介護にまつわるお役立ちコラム
高齢者の手の震えの原因は?体が震える本態性振戦の症状や他の病気を解説

高齢者の手の震えは、日常生活に支障をきたすこともあり、ご本人やご家族にとって心配な症状でしょう。この記事では、高齢者の手の震えで最も多い原因とされる「本態性振戦(ほんたいせいしんせん)」を中心に、その症状や特徴、パーキンソン病など他の病気の可能性について詳しく解説します。
また、日常生活での対処法や医療機関での治療、介護保険サービスについても言及しています。手の震えの原因を知り、不安を軽減したい高齢者の方やご家族は、ぜひ参考にしてください。
1高齢者に多い手の震えの原因とは

手の震えのように、自分の意思とは関係なく体の一部が動いてしまうことを「不随意(ふずいい)運動」といいます。高齢になると、この不随意運動、特に手の震えが現れやすくなります。
その主な原因としては、以下のとおりです。
- 加齢に伴う脳の機能的な変化(脳の老化)
- 動脈硬化による脳への血流不足
- 服用している薬の影響(薬剤性)など
上記の要因が、体の動きを調整する神経の働きに影響を与え、震えを引き起こすことがあります。
ただし、手の震えの原因はこれらだけではありません。後述する本態性振戦やパーキンソン病など、特定の病気が隠れている可能性もあります。原因を正確に特定するため、医師は詳しい問診に加え、脳のCTやMRIといった画像検査を行うことがあります。気になる震えがある場合は、自己判断せず専門医に相談するようにしましょう。
2高齢者の手の震えの種類と特徴

一口に「手の震え」といっても、その現れ方によっていくつかの種類に分けられます。どのような状況で震えが出るかは、原因となる病気を考える上で重要な手がかりです。主な震えの種類とその特徴は、以下のとおりです。
振戦の種類 | 特徴 | 具体的な状況例 |
安静時振戦 | 何もせず、力を抜いてリラックスしている時に現れる震え。動作を開始すると震えが軽減または消失することが多い。 | 座ってテレビを見ている時、膝の上に置いた手が震える。 |
姿勢時振戦 | 特定の姿勢を保とうとするときに現れる震え。重力に逆らって腕を伸ばしたり、物を持ったりする際に目立つ。 | コップを持ったまま腕を伸ばす。両手を前にまっすぐ伸ばす。 |
企図振戦 | 目標物に向かって手を動かす際に現れ、目標に近づくほど震えが強くなる。 | 指でボタンを押そうとする。コップを口元へ運ぼうとする。 |
動作時振戦 | 文字を書く、箸を使うなど、特定の動作を行っている最中に現れる震え。 | 字を書こうとすると震える。箸で食べ物をつまもうとすると震える。 |
例えば、安静時の震えはパーキンソン病でよく見られ、姿勢時や動作時の震えは本態性振戦に多いです。企図振戦は小脳の障害が疑われるなど、震えの種類によって考えられる原因は異なります。ご自身の震えがどのタイプに近いか観察しておくと、診断の際に役立ちます。
3本態性振戦の知っておくべき症状

手の震えなど、自分の意志とは関係なくリズミカルに起こる体の動きを「振戦」といいます。「本態性(ほんたいせい)」とは「原因が特定できない」という意味で、本態性振戦は、明らかな原因となる病気がないにもかかわらず起こる震えを指します。
本態性振戦は、高齢者に限らず若年層でも発症する可能性がある、神経系の病気の一つです。
原因は完全には解明されていませんが、体の動きを調整する小脳などの機能に何らかの問題がある可能性や、遺伝的な要因が関わっている場合(家族性振戦)も指摘されています。命に関わる病気ではありませんが、日常生活に支障をきたす場合があるため油断できません。
本態性振戦の特徴的な症状と進行
本態性振戦の最も特徴的な症状は、手の震えです。多くの場合、両方の手に現れますが、利き手の方が強く震えることもあります。この震えは、1秒間に4~12回程度の速さで、比較的小刻みにリズミカルに起こるのが特徴です。手だけでなく、頭(首)が縦や横に揺れたり、声が震えたり(ふるえ声)することもあります。
