介護にまつわるお役立ちコラム

訪問介護の買い物代行サービスとは|買えるもの、買えないものを解説

2024年07月05日

訪問介護の買い物代行サービスは、利用者の自立した日常生活を支える重要なサービスです。しかし、介護保険の適用範囲内では買える物に制限があり、利用者のニーズに合わせるには保険適用外のサービスの利用も検討する必要があります。
本記事では、訪問介護の買い物代行サービスで買えるものと買えないものを解説するとともに、サービス利用の流れや費用、トラブル防止のポイントについて詳しく説明します。適切な買い物代行サービスの利用方法を理解し、利用者の生活の質の向上につなげましょう。

1訪問介護の買い物代行とは

訪問介護の買い物代行は、ホームヘルパーが利用者に代わって買い物をするサービスです。利用者の自宅を訪問し、買い物リストと代金を預かり、スーパーなどで買い物をして利用者の自宅に届けるという流れになります。

 

買い物代行は介護保険の適用対象となるサービスで、ケアプランに基づいて提供されます。ただし、ホームヘルパーと利用者が一緒に買い物に行く場合は、介護保険の適用外となるため注意が必要です。

買い物の対象は「生活必需品」と「薬の受け取り」

訪問介護の買い物代行で購入できるのは、利用者の日常生活に必要な「生活必需品」と「薬の受け取り」に限定されています。

 

生活必需品とは、食料品、石鹸やトイレットペーパーなどの消耗品、台所用品などが該当します。

 

薬の受け取りは可能ですが、あくまでも受け取りのみで、ホームヘルパーが利用者の代理で診察を受けたり薬の処方を出してもらったりすることはできません。

買い物代行で買えないもの

訪問介護の買い物代行では、利用者本人の生活に直接必要でないものは購入できません。

 

たとえば、同居家族のための買い物、嗜好品であるお酒やタバコ、来客用のお菓子やお中元などは買い物代行の対象外です。

買い物代行で行ける範囲

訪問介護の買い物代行は、基本的に利用者の日常生活の行動範囲内で行うものとされています。したがって、遠方での買い物は避けなければなりません。

 

一般的な目安としては、利用者宅から往復30分以内の範囲内での買い物依頼が適切です。ただし、その範囲内でも必要な品物が手に入らない場合は、市町村の判断によって認められる可能性があります。

 

利用者と同行しての買い物は介護保険の適用外になるため、公共交通機関を利用して一緒に行くようになります。

2訪問介護の買い物代行を依頼する流れ

訪問介護の買い物代行を利用する際は、以下のような流れになります。

  • 1. ホームヘルパーが利用者の自宅を訪問する

訪問介護サービスの一環として、ホームヘルパーが利用者宅を訪問します。

  • 2. 買い物リストや代金をホームヘルパーに渡す

利用者はあらかじめ用意した買い物リストと必要な代金を、訪問したホームヘルパーに手渡します。この際、買いたい商品の詳細(ブランド、サイズなど)や代替品の可否についても伝えておくとよいでしょう。

  • 3. 買い物リストをもとに買い物をする

ホームヘルパーは預かった買い物リストと代金をもとに、指定された店舗で商品を購入します。

  • 4. 購入した商品を利用者の自宅に届けてくれる

ホームヘルパーは買い物を終えると、購入した商品を利用者宅まで届けます。

  • 5. お釣りなどの精算する

商品の受け取り時に、ホームヘルパーから購入品とお釣り、領収書を利用者に手渡します。その場で金額の確認を行い、精算します。

 

買い物代行の依頼時には、以下の点に注意が必要です。

 

代金はホームヘルパーが立て替えるのではなく、必ず事前に利用者から預かる形にします。リストにない商品の追加購入など、予定外の依頼にはホームヘルパーが対応しづらい場合があります。

 

ホームヘルパーは公共交通機関や徒歩、自転車などで買い物に向かうため、大量の買い物や重たい荷物への対応が難しいことがあります。

 

領収書や購入品の内容、お釣りの額は、利用者・ホームヘルパー双方でその場で確認し、トラブル防止に努めましょう。

3訪問介護の買い物代行でよくあるトラブル

訪問介護の買い物代行では、以下のようなトラブルが起こりやすくなっています。

  • 依頼した商品と違うものを購入された
  • お釣りの金額が合わない

これらのトラブルの多くは、利用者とホームヘルパーとの意思疎通の不足や、金銭管理の曖昧さから生じます。

依頼した商品と違うものを購入された

依頼した商品と違うものを購入されてしまうと、利用者は必要な物が手に入らず、日常生活に支障をきたす可能性があります。

 

対策としては、事前に詳細な買い物リストを作成し、ブランドや商品サイズなどの明記が大切です。また、代替品の可否についても伝えておくとよいでしょう。買い物後は、購入品の確認を一緒に行いましょう。

お釣りの金額が合わない

お釣りの金額が合わないと、利用者は金銭的な損失を受けます。また、ホームヘルパーへの不信感にもつながりかねません。

 

対策としては、事前に必要な金額を明確にし、できるだけ釣銭の少ない金額を渡すようにします。また、買い物後はレシートとお釣りを確認し、早めの精算が重要です。事業所によっては、金銭管理のルールを定めている場合もあるので、それに沿って対応しましょう。

4嗜好品などは保険適用外サービスで買い物を依頼する

介護保険の訪問介護サービスでは、利用者の日常生活に必要な「生活必需品」の買い物代行しかできません。そのため、お酒やタバコなどの嗜好品、趣味のものなどは購入できません。

 

このような介護保険の制限外の買い物を依頼したい場合は、自費の保険適用外サービスの利用を検討しましょう。中でもおすすめなのが、オーダーメイドの介護サービス「イチロウ」です。

 

イチロウの特徴・メリットは以下のとおりです。

  • 介護保険にとらわれず、利用者の要望に合わせた柔軟なサービス提供
  • 当日申込みから利用可能な即時性の高さ
  • 事前面談を通じて選抜された質の高いヘルパー
  • ヘルパーの指名や交代の柔軟な対応
  • サービス内容や利用者の状況を可視化するシステム

現在、イチロウは東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、愛知県、大阪府、兵庫県、京都府でサービス展開しています。利用料金は9時から18時の時間帯で1時間3,190円(税込)からとなっています。

 

介護保険対象外の柔軟な買い物代行サービスをお探しの方は、ぜひイチロウの利用を検討してみてください。

5まとめ

訪問介護の買い物代行サービスは、介護保険の適用範囲内で利用者の日常生活に必要な買い物を支援するサービスです。しかし、サービスの対象となる品目や買い物の範囲には制限があり、利用者のニーズに合わせて保険適用外サービスの併用も検討が必要です。本記事では、訪問介護の買い物代行サービスについて、買えるものと買えないもの、依頼の流れや費用、よくあるトラブルなどを詳しく解説します。適切なサービスの利用方法を理解し、利用者の自立した生活を支援するためのポイントを学びましょう。

監修者情報

2012年に作業療法士養成校を卒業後、回復期リハビリテーション病院・第二次救急総合病院へ勤務。他法人の介護老人保健施設、訪問看護ステーション、外来クリニックへの出向をとおし幅広いフィールドで経験を積む。

多様な診療科(脳神経外科、整形外科、循環器内科、呼吸器科)で多くの患者様を担当。お一人おひとりの「こうなりたい」を大切に、個々のニーズに応じた作業療法を実施。地域リハビリテーション事業や職場内の業務改善へも携わる。

2023年より通所介護事業所へ転職。多様な経験と専門知識を活かし、機能訓練指導員として業務を行っている。

齋藤祥平(作業療法士)
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