介護にまつわるお役立ちコラム

デイサービスに行きたがらない女性|対処法や通いやすいデイサービスの探し方を解説

2024年10月30日

親が高齢になり介護が必要になった際、多くの家族はデイサービスの利用を検討するでしょう。しかし、中には「デイサービスには行きたくない」と拒否する高齢者も少なくありません。

「どうしてデイサービスに行きたがらないの?」と悩んだことはありませんか?

その理由を知り、適切な対処法を学ぶことが、デイサービス通いへの第一歩になります。この記事では、女性がデイサービスを拒否する理由と、スムーズに通ってもらうためのポイントを解説します。

また、デイサービスが難しい場合に代替案として検討できる、**保険外在宅介護サービス「イチロウ」**の活用についても紹介します。

1デイサービスに行きたがらない理由

デイサービスは高齢者の介護予防や生活の質の向上に役立つサービスですが、利用を拒否する方も少なくありません。特に女性の場合、新しい環境への不安や他人の世話を受けることへの抵抗感から、デイサービスへの通所に消極的なことがあります。

代表的な理由として、以下のようなものがあります。

  • 慣れない環境への不安
  • 知らない人に世話をされるのが苦手
  • デイサービス内の人間関係がうまくいかない
  • 家で自由に過ごしたい
  • 認知症や記憶障害などを抱えている
慣れない環境に不安がある

新しい環境に馴染むことが苦手な方や、人見知りの傾向がある方にとって、デイサービスは精神的な負担が大きい場合があります。住み慣れた自宅での生活を好む高齢者にとって、デイサービスは「馴染めない場」として敬遠されがちです。

知らない人に世話をされるのが苦手

自立心の強い方ほど、他人の世話を受けることに抵抗を感じやすいものです。「他人に迷惑をかけたくない」「弱みを見せたくない」という心理が、デイサービス利用をためらう原因になっています。

デイサービス内の人間関係がうまくいかない

デイサービスには複数の利用者がおり、時には相性の良くない方と過ごさなければならないこともあります。

 

トラブルが発生したり、性格が合わないと感じる利用者がいたりすると、デイサービスに行く楽しみが減ってしまうかもしれません。高齢者にとって、人間関係のストレスは心身の負担になりやすいのです。

 

またスタッフとの相性が良くないと感じる場合も、デイサービスへの拒否感につながる可能性があります。

家で自由に過ごしたい

デイサービスでは集団での行動が基本となるため、家で過ごす時間よりも自由度が低下してしまいます。それまで自分の好きなように時間を使っていた人にとっては、我慢を強いられる場面が増え、苦痛に感じるかもしれません。

 

また、デイサービスで提供されるレクリエーションが本人の好みに合わないと、楽しめずに「行きたくない」と拒否する原因になります。強制的に参加させられるようでは、かえってストレスが増してしまうでしょう。

認知症や記憶障害などを抱えている

認知症の方や記憶障害のある高齢者は、新しい場所に対して混乱したり不安を感じたりしやすい特徴があります。

 

慣れない環境に適応するのが難しく、「どこに連れて行かれるのか分からない」という恐怖心から、デイサービスを拒否するケースも。家族の説明を理解できなかったり、送迎の車に乗ることを嫌がったりする場合は、認知症の影響を考慮する必要があります。

2親の介護に役立つ!デイサービスのメリット

デイサービスを利用することで得られるメリットには、次のようなものがあります。

  • 高齢者の心身の健康維持に役立つ
  • 家族の介護負担を軽減できる
  • 安心して入浴できる

定期的な運動やレクリエーションにより、筋力維持や認知機能の低下予防にもつながります。また、家族の介護負担が軽減されることで、介護する側の心身の健康も守られます。

高齢者の心身の健康維持に役立つ

デイサービスでは、施設によりますが理学療法士や作業療法士による機能訓練やレクリエーションが行われます。定期的な運動は、筋力や柔軟性の維持・向上に役立ち、転倒予防にもつながるでしょう。。

 

また、デイサービスでのレクリエーションや食事の時間は、他の利用者との自然な交流の場となります。同世代の仲間と楽しく過ごすことで、閉じこもりがちな高齢者も心が開放的になるでしょう。