本態性振戦の進行は非常にゆっくりで、何年もかけてわずかに症状が強くなることはありますが、急激に悪化することはまれです。症状は基本的に震えのみで、パーキンソン病で見られるような筋肉のこわばりや動作の遅さ、歩行障害などを伴うことはありません。
どんな時に手の震えが強くなるのか
本態性振戦の震えは、特定の状況下で強くなる傾向があります。最も特徴的なのは、何か動作をしようとした時や、特定の姿勢を保とうとした時に震えが目立つことです。例えば、以下のような場面で震えが強くなることがあります。
- コップを持って水を飲もうとするとき
- 箸を使って食事をするとき
- ペンを持って字を書こうとするとき
- ボタンをかけたり、紐を結んだりするとき
- 人前で話したり、注目されたりするなど、精神的に緊張するとき
- 体が疲れているときや、ストレスを感じているとき
逆に、完全にリラックスしている時や睡眠中には震えは軽くなるか、ほとんど目立たなくなります。これは、安静時に震えが強くなるパーキンソン病との大きな違いです。
また、本態性振戦のもう一つの興味深い特徴として、少量のアルコールを摂取すると一時的に震えが軽減されることがあります。この現象は多くの患者さんで見られますが、なぜ起こるのか正確な理由はわかっていません。ただし、震えを抑えるために飲酒を続けることはアルコール依存症のリスクを高めるため、治療法としては推奨されません。
本態性振戦が疑われる場合のセルフチェック
「もしかして本態性振戦かも?」と感じた場合、いくつかの簡単な動作で震えの状態を確認することができます。ただし、これはあくまで自己チェックの目安であり、正確な診断には必ず医師の診察が必要です。以下の動作を試してみて、震えが現れるか、どの程度かを確認してみましょう。
- らせんを描く:紙に渦巻き模様(らせん)をできるだけ丁寧に描いてみてください。線が波打ったり、途切れたり、大きさが不規則になったりしませんか?
- 水を注ぐ・飲む:コップから別のコップへ水を注いでみてください。また、水を満たしたコップを口元へ運び、飲んでみてください。水がこぼれたり、手が大きく震えたりしませんか?
- 腕を前に伸ばす:両腕を肩の高さで前にまっすぐ伸ばし、その姿勢を保ってみてください。腕や手が震え始めませんか?左右差はありますか?
- 指鼻試験:人差し指を自分の鼻先にゆっくりとくっつけてみてください。鼻に近づくにつれて指先の震えが強くなりませんか?
- 指合わせ:親指と人差し指の先をくっつけてみてください。細かい震えが出ませんか?
これらの動作を行うときに震えが見られ、特に日常生活(字を書く、食事をする、ボタンをかけるなど)で不便を感じるようであれば、一度、脳神経内科や脳神経外科に相談することをおすすめします。
また、パーキンソン病との違いを見るポイントとして、椅子に座ってリラックスし、膝の上に手を置いているような安静時に震えが出るかどうかも確認してみましょう。本態性振戦の場合は安静時には震えが軽いか、ほとんど見られないことが多いです。
4手の震えを引き起こす他の病気

高齢者の手の震えの原因として最も多いのは本態性振戦ですが、それ以外にもさまざまな病気や状態が震えを引き起こす可能性があります。自己判断はせず、原因を特定するために医師の診察を受けることが重要です。手の震えが見られる主な病気や状態とその特徴を以下にまとめます。
疾患名 | 主な特徴 |
パーキンソン病 | 安静時の震え、動作の遅さ、筋肉のこわばり、歩行障害など。進行性。 |
レビー小体型認知症 | パーキンソン症状(震えなど)、認知機能の変動、具体的な幻視、レム睡眠行動異常症など。 |
アルコール依存症 | 飲酒中または離脱時(禁断症状)に震えが現れる。特に離脱時の震えは激しいことがある。 |
薬剤性振戦 | 特定の薬剤(胃腸薬、抗精神病薬、抗うつ薬、気管支拡張薬など)の副作用として震えが生じる。 |
バセドウ病 (甲状腺機能亢進症) | 甲状腺ホルモンの過剰分泌による。速くて細かい指先の震え、動悸、体重減少、発汗、眼球突出などの症状を伴うことがある。 |
生理的振戦 | 健康な人でも起こる微細な震え。寒さ、緊張、興奮、疲労、カフェイン摂取などで一時的に強まることがある。 |
