巣や悪質商法などのターゲットにされやすい傾向があります。

ドアの二重ロック、録画機能付きインターホンの設置、セキュリティサービスの導入などで対策を強化しましょう。

また、日頃から地域の見守り活動近隣とのつながりを持っておくことも有効です。

3|高齢者の見守りサービスを活用する

センサーやカメラ、家電の利用状況などを通じて、遠隔から生活状況を確認できる「見守りサービス」の活用もおすすめです。

部屋の温度・湿度のチェックや、ドアの開閉、一定時間動きがない場合の検知などを24時間モニタリングできます。

万が一の異変時に迅速に駆けつけられる体制を整えておくことで、離れて暮らす家族の安心にもつながります。

導入の際は、本人のプライバシーや意向も尊重して選びましょう。

4|介護保険外サービスを利用する

介護保険サービスには「同居家族がいると使えない」「趣味のための外出には同行できない」といったルールや制限があります。

そのため、民間企業や自治体が提供する「保険外サービス」を組み合わせるのがおすすめです。

日々の配食サービス、買い物や趣味の付き添い、緊急時の駆けつけなど、柔軟なサポートを受けることで、より快適な一人暮らしが実現します。

まとめ

要介護2と認定されても、適切な介護サービスを組み合わせ、周囲の手を借りることで一人暮らしは十分に可能です。

安全に暮らすためには、住環境のバリアフリー化や防犯・見守り体制の整備といった事前準備が欠かせません。

まずはケアマネジャーとしっかり相談しながら、本人に無理のない最適なケアプランを作成し、安心して一人暮らしを続けられる環境を整えていきましょう。

監修者情報

フリーランス介護士
2013年にデイサービス兼有料老人ホームに就職。
2015年に生活相談員兼現場統括・財務管理に従事。
2017年に有料老人ホームに転職後、介護福祉士を取得。
2019年にグループホームに転職後、認知症実践者研修を修了。
2022年に訪問介護事業所の管理者に就任
2023年に居宅介護・重度訪問介護の指定取得。
2025年にフリーランス介護士として活動を開始し、現在に至る。

沼原義和
よん|Webライター|介護福祉士フリーランス
更新者

介護士として、特別養護老人ホームや有料老人ホームで5年以上の実務経験あり。

身体介助から看取りまで、現場の最前線で培った「対応力」を活かし、現在は多くの施設や介護に携わる人々の課題をサポートする役割を担う。

介護現場で感じていた「介護の難しさと尊さ」を言葉にするため、介護現場のリアルを届けるライターとしても活動中。

現場を知るからこそ書ける、読者にとって理解しやすい表現を意識し、実務に役立つ情報発信を大切にしている。

遠藤晴香(介護福祉士)
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