 

さらに人との関わりは、脳の刺激にもなります。会話をしたり、頭を使うゲームをしたりすることで認知機能の低下を防ぎ、認知症の進行を遅らせる効果も期待できます。

家族の介護負担を軽減できる

高齢者がデイサービスに通っている間は、家族が自分の時間を持つことができます。休息を取ったり、趣味に時間を使ったり、友人と会ったりするのもこの時間です。

 

在宅介護は肉体的にも精神的にも負担が大きいもの。介護疲れが蓄積すると、介護する側の健康を損ねるリスクがあります。

 

介護者が倒れてしまっては、要介護者も困ってしまいます。介護と自分の生活のバランスを取るためにも、デイサービスを有効に活用し、負担を分散することが大切です。

安心して入浴できる

デイサービスの中には、入浴介助のサービスを提供している施設もあります。

 

自宅では一人で入浴させるのが不安という方も、デイサービスなら安心です。介護職員が必要に応じて介助を行い、安全に入浴することができます。

 

また、自宅と異なる環境で入浴することで、気分転換にもなるでしょう。清潔を保つことは、高齢者の健康維持に欠かせません。

3デイサービスを拒否する高齢者への対処法

デイサービスに行くことを拒否する高齢者に対して、強制するのではなく、本人の気持ちに寄り添った対応をすることが大切です。

デイサービスへ無理矢理行かせない

デイサービスへの通所を強要するのは避けましょう。本人の意思を尊重し、「行きたくない」という気持ちを受け止めることが大切です。

 

無理強いをせず、高齢者の思いを認めてあげることで、「自分の気持ちを大切にしてくれる人がいる」と実感できます。すると、デイサービスへの拒否感が和らぎ、通所を受け入れてくれる可能性も高まります。

 

また、しばらくデイサービスを休んでみるのも一つの方法です。気持ちにゆとりができれば、また行ってみようと思えるかもしれません。あくまで本人の意思を尊重することを忘れないでください。

施設スタッフやケアマネジャーへの相談

デイサービスのスタッフに、高齢者が行きたがらない理由を相談してみましょう。

 

本人の好みに合わせて、レクリエーションや活動内容を変更してもらえるかもしれません。「今日はこれがしたい」という要望を取り入れてもらえれば、デイサービスが楽しみになるはずです。

 

また、行きたくない理由が分からない場合も、スタッフから見た高齢者の様子を聞くことで、ヒントが得られるかもしれません。一緒に解決策を考えてもらいましょう。

利用する曜日や時間を変える

デイサービスへの通所が負担に感じられているなら、利用する曜日や時間を変更するのも一案です。

 

たとえば、朝の準備が大変だという方は、少し遅い時間からの利用に変更してもらうことで、通いやすくなるかもしれません。

 

また、特定の利用者との相性が良くないことが理由なら、その人と重ならない曜日に変更するのも効果的でしょう。柔軟にスケジュールを調整することで、ストレスを軽減できます。

ほかのデイサービスを検討する

現在のデイサービスにどうしても馴染めないようであれば、ほかの施設を探してみるのもよいでしょう。

 

雰囲気や職員の対応、プログラムの内容など、施設によって特色はさまざまです。今より自分に合った施設が見つかれば、デイサービスに通う楽しみが生まれるかもしれません。

 

ケアマネジャーに相談して、高齢者の興味や性格に合いそうな施設を紹介してもらうとよいでしょう。見学を重ねて、本人が納得できる施設を選ぶことが大切です。

4高齢者にとって通いやすいデイサービスを見つけるポイント

デイサービスに行きたがらない高齢者の気持ちを受け止めつつ、それでも通所することの大切さを伝えていく必要があります。

 

そのためには、本人の興味や好みに合ったデイサービスを選ぶことが重要です。「行ってみたい」と思えるような魅力的な施設を見つけることで、デイサービスへの抵抗感を和らげることができるでしょう。

 

ここでは、高齢者に合ったデイサービスを探すためのポイントを3つ紹介します。ケアマネジャーと相談しながら、最適な施設を見つけていきましょう。

本人の趣味や好みに合うデイサービスを探す

近年、高齢者の多様なニーズに応えるため、さまざまなタイプのデイサービスが増えています。

 