老人性振戦 | 高齢者に発症する本態性振戦の一種と考えられている。動作時の震えが主だが、パーキンソン病のような他の症状はない。本態性振戦との区別は難しい場合がある。 |
これらのうち、本態性振戦や生理的振戦、老人性振戦は、主に震えそのものが症状の中心です。一方、パーキンソン病やレビー小体型認知症では、震え以外にもさまざまな神経症状が現れます。バセドウ病では全身症状、薬剤性振戦では原因薬剤の服用歴が診断の手がかりとなります。次項からは、これらの病気について詳しく見ていきましょう。
パーキンソン病
パーキンソン病は、脳の中の黒質(こくしつ)と呼ばれる部分にあるドーパミンという神経伝達物質を作る細胞が減少することで起こる進行性の神経変性疾患です。
ドーパミンは体のスムーズな動きを調節するのに重要な役割を果たしており、これが不足することで特有の症状が現れます。主に50~60代で発症することが多い病気です。主な症状は「パーキンソン病の4大症状」と呼ばれ、以下のものがあります。
- 安静時振戦:何もしていない時に手足が震える。特に片方の手から始まることが多い。
- 筋強剛:筋肉がこわばり、関節を動かすときに抵抗を感じる。
- 無動・寡動:動きが遅くなり、動作の開始が困難になる。表情が乏しくなったり、声が小さくなったりする。
- 姿勢反射障害:体のバランスが取りにくくなり、転びやすくなる。歩行時には、前かがみ姿勢で小刻みに歩くといった特徴も見られます。
本態性振戦とパーキンソン病は、下表にまとめたとおり、震えの現れ方などに違いがあります。
比較項目 | パーキンソン病 | 本態性振戦 |
発症原因 | ドーパミン神経細胞の減少 | 不明(小脳の機能異常、遺伝なども関与か) |
発症年齢 | 50~60代に多い | 高齢者に多いが、若年層でも発症 |
震えの速さ | ゆっくり(1秒間に4~6回程度) | やや速い(1秒間に4~12回程度) |
震えのタイミング | 安静時(力を抜いている時)に強く、動作時に軽減 | 動作時や特定の姿勢を保つ時に強く、安静時には軽減 |
震えが出る部位 | 手足(片側から始まることが多い) | 手(両側が多い)、頭、声 |
症状の進行 | 進行性 | 非常にゆっくり、または進行しない |
震え以外の症状 | あり(筋強剛、無動、姿勢反射障害、便秘、嗅覚障害など) | 基本的になし(震えのみ) |
このように、震え以外の症状の有無や、震えの起こる状況などが診断のポイントとなります。
レビー小体型認知症
レビー小体型認知症は、アルツハイマー型認知症、血管性認知症と並んで、高齢者によく見られる認知症の一つです。脳の神経細胞内に「レビー小体」という特殊なたんぱく質の塊が出現し、神経細胞がダメージを受けることで発症します。
レビー小体型認知症特徴は、認知症の症状に加えて、パーキンソン病と似た症状(パーキンソニズム)が現れることです。主な症状には以下のようなものがあります。
- パーキンソン症状:手足の震え(特に安静時)、筋肉のこわばり、動作の遅さ、小刻み歩行、転びやすさ。
- 認知機能の変動:日や時間帯によって、頭がはっきりしている状態と、注意力が散漫でボーっとしている状態を繰り返す。
- リアルな幻視:「部屋に人がいる」「虫が這っている」など、非常に具体的で生々しい幻視を繰り返し体験する。
- レム睡眠行動異常症:睡眠中に夢の内容に合わせて大声で寝言を言ったり、手足を激しく動かしたりする。
病気の進行に伴い、症状は変化します。初期にはパーキンソン症状や幻視、レム睡眠行動異常症などが目立ちますが、中期になると認知機能の低下がよりはっきりし、嚥下障害なども現れやすくなります。後期には寝たきりに近い状態となり、誤嚥性肺炎などの合併症に注意が必要です。
本態性振戦との大きな違いは、レビー小体型認知症では震え以外に、上記のような認知機能の変動、幻視、パーキンソン症状といった多彩な症状が見られる点です。本態性振戦では、基本的にこれらの症状は伴いません。
アルコール依存症
アルコール(エチルアルコール)は、脳や神経系に直接作用し、長期間または大量に摂取することでさまざまな影響を及ぼします。手の震えもその一つで、アルコール依存症の患者さんによく見られる症状です。アルコールに関連する震えは、主に二つの状況で考えられます。
- 慢性的な飲酒による震え:長期間にわたる飲酒習慣により、比較的小刻みな震えが持続的に見られることがあります。
- 離脱症状(禁断症状)としての震え:アルコール依存症の方が飲酒を中断したり、量を減らしたりした際に現れる症状です。これは「離脱振戦」とも呼ばれます。
本態性振戦との違いは、アルコールとの関連性です。アルコール依存症による震えは飲酒歴と明らかに連動しており、特に離脱時の震えは他の身体的・精神的症状を伴います。
一方、本態性振戦は飲酒とは無関係に発症し、むしろ少量のアルコールで一時的に震えが軽減するという逆の現象が見られることがあります。
薬剤性振戦
普段服用している薬が原因で、手の震えが起こることがあります。これを「薬剤性振戦」といいます。特定の薬の副作用として、体の動きを調節する神経系に影響が及び、震えが生じるものです。
薬剤性振戦の震えは、本態性振戦のように、特定の姿勢をとったときや動作時に現れることが多いですが、薬の種類によってはパーキンソン病のように安静時に震えが出る場合もあります。震えを引き起こす可能性のある代表的な薬剤には、以下のようなものがあります。
- 精神・神経科の薬:一部の抗うつ薬、抗精神病薬、気分安定薬、抗てんかん薬など
- 消化器系の薬:吐き気止めなど
- 気管支拡張薬:喘息治療薬など
- ステロイド薬:炎症を抑える治療薬など
- その他:一部の降圧薬、抗不整脈薬、免疫抑制剤など
これらの薬を服用し始めてから震えが出現したり、薬の量が増えてから震えが悪化したりした場合は、薬剤性振戦の可能性が考えられます。本態性振戦との大きな違いは、原因となる薬剤を特定し、医師の指示のもとでその薬を減量・中止・変更することで、震えが改善する可能性がある点です。
ただし、自己判断で薬をやめることは非常に危険ですので、必ず処方した医師に相談してください。
バセドウ病(甲状腺機能亢進症)
バセドウ病は、甲状腺ホルモンが過剰に分泌される「甲状腺機能亢進症(こうじょうせんきのうこうしんしょう)」の代表的な原因疾患です。甲状腺ホルモンは体の新陳代謝を活発にする働きがあるため、このホルモンが過剰になると、全身のさまざまな機能が亢進状態になります。
その症状の一つとして、手の震えが現れることがあります。これは、神経系が過敏になるために起こると考えられており、速くて小刻みな震えが特徴です。健康な人にも見られる生理的な震えが強調されたような形になることもあります。
バセドウ病(甲状腺機能亢進症)の場合、手の震え以外にも以下のような多彩な全身症状を伴うことが一般的です。
【バセドウ病の主な症状】
- 動悸、息切れ、頻脈
- 食欲が増すのに体重が減る
- 暑がり、汗をかきやすい
- 手足の震え
- イライラする、落ち着きがなくなる
- 疲れやすい、筋力低下
- 眼球が突出する、まぶたが腫れる(バセドウ病に特徴的)
- 首の腫れ(甲状腺腫)
本態性振戦との違いは、バセドウ病では上記のような全身症状を伴う点と、震えがより細かく速い傾向がある点です。血液検査で甲状腺ホルモンの値を測定することで診断が可能です。震えとともにこれらの症状に心当たりがある場合は病院を受診しましょう。
生理的振戦
生理的振戦とは、病気ではない、誰にでも起こりうる正常な体の反応としての震えです。普段は非常に細かく小さいため、ほとんど自覚されることはありません。しかし、特定の状況下ではこの震えが増幅され、目に見える形で現れることがあります。生理的振戦が強まる要因としては、以下のようなものが挙げられます。
【生理的振戦の主な反応】
- 強い精神的緊張、不安、興奮
- 寒さ
- 身体的な疲労、睡眠不足
- カフェインの過剰摂取
- アルコールの離脱症状の初期
- 甲状腺機能亢進症
震えは、手を伸ばした時など特定の姿勢をとった時に現れる、速くて細かい動きが特徴です。本態性振戦との違いは、生理的振戦は通常、一時的なものであり、原因となる状況が解消されれば自然に軽快する点です。また、震えの幅も本態性振戦ほど大きくなく、日常生活に大きな支障をきたすことは少ないとされます。