料理や園芸、音楽など、特定の趣味に特化したプログラムを提供する施設もあります。好きなことに没頭できる環境であれば、デイサービスに通う楽しみが生まれるはずです。

 

また、食事やお風呂にこだわりを持つデイサービスもあります。おいしい食事が楽しみになったり、ゆったりとくつろげる個浴があったりと、魅力的なサービスが利用者を引きつけています。

 

本人の興味や関心事をヒントに、それらを満たしてくれる施設を探してみてください。

介護度や症状に特化したデイサービスを探す

利用者の状態に合わせて、適切なケアを提供してくれる施設選びも大切です。

 

認知症の方向けのデイサービスでは、専門のスタッフが症状に合わせた対応をしてくれます。グループホームと同じ少人数制で、落ち着いた環境の中でゆったりと過ごすことができるでしょう。

 

また、機能訓練に力を入れているデイサービスもあります。理学療法士や作業療法士による専門的なリハビリテーションを受けられるため、心身機能の維持・向上を目的とする方におすすめです。

 

介護度が高く、医療的なケアが必要な方は、看護師が常駐しているデイサービスを選ぶと安心です。

契約前に見学する

どんなに評判のいいデイサービスでも、本人の感覚に合わなければ意味がありません。

 

契約する前に、必ず見学に行きましょう。実際の雰囲気を肌で感じることで、利用者の視点で施設の良し悪しを判断することができます。

 

見学の際は、次のような点をチェックしてみてください。

  • 施設内は清潔で、利用者が快適に過ごせるような環境か
  • スタッフの対応は丁寧で、利用者に寄り添う姿勢があるか
  • 他の利用者の表情は明るく、生き生きとしているか

気になることがあれば、その場で質問をして解消しておきましょう。見学を重ねることで、利用者本人も「ここなら通ってみたい」と思えるようになるはずです。

 

デイサービス選びは、利用者にとって大きな決断です。本人の気持ちに寄り添いながら、一緒に納得のいく施設を探していくことが大切だと言えるでしょう。

5イチロウのサービスで在宅介護をもっと快適に

デイサービスに行きたがらない高齢者の中には、「慣れない環境が不安」「知らない人に介護されるのが苦手」といった理由から、施設利用を拒否するケースが多く見られます。こうした方々に対し、イチロウの保険外在宅介護サービスは、ご自宅での介護を柔軟にサポートする選択肢として最適です。

入浴介助も可能

「家での入浴が難しくなってきたけれど、デイサービスでの入浴には抵抗がある」という方には、イチロウの入浴介助サービスをご利用いただけます。慣れた自宅で安心して入浴できることで、清潔を保ちつつ、リラックスした時間を過ごせます。

本人に合った介護士が訪問し、徐々に介護に慣れるサポート

他人に介護されることに抵抗がある方でも、本人に合った介護士が継続して訪問することで、介護を受けることに慣れていくケースが多くあります。実際に、イチロウの訪問介護を利用することで介護への抵抗感が薄れ、最終的にデイサービスへ通えるようになった事例もあります。

スケジュールやケア内容を柔軟に調整可能

「デイサービスの時間割に縛られたくない」「レクリエーションが苦手」といった方でも、イチロウなら自宅で自分のペースを大切にしながら介護サービスを受けることができます。家での生活をできるだけ維持しながら、必要なケアだけを受けられるのが、イチロウの強みです。

デイサービスを利用することに抵抗がある方も、まずはイチロウの在宅介護で少しずつサポートを受けてみることが、将来的にスムーズな介護への移行につながるかもしれません。柔軟に使える保険外の訪問介護サービスも一つの選択肢として考慮しつつ、無理のないペースで適切な介護を取り入れていきましょう。

監修者情報

ケアマネジャー20年の実績があり、100名以上の高齢者を担当。がん末期や難病、認認介護、介護拒否などの事例も多く経験。現在はWebライターとして介護分野を中心に執筆している。

長谷部宏依(介護支援専門員)
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