ただし、生理的振戦が増強された状態と、軽度の本態性振戦との区別が難しい場合もあります。不安な場合は医師に相談しましょう。
老人性振戦
老人性振戦という言葉は、以前、高齢になってから初めて現れた本態性振戦のような震えを指して使われることがありました。しかし、現在では「老人性振戦」という独立した病気の分類はなく、多くの場合、「高齢発症の本態性振戦」と同じものと考えられています。
特徴としては、主に65歳以上の高齢になってから発症する、動作時や特定の姿勢をとった時に現れる震えです。手や頭部(縦揺れまたは横揺れ)、声、時には下顎や唇に震えが見られることもあります。 パーキンソン病のように見えることもありますが、安静時の震えは目立たず、筋肉のこわばりや動作の遅さといった他のパーキンソン症状を伴わない点が異なります。また、意識すると震えが強くなる傾向があるとも言われます。
本態性振戦との違いについては、発症年齢が高いという点以外には、症状の特徴や原因において明確な区別は難しいのが現状です。診断や治療法も、基本的には本態性振戦に準じて行われます。したがって、「老人性振戦」は「高齢になってから始まった本態性振戦」と理解しておくとよいでしょう。
5手の震えへの対処法・治療法

手の震えには、原因に合わせた対処や治療が必要です。日常生活での工夫や適切な治療を行うことで、症状の影響を軽減できるでしょう。
手の震えを和らげる日常生活での工夫
手の震えがあると、食事や書字などの日常動作が難しくなります。日常生活でできる具体的な工夫は、以下のとおりです。
- 食事では、持ち手が太く重いスプーンやフォーク、滑り止め付きの食器などを使う
- 字を書く時は、グリップが太いペンやおもり付きのペン、音声入力機能を活用する
- リモコン操作が苦手なら、大きなボタンのリモコンや音声操作ができるスマートスピーカーを利用する
また、十分な睡眠をとり、リラックスできる時間を作るなど、精神的なストレスや疲労を溜めないことも、震えの軽減につながります。
医療機関での診断と治療の流れ
手の震えが続く、または悪化する場合は、まず神経内科医への相談を検討しましょう。医療機関では、いつから、どのような状況で震えが起こるかといった問診、神経学的診察を行います。原因を特定するために、血液検査や甲状腺機能検査、脳のMRIなどの画像検査が行われることもあります。
最も多いとされる本態性振戦の場合、日常生活に支障があれば薬物療法が第一選択です。薬で効果が不十分な場合や副作用がある場合は、他の薬剤や、場合によっては手術療法が検討されることもあります。
介護保険を活用した支援とサービス
手の震えによって日常生活に支障が出ている場合、介護保険サービスを利用できる可能性があります。
- 1.市区町村の窓口や地域包括支援センターで相談し、要支援・要介護認定を申請する
- 2.認定結果(要支援1・2、要介護1~5)に応じて、ケアマネジャーがケアプランを作成する
- 3.福祉用具のレンタル(自助具(じじょぐ)、入浴補助用具など)や訪問介護、デイサービスなどを利用する
要介護度ごとに定められた月々の利用限度額を超えるサービスは全額自己負担となるため、ケアマネジャーと相談しながら上手に活用するとよいでしょう。
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7まとめ
手の震えは、原因によってさまざまな症状が現れ、日常生活に影響を与えることがあります。しかし、適切な対処法を知り、早期に対応することで、その影響を最小限に抑えることが可能です。
食事や書字の工夫、ストレス管理といったセルフケアから始め、症状が気になる場合は神経内科などの専門医に相談しましょう。必要に応じて薬物療法などの治療を受けることが大切です。
また、介護保険サービスを活用して福祉用具をレンタルしたり、イチロウのような自費の介護サービスを利用したりして家事や外出のサポートを得たりすることも、負担軽減につながります。ご自身に合った方法を見つけ、不安を解消していきましょう。